1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP。
東海道新幹線は2015年3月のダイヤ改正から、一部の「のぞみ」で最高時速285キロメートルの運行を始めた。東京駅〜新大阪駅間の所要時間は3分短縮されて、2時間22分になった。わずか3分、されど3分。小さなスピードアップの積み重ねで、東海道新幹線は開業時の4時間より1時間38分も所要時間を短縮した。JR東海はさらに小さな時間短縮を積み重ねて、東京〜大阪間2時間10分を目指している(関連記事)。
次のステップとして、JR東海は2019年にN700Aを追加投入し(関連記事)、700系を引退させる。その後、700系はJR西日本の山陽新幹線で余生を過ごすだろう。ご存じのように東海道新幹線と山陽新幹線は直通運転しており、一体的に見える。しかし、東海道新幹線は新車の入れ替わりが早い。東海道新幹線を引退して山陽新幹線だけの運用になるというパターンは定番だ。最近、人気アニメとタイアップした「新幹線:エヴァンゲリオン プロジェクト」で話題となった500系電車も、5年前まで東海道新幹線で活躍していた。
東海道新幹線の電車はN700系で6代目、N700Aはマイナーチェンジだけど、これも数えると7代目となる。だから東海道新幹線の進化は7回とも言えるし、同系列でスピードアップしたダイヤ改正も入れると、もっと細分化できる。しかし、2019年に行われるダイヤ改正は、その中でも革新的になるはずだ。
その理由は「N700Aに統一」「全列車の最高時速285キロメートル」というだけではない。「全列車の最大加速度が2.6キロメートル毎時毎秒(km/h/s)」になるからだ。これが何を意味するか。そして、その効果を予想してみよう。その説明の前に、東海道新幹線の車両の歴史を振り返ってみたい。
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