新潟・福島で記録的豪雨 18万人超に避難勧告
前線の影響で29日、新潟、福島両県は記録的豪雨となった。新潟県三条市で2つのダムが増水、下流の信濃川水系の五十嵐川に放水するため同市が市内全域に避難勧告を出すなど、新潟県で7市1町の約5万9千世帯(約18万4千人)に避難を勧告。福島県只見町も町内全世帯約1800世帯、約4800人に避難勧告。両県の一部では避難指示も出た。
只見町で埼玉県の男性とみられる釣り客が帰らないと110番があったほか、1人が土砂崩れに巻き込まれ行方不明に。新潟県田上町で男性(64)が「田んぼの様子を見てくる」と自宅を出て戻らないと、家族が警察に届けるなど新潟県でも3人が不明になった。新潟県三条市の五十嵐川に軽乗用車が転落したとの通報もあった。
新潟県や只見町は、陸上自衛隊に住民救助などを要請。政府は首相官邸内の危機管理センターに情報連絡室を設置した。
気象庁は「2004年の新潟・福島豪雨に匹敵する大雨」と指摘。30日朝にかけて大雨の恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。新潟県十日町市で1時間に121ミリ、福島県只見町で同約110ミリの猛烈な雨が降った。
新潟県では魚沼市のダムも満水となったほか、加茂市のダムでも放水を検討している。新潟県によると、豪雨でのダムの放水は04年豪雨の際、2カ所で実施して以来。
新潟市が信濃川と中之口川の水位が上昇したとして約2万2千世帯(約7万2千人)に避難勧告。ほかに勧告は三条市の約3万4500世帯(約10万4千人)、五泉市の約1500世帯(約5千人)、南魚沼市と十日町市、加茂市の計25世帯(約80人)など。
新潟、福島両県で道路寸断により孤立する集落が相次ぎ、福島県によると、檜枝岐村は全村孤立状態。両県で7万戸以上が停電、浸水被害も相次いだ。〔共同〕