オープンソースの画像生成AIをセットアップから使い方まで解説する『Stable Diffusion AI画像生成ガイドブック』(ソシム刊)発売中(→本のサポートページ

『ビューティフルデータ』発売

わたしが編集をお手伝いした、オライリーの『ビューティフルデータ』が発売されました。

ビューティフルデータ (THEORY/IN/PRACTICE)

ビューティフルデータ (THEORY/IN/PRACTICE)

本書『ビューティフルデータ』は、20本のエッセイを通して、大規模データの利用に関する現状と今後の可能性を伝える書籍です。Yahoo!FacebookGoogleに在籍するエンジニアが執筆した基盤技術の開発ストーリーから、火星探査機の画像処理プログラム、レーザースキャナーによって撮影されたミュージックビデオ、国勢調査、犯罪レポート、投票行動などの可視化を通じた分析まで、幅広い分野にわたる先進的な事例を紹介し、データのなかに新しい意味を見出すための考え方を提供します。

O'Reilly Japan - ビューティフルデータ

多岐にわたる内容で興味深い話がたくさんあります。

レディオヘッドの「House of Cards」のプロモーションビデオを作る話は特に面白く読みました。レーザースキャナーで歌手や街の点群データを読み取り、それを再構成して映像作品にするという話です。

この点群データは公開されていて、プログラム言語「Processing」を用いて自分だけのプロモーションビデオを作ることもできます。

そして今は、高価なレーザースキャナーと同等の簡易なセンサーとして、Xbox 360用の「Kinect」を使えるようになっていることも(本書ではふれられていないけれど)また興味深いことといえるでしょう。

都市の犯罪データを種類や地域、時間などで視覚的に概観できる「オークランド・クライムスポッティング」も、リッチで洗練されたインターフェースが目を引きます。

もちろん本来のテーマは、警察が公開していた(あまり整理されていない)データをどう手元にためて処理していくかなどの話です。岡崎図書館事件(Librahack事件)に近いことがここでも起きていました。結果はぜひ読んでご確認ください。

火星探査機の画像処理についても、どんなカメラが積まれてどう効率的にデータを受け取るかなど、現場の話はやはり面白いものです。

ほかにもさまざまな事例が紹介されています。ちょっとお高いですが手に取ってみてください。