フットワークの良い折り畳み自転車「STRiDA」


三角形のユニークなフレームを持つ英国生まれの自転車。筆者のSTRiDAはModel 5.2で国内ではあまり見かけないモデルだ
折り畳むとこんなにコンパクトになる。小型のリアキャリアは折り畳み時はスタンドの機能も果たす

 風の香りに春の気配が感じられる季節となり、休日にサイクリングに出かけるのにも良い気候となってきたこの頃。今回は少し風変わりな自転車を紹介させていただこうと思う。

 STRiDAというこの自転車は「小径折り畳み自転車」というカテゴリに属する自転車で、折り畳んで袋に入れることで多くの公共交通機関に持ち込むことができる。重量も約10kgと軽量で、折り畳むとカートのように転がして運べるので駅やターミナルでの移動も楽ちんだ。

 STRiDA自体はタイヤが小径(16インチ)ということもあり長距走行には向かない、どちらかというとゆっくりと散歩するように走るのに向いている自転車だが、公共交通機関と組み合わせることで行動範囲は大幅に広がる。

 折り畳みに要する時間も、慣れてくると30秒程度と極めて簡単に折り畳むことができるので、自走と輪行(他の交通機関に自転車を持ち込んでの移動)を繰り返すようなルートを計画することも可能だ。また、サイクリングの途中で天候や体調の悪化といったアクシデントに見舞われた場合も、折り畳んでしまえば最寄りの公共交通機関で移動しやすい。

 筆者は天気の良い日は片道7.5Kmの道のりをSTRiDAで自転車通勤しているのだが、会社では折り畳んで自席の後ろの壁に立て掛けている。目的地での駐輪場の確保が不要なのもSTRiDAのメリットの一つだ。

 この独特な三角形のフォルムを持つ自転車の歴史は以外に古く、最初のモデルは1987年に登場しその後、何度かのモデルチェンジをへて現行モデルは5代目となる。モデルチェンジの度に改良が繰り返された結果、現行モデルは初代と比べるとずいぶんと乗りやすく信頼性の高い自転車となっている。

 STRiDAは独創的で特殊な形状のフレームを持つため、乗り味も少々特殊で「STRiDAは自転車ではなくSTRiDAという別の乗り物」と評価する人もいるくらいだ。駆動がベルトドライブであることもあり、極めて静穏でスムーズな走行を楽しむことができる。これからの季節、STRiDAはゆっくりと景色や雰囲気を味わいながらサイクリングを楽しむのに最適な自転車だと思う。

フレームは3本のパイプが組み合わさってAの形になっている。折り畳み時は前輪の上にある接合部を外し3本のパイプを束ねるような形で行う4世代目のModel 5.0以降はブレーキがディスクブレーキに強化された。走行時あまりにも静かなため、周りの人に気付いてもらえるよう筆者は黄色の熊避け鈴を取り付けている
車輪は前後とも自転車では極めて珍しい片持ち構造になっている

 

製品名国内販売元
STRiDAはModel 5.2GS Global Japan

 

(田中 宏和)

2011/3/30 06:00