写真をほんの少し上手く見せる50のテクニック

編集編

1. 使えるものはOffice Picture Managerでも使え

Lightroom, Photoscapeその他いろいろありますが、使えるものはなんでも使いましょう。撮って出しなんて中級者になってから考えればよいのです。

クソ写真も編集次第でどうとでもなります。
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構図編

2. 自信がないなら3分割交点構図

三分割交点構図は七難を隠します。いたるところでおすすめされているのはそんなわけです。
デジカメならたいていガイドが付いているのでそれに従ってとればよいだけ!簡単です。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)

3. 日の丸構図は真上または真正面から。水平と垂直をきっちりとること

実は難しい日の丸構図。撮るなら真上、真下。水平と垂直は必ず出す。なお画像内に直線が含まれる場合、収差の少ないレンズを選ぶ必要があります。

(Fujifilm X-M1/Fujinon XC16-50mmF3.5-5.6)

機材に自信がないなら、自然物を撮るのがおすすめ。


4. 実は一番汎用性の高い対角構図・三角構図

典型的な対角構図です。主題は三角形になる方に含むと落ち着きが良くなります。

(Nikon U/Nikkor 50mm f1.4/PORTRA160VC)

典型的な三角構図です。自然物は山型をしていることが多いので、探すのは難しくないと思います。

(Pentax SP2/SMC Takumar55mm f1.8/Velvia100F)


あまり典型的な三角形では面白く無い場合、小道具などで崩すことも可能です(この場合日の丸構図ともいえますが)

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)


5. 二分割構図は収差の少ないレンズで

収差があり、両端で弧を描いてしまうレンズの場合、横割り二分割構図では見苦しくなることが多々あります。また平凡になりやすいので自信がないならやらないほうが良いと思います。


(Bessa-R/Jupitar8 50mm f2/Lomography X-Slide200)


6. 三分割構図は横長もしくは正方形フォーマットの場合に有効。縦長の場合は四分割

重心ができるのでおさまりがよくなります。基本的には狭い方に主題がある方が収まりがよいですが、遠景を撮る場合などは広い方に主題をおいたほうがよいでしょう。

(Nikon U/Nikkor 35-80mm f3.5-5.6/Kodac Gold 400)

三分割を意識した構図です。こういう構図の場合、大きい方のエリアは余白としたほうが収まりが良くなります。
横向きの場合は3分の1より若干狭いくらいがバランスがよいでしょう。

(Fujifilm X-M1/Fujinon XC16-50mmF3.5-5.6)

縦長写真の場合は、三分割構図では少々余白が多いので、四分割くらいが収まりがよいと思います。横長・正方形でも被写体によっては四分割のほうがよいという場合もあります

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar55mm f1.8)

7. 扉を撮るなら二分割

扉を撮る人はあまりいないかもしれませんが、一部だけの撮影 + アシンメトリで変化をつけます

(Pentax SP2/SMC Takumar 55mm f1.8/Velvia100F)


8. シンメトリよりアシンメトリ。いずれにせよ水平と垂直をきっちり取ること

シンメトリは非常に難しいので撮影技量が必要です。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)

厳密に対称になっていないと違和感があるので、あえて小物をおいてアシンメトリにしてしまうのも手だとおもいます。料理撮影で多用するテクニックです。

風景などで、どうしてもシンメトリにならない場合は、人物などがフレームインしてくるのを狙うというのも手です。

(Fujifilm Fujica/Super Takumar 55mm f2/Kodac Gold 400)


視点編

9. 3レイヤを意識する

メインの被写体 + 背景その1 + 背景その2もしくは前景 + メインの被写体 + 背景とすると絵画チックになります

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


10. 構造物は真下・正面から

特に巨大なものの場合、ただなんとなく撮るとぼんやりとした画像になります。真下・正面をねらう・太陽をフレームインさせるなどして変化をつけましょう。

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)


(Nikon D90/Nikkor 35-80mm f3.5-5.6)


11. 道は低い視点から

曲がりくねった道の場合はそれだけで絵になりますが、真っ直ぐな道、広すぎる道は工夫が必要です。低い視点からは新鮮さな印象をあたえることができるので、たまにやってみるとよいでしょう。

(Zenzabronica/Zenzanon 100mm f2.8/Kodac Extra100)


困ったとき編

12. 困ったときには指を入れる

人肌は情報がふんだんに含まれます。人と分かるものがなにか入るだけでかなり印象は変わります。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)

ただしライティングなどによっては逆効果になることもあるのでご利用は計画的に。

13. 困ったときには光が指す方向に余白を作る

光が入ってくる方向に空間を大きくとると明るいイメージになります。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


14. 困ったときには長時間露光

他のメディアでは表現できない手法なので目を惹きます。ただし長時間露光をする場合は何か動かない点を一箇所、構図的に良い場所に置くこと+手ブレをしないことが大切になります

(Nikon D90/Sigma 28mm Macro f1.8)


15. 困ったときには映りこみ

一見して「お!」と言われやすい写真になります。ただし、多用するとマンネリ化します。

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)


16. 困ったときには被写体を斜めに

平凡な構図を三角構図にして収まり良くするためのテクニックです。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


17. 困ったときは自分の足を入れる

カメラ女子と罵られるテクニックですが、ストーリーはできやすくなります。安易なので靴だけを主題にしないことが大切です

(Pentax SP2/SMC Takumar55mm f1.8/Portra160VC)

18. 困ったときは太陽光線を入れる

レンズによって入り方はかわりますが良いアクセントになります。なにか足りないなと思ったら最後に光を入れてみるというのも、ひとつの手かも。

(Nikon U/Sigma 28mmMacro f1.8/Lomography X-Slide 200)


19. 困ったときは角を撮る

いわゆる放射線構図や三角構図などになり、奥行きの感じられる画像になります。また視線の誘導がしやすいのでストーリーが生まれやすくなります。撮影技量もさして必要ないので気軽にためせるでしょう。

(Nikon U/Nikkor 50mm f1.4/)


20. 困ったときは横顔・背中・伏し目


(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4/Fujifilm 400)

特に背中は視線を誘導するので使いやすいですが、写真をとっても構わない相手であれば横顔のほうがイメージ豊かになります。
またモデルも撮影者もお互い見つめ合うよりリラックスできます。


21. 煮詰まったら太陽を積極的に撮れ

あえてフレアを出していく手法です。マンネリ化してきたなと思ったら、思い切って使ってみましょう。ただし目は気をつけてください。

(Holga135BC/Kodac Gold400)


22. 困っても料理は撮るな

料理をとるととたんにライフログ写真になる可能性が高いので、腕に自信があるかどうしても撮るものがないまたは料理が大好きという人以外は撮らないことをおすすめします


ストーリーを作る編

23. 並んでいるものはそれだけで絵になる

できれば構図は忘れないほうがよいですが、並んでいるものはそれだけで絵になります。できるだけいっぱい画面の中に入れましょう。

(Nikon U/Sigma 28mm Macro f1.8/Portra160VC)


24. 並んでいるものからストーリーを作る

人工物の場合は全く同じものをどう並べるかで面白みが出ますが、自然物の場合、並んでいるものに多少違いがあるとストーリーが生まれます

(Bessa-r/Jupitar8 50mm f2/Lomography X-Slide 200)


25. 光と影で印象操作

対比が存在するとそこにストーリーが発生しやすくなります。

(Rolleicord V 75mm f3.5/Velvia100F)

特に夏場は影を濃く出すことで強い光を表現することが得きます。

(Nikon U/Nikkor 35-80mm f3.5-5.6/)

26. 差し色は一色で

同系色でまとめすぎれば地味に、かといって色がありすぎればごちゃごちゃとした印象になるのはデザインも写真も一緒です。

(Nikon U/Nikkor 50mm f1.4/)

オレンジ系は色が張り付きやすいですが、上手く使えば目を引きます。
また雪を撮る場合はめりはりがなくなるので、なにか色のあるものを使用しましょう

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)

27. 開放でぼかす時は主題を明確に

開放にすると一眼レフっぽい画像になるのでつい多用してしまいますが、主題・ピント合わせは慎重に(作例はピントが合っていません)。

(Nikon U/Nikkor 50mm f1.4)


28. 点光源が入ればドラマチック

入れりゃいいってもんじゃないですが、あれば急に雰囲気が変わるのも事実。点光源といってもさざなみ、机の映り込みなどからつくれるばあいもあるので、いろいろ探してみるといいんじゃないでしょうか。

(Nikon D90/Fujifilm Fujinon 135mm f3.5)


(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)


29. 余白は黒が正義

黒の余白をいれると、なんでもないものもとたんに引き締まることがあります。風景で探すのは難しいですが、物撮りなら難しくないので試してみる価値あり。

(Nikon D90/Fujifilm Fujinon 135mm f3.5)


30. 構造物は余白が命

構造物をメインの被写体とする場合、日の丸構図ではたいてい失敗します。構造物の形が単純であればあるほど、構図テクニックもしくは撮影技量が必要となります。

(Pentax SP2/SMC Takumar 55mm f1.8/Portra400)


31. 若葉は光に透かす

意外にきれいな色がでないか、やけに目に痛い色が出てしまう新緑は、光に透かし、薄さを強調させるとそれらしさが出ます。構図はお忘れなく。

(Nikon U/SMC Takumar 55mm f1.8/Fujifilm Pro400H)


32. 空を撮りたいなら全景を影に

空はそれだけで表情が豊かなので、前景があるとごちゃごちゃとします。空に雲がない場合は前景を映すのもありかもしれませんが、あくまでも空を主体としたいなら、前景は影にしたほうがよいでしょう。

(Nikon U/Nikkor 50mm f1.4/Portra400)


33. 人工物と自然物の混在は失敗がない

いろいろとイメージを喚起しやすいのだと思います。
特に規則正しい人工物のパターンと、そうではない自然物が混在すると効果的です。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


(Nikon D90/Fujifilm Fujinon 135mm f3.5)


34. 円形のものは中心を写真の角に

間違っても全て映そうと思わないことです。四角い写真の中で単なる丸は基本的に相性が悪いものです。他の線・曲線が付随していない場合は全てを映さない事が大事。

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)


35. 少し違う、を主題にする

真っ直ぐなはずのものがななめ、きれいなもののはずが汚い、揃っているはずのものが揃っていない、という時にストーリーは生まれます

(Nikon D90/Sigma 28mmMacro f1.8)


(Fujifilm X-M1/SMC Takumar55mm f1.8)

ちょっと違うことをしている人をさがすのもよいです。


あえて、外す編

36. あえて人物は主題にしない


(Pentax SP2/SMC Takumar55mm f1.8/Fujifilm Pro400H)

この写真の場合、真ん中にあるのは椅子です。男性は椅子の端っこに座っていますが、彼を中心に置くとバランスがおそらくわるくなるでしょう。緑色の服の男性も中途半端な位置になってしまいますしね。
同様にこの場合もベンチが真ん中です

(Nikon D90/Sigma 28mmmMacro f1.8)

鳩の位置が微妙ですが、女性を真ん中に置くとバランスが悪くなることが予想されます。


37. あえて物体を背景と並行に置かない

三角構図もやりすぎるとマンネリ化するので、少し表情を帰るために主題を流れに逆らう形でおくことがあります。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)

雑然とした印象になりますが、それが狙いという場合はおすすめ。


38. あえて全部映さない

全て映すと印象がぼんやりすることがおおいので、商品撮影でなければ一部だけをフレームインもしくは一部だけをフレームアウトさせます。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


39. あえて主題をぼかす

主題をくっきり映すのに飽きてきたら、ぼかしてみるのも手です。

(Nikon U/Nikkor 50mm f1.4/Fujifilm Provia)


探す編

40. あるはずのないものを探す

本来あるはずのないところに異質なものがあったら絵になります。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


(Pentax SP2/SMC Takumar 55mm f1.8/Fujifilm Pro400H)

マンホールの黄色が主題色になってしまっているので良い作品ではないですが、人工物の中から植物がでているのはそれなりに目を惹きます


41. 類似をさがす

「あるはずのないものを探す」のテクニックに含まれますが、周辺の物体となにか類似点があるとコミカルもしくは批判的な印象になります。

(Pentax SP2/SMC Takumar 55mm f1.8/Pro400H)


42. 光の当たる場所を探す

光が当たることで主題が浮かび上がります。絵画でもよく使われる手法ですが、なんでもない場所で光があたっている場所をさがせば手軽に同じ効果を出すことができます。

(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


その他テクニック

43. 人物がはいればたいていどうにかなる

子供は最強です。

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)


44. 人の視線に構図をあわせる

人物写真は人物の顔を映すだけではありません。見た人を没入させるテクニックとして前方にいる人物の視点を描写するのは、映画・絵画などでよく使われますが、写真でも同じですね。

(Pentax SP2/SMC Takumar 55mm f1.8/Portra400)


45. 写したくないものはぼかす

写真は引き算と言われますが、ボケはそのために使用します。

(Fujifilm X-M1/SMC Takumar 55mm f1.8)

汚い本棚などもぼかしてしまえばモーマンタイ。

(Fujifilm Fujica ST801/Super Takumar 55mm f2/Kodac Gold400)


46. 有名すぎるものはぼかす

場所の印象などが強くイメージを阻害する場合は、有名すぎるものをぼかします。今回は日比谷公会堂にぼけていただきました

(Bessa-r/Jupitar8 50mm f2/ILFORD DELTA100)

ぼかしつつ何かツールをつかって一部だけはっきり映すというなにがやりたいのかわからない手法も。

(Nikon D90/Sigma 28mmMacro f1.8)


47. 何度も撮る

自然物なら季節ごとに、そうでないものも日を変えて何度も撮る。設定を変えて何度も撮る。そのうち撮り方がわかります。
物撮り続けた結果
(Nikon D90/Nikkor 50mm f1.4)


48. よく知る

深く知っているものに対してはふさわしい扱い方・美しい見え方がわかります

(Pentax SP2/SMC Takumar 55mm f1.8/)


49. ひたすらまつ

自分の納得する写真が撮りたかったら、頭のなかに出来上がりをイメージし、とにかく時が来るまで待つことです。

(Nikon D90/Sigma 28mmMacro f1.8)


50. 楽しむ

49のテクニックを全て忘れても、これだけは忘れないで下さい。



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撮影テクニックの話

構図についてはこちら三回のほうが詳しく書いてるかも。
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