カヤックがウェディング事業を始める理由 「面白法人」はどこまで本気なのか?

拡大
縮小
ウェディング事業に参入した面白法人カヤック。新しい挙式の形を作れるか

「既存事業とのシナジーが薄いように見えるかも知れないが、2016年度の数字を見てから判断して欲しい」――。昨年11月、カヤックの2015年12月期第3四半期決算説明会で、ウェディング業界への参入について勝算を問われた柳澤大輔CEO(最高経営責任者)は、こう力を込めた。

2014年に上場した同社の創業は1998年と、ネット業界では古参だ。これまで “面白法人カヤック”を標榜し、広告コンテンツ開発やスマホゲーム開発・運営などを手掛けてきたが、なぜ、このタイミングでウェディング分野に進出したのか。

新たな収益柱を作れるか?

本業の調子は、悪くない。2015年度の通期業績は増収増益の計画だ。足元の主力事業のスマホゲームは「ぼくらの甲子園!」が堅調で、売上高の半分以上を占めて業績を牽引している。

ホームページにある事業紹介。マンガ雑誌をテーマにした企業サイトは類を見ない

もう一つの柱である広告コンテンツの受託開発では、2015年にサンリオのテーマパーク「サンリオピューロランド」の集客企画として手掛けた「ちゃんりおメーカー」が大ヒット。自分や友人に似せてサンリオ風のキャラクターを作れるアイデアが受けて、昨夏のサービス開始から累計1900万人超が利用するサービスとなった。

しかし、変動が激しいゲーム頼りの一本足打法は経営上のリスクが大きい。受託開発はヒットを生み出しても、自社事業ではないので収益貢献は一過性のものに過ぎない。そこで、収益に占めるゲームへの依存度を下げると同時に、継続的な収益柱となる事業を広く育てていく狙いだ。

次ページハードルは高い
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT