IT企業がコンテンツを盗む理由

なんかちょうどいいニュース( 凄いサービスが始まった eBook Exchange )を見つけた。ということで以前の記事( クリス/アンダーセンのFREEがくそな理由 )の続きを書くことにする。



リンク先に紹介されているサービスを簡単に紹介すると、amazon電子書籍リーダKindleには自分が買った電子書籍を友達に貸す機能がある。貸せる期間は最長2週間で面白いことに本当の本のように貸している間は、自分はその電子書籍を読むことができない仕組みだ。まあ、amazonが本当の本と同じ仕組みだからいいでしょ?と出版社を説得して実現したサービスだろう。


で、このサービス自体はちょっと前にamazonが発表したサービスなのだが、紹介したニュースにのっているのは、amazonとは別の会社が立ち上げたこのkindle電子書籍を貸す相手をマッチングするサービスだ。つまりもともとamazonのサービスは電子書籍の購入者が自分の友人とかに電子書籍を貸してあげるサービスだったのだが、この発表された新サービスを利用すると、見知らぬ他人で自分が読みたい電子書籍を貸してくれるひとを探すことができる。つまりタダで電子書籍を貸してもらえるというサービスだ。


リンク先のブログではこのサービスを紹介して、画期的なビジネスモデルだと評価している。はてなブックマークのコメント欄をみても賞賛の声は多い。


これが典型的なコンテンツを盗もうというIT企業のやりかたと、それを褒めそやすIT業界まわりのオピニオンリーダーたちの姿だ。いかに上手にコンテンツを盗めるかを競い合い、その技術のうまさをお互いに褒め合っているのがIT業界だ。


さて、こういう話をすると、一刀両断に、ポジショントークだ、と切って捨てるコメントをつけたがるアホが大量に沸く。前回、クリス・アンダーセンのFREEを批判するエントリを書いたときなんかもそうだった。


おまえら自分がなにをいっているのかわかってないだろ?アホどもが。


ぼくはIT業界側の人間であって、ぼくのエントリはIT業界を批判しているようなものだから、素直に考えればぼくがやっているのはポジショントークとは逆だ。


どっちかっていうと正しいコメントは「おまえがいうな」のほうだ。こっちなら意味がとおっている。


そもそもポジショントークってどういう意味なの?という議論もあるだろうが、大抵のひとはポジショントークを以下の2つの意味をこめて使っていると思う。


・ 自分が得をするような意見である。

・ かつ間違っている意見である。


もちろん間違ってない正しい意見でしかも自分も得をするというパターンもあるのだが、ポジショントークと批判するひとは、なぜか、自分が得をする意見をいうひとのいっていることは必ず間違っているはずだという不思議な思い込みがあるようだ。


なぜ、こういう思い込みをするのかというと、根本的には卑しい人間だからだ。自分が得をするように話をするときに、平気で嘘をつくタイプのひとは他人もそうだと思い込む。


もうひとつの可能性はポジショントークと断じるのを、合いの手かなんかと勘違いしているひとだ。大丈夫か?と書いてあると、「大丈夫だ。問題ない」とか答えるのと同じように、なんとなく、ここでは「ポジショントーク」と書くと、うまく空気を読めているかんじかな?とか思っているアホだ。


まあ、いいや。


とにかくポジショントークと指摘するなら、どこがそうなのか?そしてどこで得をするのかを説明できないと意味はない。そしてそれとは別に正しいのか間違っているのかということを示さないとたんなる野次でしかない。


自分がなにか賢いことをいったつもりになっているアホどもは猛省するがよい。


というわけで、今回はポジショントークについて話した。なんか、タイトルと違うような気もするが、気にしないことにしよう。


次回は本当にIT業界がコンテンツを盗む理由とそのやりかた。そしてその善悪についてきちんと議論したい。


グーグルについても書く。たぶん、長いエントリになる。