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6月17日 三橋貴明著「ジャパン・コンセンサス―国民を豊かにする「最強」の経済政策  」発売記念
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シンポジウム「3人の会【三橋貴明xペマ・ギャルポx生島ヒロシ -デフレを退治し、日本を救う-】http://www.a-un.jp/symposium/index.html

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『日本をギリシャ化する方法①』 三橋貴明 AJER2012.5.22(1) 】
『日本をギリシャ化する方法②』 三橋貴明 AJER2012.5.22(2) 】

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 WAC社の「図解 それでも、日本経済が世界最強という真実 」が、またもや増刷になりました! う~む・・・、こういう「分かりやすい系」がやはり売れるのでしょうか。


 6月1日から第二期がネット上で始まる「三橋経済塾https://m-keizaijuku.com/ の仮登録が、早くも当初の目標に届きそうです。ありがとうございます。経済塾のメインコンテンツである「三橋経済塾(音声&PDF)は6月17日にアップになりますが、それ以前に「ミャンマー紀行」や対談系のコンテンツが順次、アップされていく予定になっています。


 今回の第二期の目玉は、やはり「コミュニティ」です(FacebookとTwitterを合わせた感じの掲示板)。経済塾第一期の塾生の皆様はご存じでしょうが、わたくしは各講義の冒頭に必ず裏ネタを入れていました。裏ネタとは言っても、ブログやツイッターで書くのが憚られる程度のものなのですが、この手のネタは今後は本「経済塾」のコミュニティに書き込んでいこうと思います。


 また、コミュニティでは皆様方からの質問を受け付けております。とはいえ、別にわたくしのみならず、分かる方がご回答されても構いませんので、活気のあるコミュニティを構築できればと考えております。


 上念司氏の会社が運営している「勝間塾」同様に、コミュニティにおける「ドリームキラー」は削除対象となりますので、ご注意ください。ドリームキラーが何かと言えば、文字通り「夢を壊す人」という話ですね。夢と言っても別に大げさな話ではなく、「日本を成長させる」ことを信じることです。別に、感情的に信じろと言っているわけではなく、正しい政策を行えば、日本は普通に成長できます。


 そういう意味で、ドリームキラーとは「日本が成長すると信じられない人」ではなく、「日本が成長することを知らない人」と言い換えても構わないでしょうか。いずれにせよ、「日本ダメポ論」に染まり、「日本は成長しない」という絶対的価値観を変える気がないドミナントストーリーの持ち主の方は、入塾をお控えください。本塾は「日本を成長させるために、どうするか?」を考える塾であり、「日本は成長しないんだよっ!」といった個人的価値観を他者に押し付ける場ではございませんので。


 ちなみに、わたくしが「日本は成長する」と言っているのは、あくまで「やることをやれば、成長する」と言っているわけで、やることをやらなければ普通に衰退します。「日本は成長する」は、別にわたくしのドミナントストーリーではございません。そういう意味で、本三橋経済塾は「実践主義者たちの塾」であるとご理解頂ければ、分かりやすいかも知れません。


 さて、我が国のドリームキラーと言えば、代表的なのは日本の大手新聞社です。というわけで、昨日の記事を再掲。


自・公が巨額公共投資計画、バラマキとの批判も
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120527-OYT1T00369.htm
 自民、公明両党が相次いで巨額の公共投資計画を打ち出した。
 いずれも防災対策が目的で、総投資額は自民党が10年間で200兆円、公明党は同100兆円に上る。両党は次期衆院選政権公約(マニフェスト)の目玉にしたい考えだが、党内からは「財政が厳しい折に、有権者からバラマキとの批判を受けかねない」との不安の声も出ている。
 自民党は23日の国土強靱きょうじん化総合調査会で、10年間で200兆円の投資を柱とする「国土強靱化基本法案」を決定した。これを受け茂木政調会長は26日、長野県伊那市での講演で、今国会への提出を目指す考えを明らかにした。公明党も21日に10年間で100兆円の公共投資を目指す「防災・減災ニューディール」の策定方針を決めた。
 ただ、両党とも高速道路の整備など、旧来型の公共事業も目立つ。公明党が21日に開いた県代表懇談会では、出席者から「国も地方も借金がたまるだけではないか」との指摘が出た。』


 さて、まずは定義をしましょう。「土建国家」「バラマキ」「旧来型」「国の借金」などの印象的な用語について、大手紙は決して定義をしようとはしません。というよりも、書いている記者本人が、この種の用語の定義など知らないでしょうし、そもそも「定義は何だろう?」と考えたことすらないでしょう。単に、過去記事をテンプレ化し、そこからコピー&ペーストで記事を書いているのだと思います。


 本エントリーでは、何しろタイトルが「「バラマキ批判」を批判する」でございますので、この「バラマキ」という用語について定義したいと思います。(他の用語については、Klugの連載 で書きましたので、そちらをどうぞ)


