news 2014.5.15
 
Rトピックス

この夏、糸島の海辺で3週間暮らしてみませんか?

本田雄一(福岡R不動産/DMX)
 

福岡R不動産が2011年にスタートしたトライアルステイプログラムも4年目に突入。筑後、上毛とエリアも広がり、仕事付きの進化型プログラムも生まれています。そして今年は全国の移住希望者の間でも注目を集めている「糸島(いとしま)」で開催です。

※イベントは終了いたしました。ありがとうございました。

福岡が誇る身近な楽園、糸島。まるで東南アジアのビーチのような雰囲気です。

糸島が人を魅了してやまない理由

週末は福岡市内から多くの人が遊びにでかけ、本屋に並ぶローカル雑誌でも「糸島ビーチ」「糸島野菜」「糸島カフェ巡り」と毎月のように特集を組まれるほどの人気となった糸島。すでにブランド化したと言っても過言ではありません。その知名度は県外まで広がり、今では首都圏から福岡R不動産へお問い合わせをいただく方の半分近くが移住先として糸島を候補に挙げています。

では、糸島の魅力とは一体なんなのでしょう?
9年前に東京から福岡に移住したぼく自身も、週末に遊びに行き始め、気づけば糸島半島の先端、芥屋(けや)に土地を買っていましたし、知人が福岡に来た際に糸島にドライブに連れて行くと、福岡の評価が3倍くらいアップします。来る人を魅了する「何か」があるのでしょう。

そんな糸島の魅力をとても主観的に3つ挙げてみます。

1. 海とサンセットロード

サンセットロード沿いにはカフェ・レストランが立ち並んでいる。

二見ヶ浦から糸島半島をぐるりと走る海岸道路、通称「サンセットロード」沿いにはまるでアジアのビーチリゾートのような風景が広がっています。

福岡市内から糸島半島へ海沿いを走るにつれ、海がきれいになっていくのは、内海である博多湾から外海へ出るからです。海岸沿いには6つものビーチが点在し、海水浴にサーフィンに、バーベキューと海好きにはたまらない環境。

また、サンセットロードというだけあって、海に沈んでいくサンセットを見ながら食事やお茶ができることも人気の秘密。道沿いにはセンスのいいカフェが並び、今から夏にかけては屋外のデッキで海風を感じながらゆっくりとした時間を過ごすのが気持ち良い時期です。

左:海に沈むサンセットを見られるのも糸島ならでは。 右:6つのビーチの1つ「幣の浜」。サーフィンもできます。

2. 福岡市との距離感

意外と触れられないのですが、福岡市の中心部から車で40分ほどの距離にあることを抜きには糸島の魅力は語れません。

福岡市の中心部から40分前後という距離感。

福岡市は日本でもトップレベルの利便性・居住性を持ち、150万人が暮らす九州最大の都市です。過去何度も暮らしやすい都市として世界ランキング入りをするほど快適に暮らすことができ、人口増加率は政令指定都市内で現在トップ。先月、日本の国家戦略特区にも選ばれ、ビジネスを中心としてこれからもますます盛り上がっていくことは間違いないでしょう。

その福岡市に隣接する糸島は、福岡に暮らす人のビーチリゾートであり、福岡を生活圏に入れて田舎暮らしをする人の居住地・別荘地として人気を集めています。

3. 質の高いお店やイベント

糸島は新鮮な魚介類はもちろん、オーガニック野菜や糸島豚など、食材が豊富。
市場やスーパーで新鮮な食材をそろえて料理するのもいいですし、こだわりの料理を自然豊かなロケーションで味わえる隠れ家的な飲食店も多いので、自分のお気に入りの店を開拓していくのも楽しみの1つです。

左:糸島在住の作家による作品が集まる「糸フェス」。 右:糸島の冬といえば、採れたてかきをその場で食べるかき小屋。

食べ物だけではなく、糸島には陶器や木工、ガラスなどのクラフト作家が多く、工房が点在しています。時間をかけて1つ1つのモノを大切に作っている作家と直に話して、その作品を買う、なんとも贅沢な時間です。最近では、糸島のクラフト作家の作品を一堂に見ることができるイベント「糸フェス」が秋に開催。今後も目が離せません。

イベントといえば外せないのが夏の終わりに芥屋のビーチで行われる野外フェス「SUNSET LIVE」。野外フェスは山や平原で開催されることが多いですが、ビーチだと一味違います。良い音楽と美味しい料理、そしてきれいな海、毎年最高の3日間を過ごして糸島の夏は終わるのです。
もともと1つのカフェのイベントから始まったこの野外フェス。先ほどの糸フェスもそうですが、自分たちで面白いことを創り出してしまうのが糸島スタイルなのかもしれません。

糸島の夏を締めくくるSUNSET LIVE。全国でも少ない、ビーチで行われる野外フェス。

糸島のエリア紹介

ひとえに糸島と言っても、エリアによって特徴が異なります。自分のライフスタイルに合わせてエリアを選ぶことが移住先を決める際のポイントです。

そこで、簡単に糸島の3つのエリアの説明を。

大きく3つのエリアに分かれる糸島。

前原地区
まずは糸島の中心地である「前原地区」。主要駅である筑前前原駅から福岡市の中心部、天神まで32分、福岡空港までも43分と通勤に便利。ただし、駅周辺部は自然豊かな環境というより、郊外の住宅街といったイメージです。海や山のあるエリアへは車で10分〜20分ほど。

志摩地区
次は糸島の人気エリア「志摩地区」。半島部分に位置し、いくつものビーチが点在します。サンセットライブが行われたり、海沿いのカフェを始め、多様なジャンルのお店が増えてきており、ますます魅力的になっています。福岡の人の糸島のイメージと言えば、だいたいこの辺りのこと。また、移住者が多いため、比較的地域のコミュニティーにも入りやすいのも特徴。ただし移動手段として車は必須です。

