これぞ本命!?――大変身した「Xperia Tablet Z」のWi-Fiモデルを速攻チェック新旧モデル、ライバル機との比較も(1/4 ページ)

» 2013年02月26日 17時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

10型クラスで世界最薄を実現した3世代目

ソニーの10.1型Androidタブレット「Xperia Tablet Z」

 予想外の進化を遂げた「Xperia Tablet Z」が登場した。前身の「Sony Tablet」から数えて、ソニーのタブレットとしては3世代目となる新機種だ。先行してドコモ販売のLTE/3Gモデル「Xperia Tablet Z SO-03E」が1月22日に発表されていたが、2月26日にソニーマーケティングが販売するWi-Fiモデル「SGP312JP/B・W」が満を持して発表となった。

 2世代目の「Xperia Tablet S」が発表されてから半年足らずでのフルモデルチェンジも驚きだが、従来のラップデザインから一新した厚さ6.9ミリ(最厚部で7.2ミリ)、重さ約495グラムの超薄型軽量ボディにも驚かされた。10型以上の液晶ディスプレイを搭載するモデルとしては世界最薄、国内最軽量を誇る(2013年1月現在/同社調べ)。

 さらに、防水/防塵性能、フルHD超えの高解像度ディスプレイ、高画質化と高音質化のための独自技術、基本スペックの強化、独自アプリの拡充など、進化点は枚挙にいとまがない。

 今回は2013年4月13日の発売(実売価格は6万円前後)に先駆け、いち早く実機を入手できた。とはいえ、パフォーマンスやプリインストールアプリなどが完全でない試作品なので、まずは写真を中心に紹介しつつ、ファーストインプレッションをお届けしよう。

6.9ミリ厚、約495グラムのフルフラットな極薄ボディ

 最大のサプライズであるボディデザインは、従来機の冊子を折り返したようなラップデザインから一転、フルフラットな超薄型フォルムを採用している。

 新しいデザインのコンセプトは、Androidスマートフォン「Xperia Z」と共通の「オムニバランスデザイン」だ。オムニ(Omni)とは全方位の意味で、利用シーンや持ち方を問わず、常に最適なバランスで使えるように、無駄を排したミニマルなデザインを追求したという。

フルフラットな極薄ボディを採用(写真=左)。先代機のように膨らんだ面を握ることなく、どの方向からでも同じような感覚で持てる(写真=右)

 本体サイズは266(幅)×172(高さ)×6.9〜7.2(厚さ)ミリ、重さは約495グラムだ。ディスプレイは10.1型ワイド液晶パネルを搭載している。9.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載する先代機(Xperia Tablet S)のサイズは、239.8(幅)×174.3(高さ)×8.8〜11.85(厚さ)ミリで約570グラムだった。

 つまり、画面サイズの大型化に伴い長辺が長くなったが、大幅な薄型軽量化を実現している。実際に両者を比べてみると、フットプリントの大きさやフルフラットなフォルムから、Xperia Tablet Zの薄さが際立って見える。

6プレート構造によって薄型ボディを実現している

 これだけ薄いと強度の不安が頭をよぎるが、ソニーによれば「先代機と同じ品質テストをクリアしている」とのこと。6プレート構造によって薄型ボディを実現しつつ、バックパネルに軽量強化グラスファイバーを採用することで、薄型軽量と剛性を両立したという。実際に持った感触は十分にソリッドで、壊れそうだという不安は感じない。

 従来機のラップデザインは、重心を片方に寄せることで軽く感じる効果やグリップのしやすさというメリットがあったが、これだけ重量が違うと、体感的な軽さもXperia Tablet Zのほうが上回っているし、軽い力で支えられる。フルフラットな形状なので、上下左右どの方向からでも同じように持ちやすいのは、オムニバランスデザインの効果だ(多くのタブレットもそういったデザインだが)。