(定義)バラマキ:政府がデフレ期に必要な雇用を生み出す需要ではなく、国民への贈与に当たる所得移転系の支出を増やすこと


 当たり前ですが、上記の「バラマキの定義」に登場した各用語は、全て数字ベースで定義されています。すなわち、「幾ら」というのがデータを見ればすぐに分かるということです。


 「雇用を生み出す需要」とは、支出面GDP(国内総生産)上の「政府最終消費支出」と「公的固定資本形成」のことです。すなわちケインズの言う「有効需要」に該当します。政府が医療費や教育費(政府最終消費支出)、公共事業(公的固定資本形成)にお金を使うと、必ず医療サービス、教育サービス、建設サービスにおいて雇用が生まれるわけです。さらに、例えば公共事業であれば、建設会社のみならず、事業で用いられる資材を生産する企業でも雇用が増えることになります(これがいわゆる乗数効果)。


【図 「またこの図かよ」と言われることを覚悟して掲載する「全ての源泉はGDPである」】三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_34.html#GDP


 上図で言えば、「政府最終消費支出」と「公的固定資本形成」は政府から「GDP」へと向かっている「支出」に該当します。
 それに対し、「国民への贈与に当たる所得移転系支出」とは、代表的なものはもちろん子ども手当でございます。子ども手当は、まさしく「政府の銀行口座から、家計の銀行口座へのお金の振込」に過ぎず、それ自体が雇用を生み出す効果はゼロです。
 上図で言えば、政府から国民(企業・家計)へと向かっている「所得移転」です。


 GDPとは、「誰かが働き、付加価値を生み出す」ことなしでは増えません。すなわち、雇用を生み出さない子ども手当は、単体では経済成長への効果がゼロなのです。
 無論、子ども手当を振り込まれた家計が、そのお金を消費などに振り向けてくれれば、GDPは増えます。とはいえ、デフレ期には政府から「お金の贈与」を受けた家計は、消費ではなく貯蓄を増やしてしまいます。


 上図で言えば、お金が「政府⇒(所得移転)⇒国民(家計)⇒貯蓄」と流れてしまうのです。政府が「ばら撒いた」子ども手当を貯蓄に回されてしまうと、経済成長への効果はゼロになり、誰の雇用も、誰の所得も生み出しません。


 しかも、民主党政権の「目玉政策」であった子ども手当の財源は、結局は国債発行でした。すなわち、政府はわざわざ自らの負債を増やし、国民にお金を「贈与」していたことになります。
 上図で言えば「貯蓄⇒(国債発行)⇒政府⇒(所得移転)⇒国民(家計)⇒貯蓄」という流れです。政府が借金を増やし、国民にお金を「ばら撒いた」挙句、誰の雇用も生まれないわけですから、まさしく「バラマキ」になります


 民主党が上記の「バラマキ(所得移転系支出)」を好むのは、もちろん選挙対策として効果的だからです。何しろ、公共事業は全ての国民に等しく平等に雇用が発生するわけではありませんが、社会保障のバラマキは国民に薄く広く、お金が配られます。しかも、公共事業の成長効果が出てくるのは少し先になりますが、バラマキ(所得移転系支出)は「すぐ」に効果が出ます(選挙に)。


 念のため書いておきますが、同じく所得移転系とは言っても、麻生政権が始めたエコカー減税やエコポイントは別です。これらの施策は、政府から国民の所得が移転されるとき(=減税)、必ず消費(自動車や家電の購入)が生まれているという点で、極めて優れた政策でした。


 いずれにせよ、読売新聞は、自民党や公明党の公共事業系政策を批判するより前に、子ども手当に代表される民主党の子ども手当系の支出を「バラマキだ~っ!」と叩かなければならないのではないでしょうか。何しろ、デフレ期の国の政府が「有効需要」を増やさなければならないというのは、歴史的な鉄則なのです。政府が創出できる有効需要とは、すなわち「政府最終消費支出」と「公的固定資本形成」の二つになります。


 日本の大手紙は、デフレ期に必要な有効需要創出政策について「バラマキだ!」と批判する割に、真の意味で「バラマキ」である民主党の所得移転系支出拡大については沈黙しているわけです。各用語の定義を知らずにそうしているのであれば、無知という批判は免れないでしょうし、知っていてやっているならば、許しがたい罪悪です。


 何しろ、デフレに悩む日本で単純に所得移転系の支出を増やしたところで、国民の貯蓄を増やすだけに終わってしまいます。そして、有効需要となる「政府最終消費支出」「公的固定資本形成」がバラマキ批判で拡大できないとなると、日本は永遠にデフレから脱却することが出来なくなってしまうわけです。 


 結果的に、日本の企業の売上や利益が減り、新聞社の広告収入も減少し、新聞記者の給与水準も下がっていくというわけです。この現実について、少しは理解していますか? 読売新聞の記者さん?

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