「麻雀放浪記」公開へ 重要な五輪組織委元会長役で再撮影不可 有料コンテンツとして判断は観客に委ねる

[ 2019年3月15日 05:30 ]

ピエール瀧容疑者 コカイン逮捕

 「麻雀放浪記2020」で五輪組織委員会の元会長を演じるピエール瀧容疑者。右はベッキー
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 瀧容疑者が出演している映画「麻雀放浪記2020」が、予定通り4月5日に公開すべく最終調整していることが14日分かった。瀧容疑者は同作で、戦争によって東京五輪が中止になった2020年の五輪組織委員会の元会長を演じている。主人公の坊や哲が生きる昭和の戦後と2020年の戦後を結ぶ重要な役どころだ。

 そのため編集でカットはできず、公開まで1カ月を切った段階で再撮影も不可能なため、配給の東映など製作委員会で対応を協議。ネット上では公開を望む声が多い半面、批判的な書き込みも見られるが、関係者は「公開に向けての協議です」としており、有料コンテンツとして観客の判断にゆだねる方向にかじを切ったようだ。

 それを裏付けるように、瀧容疑者逮捕後の13日に各マスコミにプレス資料を発送。試写を一切行わない宣伝戦略のためだが、中にムビチケ(鑑賞券)が封入されており「劇場公開時にはぜひ、映画館でご鑑賞いただき、応援をお願いいたします」などと、製作委員会の決意表明とも取れる手紙も添えられている。20日の製作報告イベントも予定通り開催する。

 一方、「居眠り磐音」は撮り直しの作業に入った。代役を立てて撮影、編集を急ピッチで進め、予定通り5月17日に公開する。別の映画関係者は「これまで公開直前のトラブルで撮り直したケースでは編集作業に2500万円ほどかかった。それくらいはかかるはず」と説明。ポスターやパンフレットなど瀧容疑者の名前や写真が入った宣材物、関連商品も作り直さなければならず、損害額は数千万円に上るとみられる。

 住宅設備大手「LIXIL」など放送を中止したCMに関しては広告代理店関係者が「違約金や風評被害などを含めれば、損害賠償額が1億円以上になってもおかしくない」と指摘。1本の制作費が6000万円といわれ、約3カ月先の放送分まで撮影を終えているNHK大河ドラマ「いだてん」も加われば、瀧容疑者はやはり5億円を超えるとみられる賠償額を背負うことになる。

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