 シャープなフォルムながらもエッジ部分は緩やかな曲面でさりげなく縁取っているため、エッジが手の平に食い込んで痛いということもない。

Xperia Tablet Z(左)とXperia Tablet S(右)の比較。9.4型ワイド液晶を備えたXperia Tablet Sは本体サイズが239.8(幅)×174.4(幅)×8.8〜11.85(高さ)ミリ、重量が約570グラムだった。Xperia Tablet Zは画面の大型化に伴い、横幅が長くなっているが、極薄のフルフラットボディにより、Xperia Tablet Sの最厚部はもちろん、最薄部で比べても約1.9ミリ薄く、重量は約75グラム軽い

Xperia Tablet Z(左)と第3世代iPad(右)の比較。9.7型液晶を搭載した第3世代iPad(Wi-Fi)は横位置の状態で、241.2(幅)×185.7(高さ)×9.4(厚さ)ミリ、約652グラムだ。液晶ディスプレイのアスペクト比が大きく異なり、Xperia Tablet Zは横に長いボディとなっている。厚さはXperia Tablet Zが約2.5ミリ(最厚部では約2.2ミリ)薄く、重量は約157グラム軽い

Xperia Tablet Z(左)とARROWS Tab Wi-Fi QH55/J(右)の比較。10.1型ワイド液晶を装備したWindows 8タブレットのARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jは、264.4(幅)×169.4(高さ)×9.9(厚さ)ミリ、約574グラムだ。幅と高さはXperia Tablet Zがわずかに長いが、厚さは約3ミリ(最厚部で約2.7ミリ)薄く、重量は約79グラム軽い

 なお、バッテリー容量は先代機と同じ6000mAhだが、バッテリー駆動時間はWeb閲覧時で従来の約10時間から約8.2時間に減少している。これは後述する高解像度の液晶ディスプレイを採用した影響が大きい。

ボディカラーは質感にこだわったブラックとホワイトを用意

 このミニマルなデザインを生かすため、ボディ背面部の「XPERIA」ロゴ、ステンレス製のカメラリングを備えたアウトカメラも、実にシンプルでさりげなくデザインされている。ボディの側面に搭載している端子類のカバーやボタン類、ステレオスピーカーのデザインも実に繊細で、あたかも身を隠すようである。唯一、アルミニウム製の電源ボタンのみが銀色に輝き、存在感を主張しているが、これがまたいいアクセントになっている。

 ボディカラーは、ブラックのほかにホワイトも用意される。ブラックはシルバーの電源ボタン以外はオールブラックで、「黒い石板」のようなイメージだが、前出の縁取りのように、細部で素材や表面仕上げの変化を付けている。背面がマット調の上品なブラック、液晶ディスプレイ面と側面が光沢ブラック、エッジの縁取り部分はラバー風の素材でマイルドに仕上げている。

 ホワイトモデルも同様に、エッジの縁取りはラメの入ったパール調ホワイト、側面は透明感のあるクリアホワイト、背面は上品なマット調のホワイトと使い分けており、シンプルながらさりげない華やかさのあるホワイトボディだ。光沢ブラックの液晶フレームとシルバーの電源ボタンは、ブラックモデルと共通化されている。

 ちなみに、ドコモ販売のLTE/3Gモデル(SO-03E)とは、デザインも若干異なる。SO-03Eは画面の下部中央に「Xi」ロゴが入るほか、ブラックモデルの側面パーツが異なっており、ドコモモデルは通常の光沢仕上げよりも強く反射する鏡面調仕上げ(増反射コート材に裏からブラックの印刷)を採用している。ドコモモデルはそのほかのスペックも少し違うが、後ほど詳細にまとめる。

ブラックのモデル「SGP312JP/B」(写真=左)とホワイトのモデル「SGP312JP/W」(写真=右)。ホワイトモデルは正面からでも白く縁取りされているのが見える。裏面はどちらもマット調、側面は光沢仕上げ、角はラバー風の素材となっており、非常に薄いボディながら外観と質感にこだわっている

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