Android:『SSH Tunnel』は、1クリックでシステム全体、または個々のアプリへのSSHトンネリングを可能にしてくれるフリーオープンソースツール

このアプリのもともとの目的は「The Great Firewall」と呼ばれる、中国の検閲機能をくぐり抜けるためのものなのですが、中国以外の場所でも、ブラウジングのプライバシーを守れます

 「SSH トンネリング」とは、セキュアシェル(SSH)セッションで2つのシステムを接続するという意味です

SSH Tunnelの使い方は極めて簡単。いくつかのセクションに分割されたメニューページが一つあるだけのシンプルなツールです

デバイスを使って接続したいサーバやポート、ログイン情報を入力し、「SOCKSプロキシを使用するかどうか」「どのアプリを使用するのか」などを選択します(Root化されたデバイスの場合、システム全体でトンネルのシステムを使用することも可能)。SSH Tunnelの設定が終わったら、名前を付けて保存しましょう。

Root化されたデバイスでシステム全体のトンネリングを可能にするには、サーバ情報を入力した後に「Use socks proxy」と「Global proxy」の2つにチェックを入れます。接続しようとしているサーバが、SSH接続を受け入れるように設定されており、プロキシが利用可能になれば、設定はこれで終了です。あとはアプリが勝手に動いてくれます。

SSH トンネリングにより、通常のデータを強力に暗号化してデータ通信できます。データ自体は暗号化されないのですが、暗号化されたトンネルを経由して一つのシステムから、もう一つのシステムへ送信されるので、途中で第三者に閲覧されることを避けられます

また、何が送信されているのかがファイアウォールにわからないようになっているので、ファイアウォールによって制限されているものであっても、システム間でのやり取りが可能になります。この特性から、SSHトンネリングは「貧乏人のVPN」と呼ばれることもあります(いざという時に仕事をちゃんとしてくれるという意味で)。結局のところ、SSHトンネリングを導入するのはとても簡単です。しかし、この方法はプライバシーを確実にするためのものではありません

SSHトンネルを使ってデータを送信する場合、データはトンネルの逆側にあるサーバを経由しているように見えます。よって、ヨーロッパのユーザがアメリカのサーバをトンネルすることによって、「Pandora」などのサービスが利用できます。逆に、アメリカのユーザがヨーロッパのサーバをトンネルすることで、「Spotify」などのサービスの利用も可能になります。

SSH Tunnel | Android Market

Matthew Rogers(原文/訳:まいるす・ゑびす)