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【翻訳版】Docker, Inc is Dead

What's this?

Docker, Inc is Dead の翻訳記事です。

ご本人の許可は取っていますが、僕が英語ペラペラではないため、読み辛いのはもちろん、一生懸命訳してはいますが誤訳・ミスリードなどあるかもしれません。

ですので、100%正確な内容を把握したい方は原文をお読みください。また、ここ間違ってるよ!ニュアンスが違うんじゃない?などありましたらお気軽に(優しく)コメントいただけると幸いです。

Docker, Inc is Dead / Docker社は死んだ

Dockerにとって、2017年は非常に辛い1年だったと言っても過言ではありません。Uberを除いて、より活用され、賞賛され、十分に資金提供を受けたシリコンバレーのスタートアップの中で、Dockerが2017年に行ったような悪手を打ったスタートアップは思い浮かびません。人々は2017年を、ソフトウェアの偉大な一部分であるDockerが悪いビジネスのやり方によって台無しにされ、翌年に終わりを迎えた1年だったと振り返ることでしょう。この記事はDockerがどのようにして良くない方向に進んでしまったか、そして、それを修正しようとする努力があまりにも少なくまた手遅れであった様子を外部から見た回顧録です。

Docker is Good Software / Dockerは良いソフトウェアである

言うまでもなく、Dockerはソフトウェア開発に革命をもたらしました。cgroupsや名前空間、そしてプロセス分離などのLinuxのプリミティブな技術を利用して、それらを単一のツールにまとめたのは素晴らしい功績です。2012年に私は開発環境のポータビリティをより高める方法を見つけようとしていました。Dockerの登場により、開発環境はシンプルでバージョン管理可能なDockerfileになりました。Dockerfileにより PackerやVagrant、そしてVirtualBoxなどのたくさんのインフラツールからDockerに移行しました。DockerのUIは実際かなりよいものです!Dockerはたくさんの応用が出来る良いツールです。Dockerを作った人々は、自分たちが開発したツールをとても誇りに思うべきです。

Docker is a Silicon Valley Darling / Dockerはシリコンバレーの寵児である

Dockerの初期の成功はそれを取り巻く大きなコミュニティを築く会社になることに繋がりました。その初期の成功は資金調達に次ぐ資金調達を促しました。Goldman SachsやGreylock Partners、Sequoia Capital、そして、Insight Venture Partnersのような名立たる投資家がDockerに札束を与えるために列をなしました。現在まで、Dockerは総額2億4,200万ドルから2億5,000万ドル以上の資金を調達しています。

しかし、資金が十分にあり、何が何でも勝とうとしていた2010 年代のスタートアップと同様に、Dockerはいくつかの人事的なミスを犯しました。Dockerは自身の成長にともなって何人かの不快な人を保護しました。これにより私はDocker社のリーダーシップに対して、嫌悪感を感じるようになりました。プロダクトは品質を維持していますが、会社のそのような振る舞いは一切言い訳出来ません。悲しいことに、これはシリコンバレーによくあるケースであり、変えていく必要があります。

Kubernetes Dealt Damage to Docker / Kubernetesの扱いがDockerにダメージを与えた

Kubernetesの登場により、Dockerの運命(悲運)は加速しました。Dockerはオープンソースコミュニティで人気のオーケストレーションツールであるKubernetesの扱いが上手くありませんでした。Dockerが認めたオーケストレーションツールは、自身が持つ(Kubernetesの)競合製品であるDocker Swarmだけでした。この決定はKubernetesが最初にDockerコンテナを好んでいたのにも関わらず下されました。非公式な情報では、Docker Captains は、2017年初頭にKubernetes関連の記事やミートアップ、そして、カンファレンスがDockerによって批判されたことを確認しています。

オースティンでのdockercon17はこの Kubernetes-less を信念にして開催されました。その後、dockercon EU 17では突如DockerはKubernetesに全力を尽くすことを決めました。この突然の変化は、Kubernetesが盛り上がり間もなく優勢になろうというところに参画することを狙ったものでした。これはKubeConとCloudNativeCon North America 2017のスポンサーとブースを持っていたことによって、更に心象を悪化させました。

Moby?

Mobyが発表された4月のdockercon17で、Dockerが何をしているのか誰も理解出来ませんでした。MobyはDockerプロジェクトの新しい上流のものとして説明されています。しかし、Mobyの公開は事前にアナウンスされていませんでした。Solomon Hykesのdockercon17での発表を受けて、GithubでDockerからMobyへのドラスティックな変更が起きたとき、何百万の声が恐怖で叫んだかのようでした。このドラスティックで思慮の浅い考えにより、巨大なリポジトリの名前変更は内部で問題を引き起こし、Githubスタッフによる手動での対応を必要としました。

変更がうまく管理されなかっただけでなく、メッセージも十分に考慮されていませんでした。これは謝罪に繋がり、後に手書きによる変更の説明を求められました。これは既に雲行きが怪しいコンテナ分野とDocker(Moby?)のエコシステムを更に混乱させました。Moby公開の扱いはこの業界で働く人々を困惑させ続けています。これによりDockerブランドが傷つけられた可能性もあります。

The Cold Embrace of Kubernetes / Kubernetesの冷めた受け入れ

Dockerの遅く、気まずい土壇場でのKubernetesの受け入れは、差し迫った崩壊のサインです。Docker Swarmが死んだかどうか尋ねられ時、Solomon Hykesは以下のようにツイートしています。 "DockerはKubernetesとSwarmの両方をファーストクラスの市民として手厚くサポートし、相互作用を与えます。オープンさと選択は全ての人にとって健全なエコシステムをつくりだします。" ここでの問題は、Docker Swarmは完全に出来上がっているわけではないので、そのような状況からは程遠いということです。Docker Swarmのプロダクトチームと一握りのオープンソースのコントリビューターだけではKubernetesのコミュニティに追いつくことが出来ません。DockerのUIと同様にKubernetes UIはかなり優れています。これはコンテナ分野において、Dockerが取るに足りないコンサルティング会社であることを認めているようなものです。

Conclusion / 結論

Dockerの真の問題は一貫したリーダーシップの欠如にあります。組織の中で一人の人物を中心にした戦略的なフォーカスがあったようです。この人物は会社の中核からはかなり遠のきましたが、依然として籍を置いています。会社は再編成を行い、エンタプライズにフォーカスすることになりました。この変化はDockerの投資家にとって理解できるものです(結局会社は信託の責任を負っています)。しかし、この変化は熱狂的な成功によってもたらされたブランドが持つクールな要素を減らすことになります。"偉大な文明は殺されるのではなく、自殺するのだ。"と言われますが、Dockerはまさにそれと同じことをしました。

Bonus: Conspiracy Theory / おまけ:陰謀論

私はTwitterで2017年というDockerの厄介な時期について持論を展開しました。Dockerは自身の会社の終わりが近いことを知っている可能性があります。組織の変更により、Exit予定(買収による可能性が高い)が明らかになり、会社の技術的な中核チームはいくつかの変更を優先しました。CNCF(訳注:Cloud Native Computing Foundationのこと)に containerd に寄贈し、MobyをDockerの上流にして、Kubernetesを受け入れることで、Dockerの人々が行った良い仕事は不朽のものになります。これにより、Dockerの従業員によってなされた技術的な進歩がライセンスによるロックを心配することなく、 OracleMicrosoftのような大規模な会社がDockerを買収することが出来るようになります。これはソフトウェアと企業に両方にとって、ベストな世界です。言うまでもなく、2018年はDockerにとって興味深い年になるでしょう。