NTTドコモは2011年4月19日、同社のスマートフォンやタブレット端末を利用する企業向けに「スマートフォン遠隔制御サービス」を提供すると発表した。企業のシステム担当者が、専用のWebサイトから遠隔でスマートフォンを制御できる。セキュリティ対策や端末管理業務の効率化に役立つ。

 主に、「紛失対策」「不正利用対策」「遠隔管理の効率化」の3つの用途に向けて機能を提供する。紛失対策としては、遠隔でのロックや、遠隔でのデータ削除、つまり「リモートワイプ」の機能を提供する。

 不正利用の防止機能では、登録した電話番号以外に発信できないようにする。登録できるのは最大1000件まで。指定したアプリケーション以外を利用禁止にしたり、デジタルカメラを使えなくしたりする機能もある。

 遠隔管理の効率化を支援する機能として、端末で使われているアプリケーション情報の遠隔チェック機能、スマートフォンへのファイル一斉送信機能を用意する。

 管理可能な端末は現時点では、Androidを搭載する「GALAXY S」「GALAXY Tab」「Xperia」と、Windows Mobile 6.5を搭載する「dynapocket T-01B」。カシオ計算機の業務用端末「DT-5300」も管理可能だが、NTTドコモの回線を使用することが条件となる。

 料金は契約回線当たり月額315円。加えて、システム管理者が機能制限遠隔削除の遠隔操作をした場合、1台に対する1回の操作で3.15円がかかる。初期費用は無料。サービス開始日は4月25日である。

 こうしたサービスは、一般にはMDM(モバイルデバイス管理)サービスと呼ばれ、国内でも数社がAndroid端末向けのサービスを提供中。KDDIも6月の提供開始を予定している(関連記事:デバイス管理で安心度を高める---Android