ガラパゴス経済学:実質成長率2.6%→1.2~1.4%で物価マイナス、それでも増税? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

ガラパゴス経済学:実質成長率2.6%→1.2~1.4%で物価マイナス、それでも増税?

秘書です。
来年は実質成長率が下がる、消費者物価指数もマイナスのまま?
菅民主党政権の政策成果が、これ?


■GDP1・2~1・4%で検討 23年度政府経済見通し
2010.12.9 20:58産経新聞
 政府は9日、平成23年度の国内総生産(GDP)の成長率見通しについて、物価変動を除いた実質で、1・2~1・4%にする方向で調整に入った。同時に発表される23年度の消費者物価指数は、3年連続で前年度比マイナスになる見通し。このため、物価下落の影響を反映した名目成長率は0%台後半で調整する

 22年度後半の経済成長率は、エコカー補助金の終了や、家電エコポイント制度の縮小など政策効果の剥落で、落ち込むとみられる。

 「発射台」と呼ばれる年度最終四半期の23年1~3月期GDPも低く、来年度のGDP押し上げ効果が期待できないことから、内閣府は「成長率は2%には遠く及ばない」(幹部)と判断した

 23年度の消費者物価指数も、プラスに転じない見通しだ。「23年度中にデフレ脱却」との目標を掲げる政府は、効果的な経済政策の実施に加え、日銀との一段の政策協調が求められる。

 政府経済見通しは来年度税収の算定根拠になる。内閣府は今後詰めの作業を行い、週明けにも海江田万里経済財政担当相に報告し、月末には閣議了解を得る見込み。

→2011年度の消費者物価指数もプラスに転じない見通しということと「2011年度中にデフレ脱却」ということは、どう整合しているのでしょう?

そもそも、実質成長率が下がるのにデフレから脱却できるということは、どういう意味?日本の潜在成長率がどんどん低くなっているということか?


■海江田経財相、消費税「段階的引き上げも」
2010/12/8 20:48 日経新聞
 海江田万里経済財政相は8日、日本外国特派員協会で講演し、消費税率の引き上げについて「来年度の税制改正の議論が終わったら、直ちに(議論を)始めないといけない。再来年にはある程度の形が見えてくる」と述べた。そのうえで「税率を段階的に上げるやり方もある」と指摘し、数%ずつ税率を引き上げる方法も選択肢になるとの考えを示した。
 経財相は2010年度の政府経済見通しで見込んだ2.6%の実質経済成長率について「7~9月期の成長率が大変大きかったため、達成できると思う」と述べた。

■来年には消費税の本格議論を始める必要=海江田経済財政相
2010年 12月 8日 17:32 JST
 [東京 8日 ロイター] 海江田万里経済財政担当相は8日、日本外国特派員協会で行われた記者会見で、来年には消費税の本格議論を始める必要があるとの認識を示した。
 また、日銀が保有する長期国債は日銀券の発行残高を上限とする日銀券ルールは「取り払ってもいい」と発言した。

 海江田担当相は、消費税について「まだ残念ながら議論が行われていない」としたうえで、「来年度の税制改正の議論が終わったら、ただちに(消費税の)議論を始めないといけない」と述べた。

 消費税は、年金や医療保険などの社会保障改革と結びつけた議論が必要だとして「来年全力を挙げて議論し、再来年にある程度の形が見えてくる」との見通しを示した。「それから一度、総選挙をやらないといけないだろう。そして消費税を上げることになる」という。消費税率の引き上げ方は「デフレとの関係でいうと、段階的に上げていくのがひとつの方法かと思っている」とした。

 日銀のインフレ目標導入をめぐる問題については「目標の導入には日銀法の改正が必要。必要ならすればいいが、今の日本銀行法の中でやれることが残っている」とした。そのうえでひとつの例として、日銀が保有する長期国債は日銀券発行残高を上限とする「日銀券ルールは取り払ってもいい」と述べた。「今の日銀法の中で、やれることをしっかりやるのが先決ではないか」との考えだという。

 現在の国内景気については「おおまかな感覚で言うと、現在はリーマンショック前の8割ぐらいの(水準に)戻している」としたうえで、「問題はこれから先」と指摘。7―9月の国内総生産(GDP)が年率換算でプラス3.9%と「非常に高い成長」になったとし「10―12月はおそらく、第2四半期(7―9月)より低くなることが予想される」とした。ただ、6月に政府が公表した2010年度の2.6%成長見通しは「達成できる」と自信を示した。

 11年度の政府成長見通しについては、年内に明らかにすることができるとしたうえで、23の民間調査機関が発表した2010年度の平均成長率見通しが1.2%と、伸び率が低下する点に言及。「11年度は大きな克服しなければならない問題がある。デフレから脱却することだ」としたが、「7―9月がかなり高い成長になったので、GDPギャップが15兆円になった。それまでより10兆ほど圧縮できたが、なかなか大きい」と懸念を示した。

 そのうえで「デフレギャップを乗り越えるには財政出動が大事だが、民間がしっかり投資してくれることも大切」として、その環境づくりに向けて「法人税の税率引き下げで努力している」と説明した。


一部で報道のあった法人税減税については「首相からまだ発言を聞いていない」として「まだ5%引き下げることは決まったわけではない」と述べた。8日開催の政府税制調査会で「法人税減税についての議論があるので、そこで話が行われる」予定だが、「数日のうちに方向を決めて、来年度から新しい税率で臨む」と述べるにとどめた。

 11年度予算は「私はどちらかというと楽観主義者。報道などでは、予算編成や税制改正はまったく順調にいっていないとの見方が多いようだが、必ずクリスマスまでに予算をしっかり作る自信がある」と述べた。

 最近の円高については「基本的に市場が決めること」としたうえで「行きすぎた円高は政府が止める努力をしなければならない」と発言。「大企業と違って(円高への)対応が取れない」中小企業が雇用の7割、設備投資の3割を支えている現状を説明したうえで、「中小企業の元気がなくなると、日本全体の元気がなくなる。中小企業が集積している地域の経済もおかしくなる」と懸念を表明した。一方で「ジレンマだが、中小企業でも海外へ出ていく(動きは)政府が後押ししないといけない。そうなれば雇用が失われる。新たな雇用をどう作っていくのかを考えないといけない」と述べた。

 政府が参加交渉に向けた協議を開始するとしている環太平洋経済連携協定(TPP)については、横浜で菅首相が議長を務めたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で「もう少し踏み込んだ参加の表明をすべきだった」と指摘。その後、TPP締結に向けた国際会議に日本のオブザーバー参加が拒まれたことを明らかにし「もう少し前向きな姿勢を見せておいたほうがよかったのでは」とした。

 (ロイター 基太村真司記者)


→実質成長率が2010年度の2.6%から2011年度に1.2-1.4%に下落して、消費者物価指数もマイナスのままでかろうじて名目成長率が0%で、どうやって消費税率引き上げに日本経済は耐えられるのでしょうか?

→コアコアの物価指数が0になると、また、日銀はフォアードルッキングに金融引き締めをやってくるかもしれませんね。デフレターゲットがあるとしか思えない金融政策のもと、どうやって2011年度にデフレが脱却できるのでしょう?

→そんな中央銀行のもと、物価がプラスになるだけの活力もない経済のなかで、政府が消費税増税したらどうなるか?これは大いなる実験です。しかし、他国の経済学者から見れば、実験するまでもなく、結論は見えているのではないでしょうか。ところが日本だけは「物価がどうであろうと増税すれば増税するほど景気はよくなる」というガラパゴス経済学が主流のようでして。増税の結果、日本経済が悪くなっても、ガラパゴス経済学派の言い分はだいたい予想がつきます。もちろん、日銀が悪いなどとはいいません。一部の人は増税はよかったんだけど使い道が悪いよね、というかもしれません。しかし、日本経済悪化の原因はたぶん、海外要因とうことがガラパゴス経済学派の結論になるでしょう。「景気が悪化した要因は、増税であるとは一概には言えない。●●国の○○など外的要因が景気後退の主要な要因であると考えられる」



※「ガラパゴス経済学」の理解を深めるための過去ブログ

2010-02-10 14:34:03
「増税こそ景気回復」キャンペーンの始まり?
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10455341537.html

2010-04-16 12:36:00
菅財務相の「知恵袋」:「不況期には増税」論
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10509806603.html

2010-06-03 18:11:00
菅エコノミクスを学ぼう:増税しても景気は良くなる論について
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10552878311.html

2010-06-04 21:19:01
菅エコノミクス:正直に堂々と「増税の旗」を高らかに掲げては?
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10553972867.html

2010-08-27 17:23:53
増税すると景気は良くなる?:代表選でぜひ、議論を!
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10631625839.html
民主党代表選で、是非、増税すると景気が良くなるのかどうか、
下記の財政審財政制度分科会の議論をベースに、論戦をお願いします。
5.18財政制度分科会の結論に賛成ですか?反対ですか?
デフレ期に増税するとデフレマインドが相殺される?需要は落ちないんですか?
それとも、増税こそデフレ対策??
・・・