アップルと法人向けソフトウェアで手を組むVMウェア

アップルはVMウェアと協力して、iPad向けのオンライン版「iWork」を開発しているという。iPad向けOfficeアプリ提供を予定しているマイクロソフトへの対抗策となるのか。
アップルと法人向けソフトウェアで手を組むVMウェア

アップルiPadビジネス利用をしっかりと想定している。ただし、そのことを公に口に出したりはしない。

米国時間22日、そんなアップルの姿勢を示す新たなニュースが入ってきた。テクノロジー関連ニュースのCRNによれば、アップルはVMウェア(VMware)と協力してiPad向けのオンライン版「iWork」 を開発しているという。これは同プロジェクトの関係者がCRNに語ったもので、現時点では両社はコメントしておらず、その真偽は不明だが、CRNがこのところVMウェア関連のニュースで定評があるのは間違いない。

MicrosoftOffice」にオンラインでアクセスできるサーヴィスに関しては、すでに倒産したサンフランシスコのスタートアップOnLive(日本語版記事)など、いくつかの企業が提供してきた。また、マイクロソフトもiPad向けのOfficeアプリの提供を予定している。それに対し、アップルはiPadのビジネスユーザーを自社のソフトウェアにつなぎとめたい ように見える。

アップルはこれまで大企業などのエンタープライズ市場には、それほど関心を示していなかった。スティーブ・ジョブズが法人向けビジネスを嫌っていたのは有名な話だ。ただし近年のアップルは、iPhoneやiPadなどの法人利用を促す取り組みを進めてもいる。例えば2010年には、RIM(BlackBerryのメーカーでエンタープライズ向けビジネスに強みをもつ)の複数の元販売担当者がアップルのエンタープライズ部門で働いていると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じていた。また今年3月には、企業側でiOS端末の設定を集中管理するためのソフトウェアもリリースされている(日本語版記事)。

CRNによると、両社が開発を進める製品のなかにはオンライン版のiWork(「Pages」「Keynote」「Numbers」)が含まれるという。また、これらのアプリはVMウェアのITマネジメントスイート「Horizon Application Manager」と連動、さらに「VMWare View」というツールを利用すれば、iPadでWindowsやその他のOSのヴァーチャルデスクトップに遠隔からアクセスできるようになる という。

アップルとVMウェアは、「VMware Horizon Mobile for iOS」というソフトウェアの開発でもすでに協力している。これは個人用スマートフォンを仕事にも利用できるように セキュリティや切り替えの利便性を向上させるもので、仕事用のアプリやデータなどを個人用のものとはまったく別に運用したり、会社側がリモートから仕事用データだけを消すといったことが可能になる。

TEXT BY KLINT FINLEY
PHOTO BY WIRED.COM/JON SNYDER
TRANSLATION BY 中村航

WIRED NEWS 原文(English)
※この翻訳は抄訳です