TINAMIの中の人(@tinami_info)や様々な方が語る、ソーシャルゲーム廻りのイラストのお話
前回話したときは、自分の手にした材料から半分くらい推測も入っていたのだけれど、この1ヶ月間状況証拠が積み重なった感じ。しかもどうも、二極化が思ったより加速しているらしい。
2011-12-23 02:06:07二極化の理由のひとつは、前に話した勝ち負けがつきだしてかけられる予算の差が出てきた…というところがひとつなんだけれども、もうひとつの理由は今ソーシャルゲームまわりでは、カードゲーム的なものが流行していること。
2011-12-23 02:07:37「美しすぎるカードゲーム」とか、そのテのCMもかなりたくさん打たれているのでみなさんもよくご存知だとは思いますけれども。カードゲームの場合は、他のジャンルのゲームに比べて、スタート時点での必要イラスト数が格段に違う。
2011-12-23 02:10:12どんなに少なくてもミニマムで100枚、通常200〜300枚。それを2〜3ヶ月程度の納期すべて揃えようというのだから、けっこうな大仕事になることは、誰にでも容易に想像がつくと思います。
2011-12-23 02:15:31というわけで、ここから作る側の視点で少し考えてみようと思います。仮に美しすぎるカードゲームのクォリティの絵を、100枚、3ヶ月で作るとして、一体何人くらいの作家が必要になるか。
2011-12-23 02:16:56作家の手の速さには個人差がありますが、もしスタート(作画資料や指示書が揃った時点)で納品まで3ヶ月貰えるなら、おそらく1人あたり3〜4枚/月 というところで見積もります。するとやはり、3ヶ月あっても100枚作るには10人前後の作家が必要でしょうか。
2011-12-23 02:19:35いえだから、そういう人材が社内に揃っているところは問題なくできるのですよ… RT @Paromino: @tinami_info 月3~4枚じゃ金銭的に仕事にならないと思います。もっとペースを上げないと。3ヶ月で100枚に10人も要らないと思います。ゲーム業界の作画ペースは
2011-12-23 03:03:00正直言うと、10人はたいしたことはないです。人数で言えば少ないくらい。10人で済むなら楽な部類に入ります。仕事をまわすのは、それほど大変ではありません。でも、ちょっと戻って考えてみれば…前提として「美しすぎるカードゲーム」のクォリティで というのがありました。
2011-12-23 02:23:53この仕事は作家が10人いれば回る。しかしその10人の作家は「美しすぎるカードゲームのクォリティの絵がかけ、かつ3ヶ月この仕事を一緒にこなしてくれて、10枚程度のイラストを作ってくれる」作家でなければいけないわけです。これを10人探してくることは、簡単でしょうか?
2011-12-23 02:25:40ここでちょっと作家側の視点になってみます。1つの仕事で3ヶ月みっちり拘束されるとしたら、1年通して4タイトル分の仕事にしか関われないのです。もし現時点で1つのタイトルに関わっているとしたら、次に仕事が出来るのは約2〜3ヶ月後です。
2011-12-23 02:30:09そうすると、高いクォリティが出せる作家は、おのずと仕事が埋まってくる、スケジュールが取りにくくなる…ということになります。と、まあここまで書いて、これは当たり前の話。著名な作家、巧い作家は引く手数多なのは当然のこと。
2011-12-23 02:34:34ここで急に漫画仕事の喩えで恐縮ですが、著名な漫画家さんであれば、いろいろな雑誌から執筆のお願いが来ます。そこで「今忙しいから」となれば、書いて欲しい編集部は「わかりました、スケジュールが空くまで何年も待ちますから是非うちの雑誌に」みたいに待ってくれたりするわけです。
2011-12-23 02:36:36しかし実は、ソーシャルゲーム業界ってのは案外、こうはいかないのです。スピードが重要視されるので、いくら巧い作家さんでも「あなたの絵が欲しいから貰えるまでゲームのリリーススケジュールをずらします」なんてことは当然ないわけです。
2011-12-23 02:39:34するとどうなるか。欲しい作家の絵を取るために、単純に原稿料の交渉になりやすい。同じ納期のほかの仕事のオファーがあるなら、端的にそれよりも高い原稿料でオファーすればいい、こういうことです。
2011-12-23 02:41:26いま、ソーシャルゲームではこういうことが起きているように思います。それに10人を越えると、実はクライアントから見れば、それは個々の作家への交渉というよりは、「作家グループ全体でいくら使うか」という認識になりやすい。
2011-12-23 02:45:06そんでもって、結局 クオリティを上げる→予算を上げる となっているように思います。資金力があり、イラストを重要視するメーカーは、かなりの資金を入れています。それにより作家全体で見ると、トップクラスの作家はかなり原稿料が高くなりつつあるようです。
2011-12-23 02:50:17さっき、スタートで100枚と言いましたが、ゲームがリリースされて当たると、定期的にアップデートが発生します。月10枚単位とかでしょうか。そうすると、クオリティの高い作家をしっかり囲っておかないと、これが回せません。原稿料を高くするのは、こういうメリットもあります。
2011-12-23 02:52:18まあでもプロで専業の方が3〜4枚で食えないのは事実。ただ10枚とかキャパがあっても、リテイクのこととかを考えると、多少余裕率を残しておかないと危ないです。自己マネジメントが出来るかたは、そこからたいてい他の仕事を入れたりしてます。
2011-12-23 03:08:00なぜならラフ出し→ラフチェック の間で、どうしても待ち時間が発生するからです。同じ仕事だけだと、ラフの返事を五月雨式に返してくれればいいけど、実際なかなかそうはいきません。だからたいていは、ラフ返事待ちの間に別の仕事をするんです。
2011-12-23 03:09:31「まあでもプロで専業の方が3〜4枚で食えないのは事実。ただ10枚とかキャパがあっても、リテイクのこととかを考えると、多少余裕率を残しておかないと危ないです」の部分は、依頼側の視点です。その絵描きのキャパいっぱいいっぱい詰め込んで依頼しない、という意味です。 @Soichi_
2011-12-23 05:58:05ちなみにTINAMIは、美しすぎるカードゲームの制作にはまったく関わっていませんので。あくまでわかりやすい例として出したのみですので、誤解のなきようお願いいたしますw
2011-12-23 03:12:01どちらにしろゲーム関係は守秘義務とか契約上、お話できないことが多いですね。イラストレーターさんにとっても絵は基本買い切りだし、名前も出ない、そのうえ、自分で営業するときに「この絵とこの絵描きました」って言いにくい。
2011-12-23 03:14:39