二丈地区
最後に佐賀との県境にある「二丈地区」。上の2つのエリアに比べると馴染みのない方が多いかもしれません。でも、海があり、山があり、そして駅も近いという実は最も糸島を満喫できるところと個人的には感じています。海もここが一番きれい。昔からのコミュニティーが多いので、ご近所づきあいが濃く、地元の人と仲良くなりたいと言う人にお勧めです。

二丈地区の深江のビーチにある海の家。いい雰囲気を出しています。最近、こんなお店が増加中です。

移住者にも人気の糸島

というわけで、多くの人を魅了する糸島ですが、近年移住者が続々と集まってきています。福岡市内からはもちろんのこと、首都圏や海外から移住してくる方も多く、新しいコミュニティーがどんどん育っています。

移住者同士のつながりが強いのも、糸島ならではでしょう。ぼくも糸島にふらっと遊びに行ったことがきっかけでとある移住者と仲良くなり、気づけば糸島の友人が増えていました。誰かと知り合えば、みんなとつながる、そんな雰囲気があります。

<参考>
糸島移住者インタビューvol.1 「その時」に最善な場所を選ぶ。定住しない「移住型の暮らし」
糸島移住者インタビューvol.2 ものを創る人こそ、糸島へ
糸島移住者vol.3 時代を切り開く自給スタイルの発信「いとしまシェアハウス」

ゴールデンウィークに移住者たちが開催したマルシェ。

一方で、人によっては物件を見つけることがなかなか難しいという現状も…。ほかにも「地域の人に馴染めるか」「福岡への通勤は可能なのか」「買い物など、生活は不便ではないか」など、移住に向けたハードルもいくつかありそうです。

そんな方に向けて、一定期間糸島の空き家に試しに住んでみることができるプログラム「糸島トライアルステイ」を開催することになりました。

トライアルステイとは
トライアルステイとは、行政と福岡R不動産が協同のもと、地域の魅力的な空き家を移住希望者にお得な条件(3週間賃料500円+光熱費など)で提供し、体験居住を通して地域とのフィット感を確かめていただくプログラムです。

過去3年間で、福岡県内の筑後地域・上毛町などのエリアで約60組の方にトライアルステイしていただき、実際に移住した人も少なくありません。

滞在後にアンケートやインタビューなどモニタリングにご協力いただく必要はありますが、期間中は何をしていてもOK。エリアを深く探求するもよし、人と交流するもよし、物件を探すもよしです。行政の担当者と福岡R不動産のスタッフが滞在のサポートも行います。

ここで、普段あまり触れられないトライアルステイの活用の仕方、かつ移住へのヒントを1つ。 移住までの過程で、重要となるのは実は地元の人のサポートだったりします。そのため、トライアルステイで糸島での生活を体験することももちろん大切ですが、3週間という期間そこで暮らすことを、地元の人と知り合えるチャンスと捉えてもいいのかもしれません。糸島ライフを満喫しつつ、ぜひ多くの人と繋がりを作ってください。

それでは、本題の糸島トライアルステイへのご案内。
以下、少しかたいですがプログラムの紹介です。

糸島市では、定住人口の拡大につながるまちづくりを展開することにより、市民が生活の質の高さやそこに住む誇りを実感し、市外の住民からは住んでみたい土地として選ばれる地域となることを目指しています。

そのため、糸島市には移住希望者にとってどのような魅力があるのか、また、どのようなことが要望されるのかといったことを調査することを目的として、福岡都市圏等の移住希望者を対象としたモニタリング調査「糸島市トライアルステイ」を行います。

具体的には、糸島市での暮らしに関心のある方に、市内の空き家で約2~3週間生活・通勤などを体験していただき、その後、受入体制整備促進のために必要な基礎データ抽出のためのヒアリング・アンケート調査にご協力いただきます。

なお、本事業は、実施主体である糸島市より、その委託を受け、株式会社DMX(福岡R不動産)が実施しています。滞在中のサポートは糸島市の担当者と福岡R不動産のスタッフが行います。

続いて、募集概要です。

滞在場所:糸島市志摩芥屋、糸島市二丈鹿家

期間:
第1期 7月19日(土)~8月3日(日)
第2期 8月9日(土)~8月31日(日)
第3期 9月6日(土)~9月28日(日)
第4期 10月4日(土)~10月26日(日)
第5期 11月1日(土)~11月23日(日)
※期間中は、最低10日間以上の滞在が必要となります。

対象:糸島市への移住に興味のある方

定員:10組程度

条件:
○賃料 500円(1物件1期あたり)
○水道光熱費は物件により以下の費用がかかります
・物件 NO.1:1日あたり800円(第1期12,800円/第2期~第5期18,400円)
・物件 NO.2:1日あたり500円(第1期8,000円/第2期~第5期11,500円)
○保証金 3万円(事後に水道光熱費等を精算します)
○事業趣旨をご理解いただき、体験中のアンケート・インタビュー等にご協力ください
○メディア取材にご協力ください
○必要最小限の家具(座卓等)、家電(冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器・洗濯機)は実施者がご用意します

注意事項:
・物件、期間はご希望に添えない可能性があります。
・物件は掲載のものから変更になる可能性があります。
・使用に際する条件は、物件ごとに異なります。
・物件により使用できない部屋がある場合があります。
・寝具・リネン・タオル等はご持参ください。(最低限の家具・家電はご用意いたします)
・交通の便が悪い物件もあるため、車の手配は各々行ってください。
・定員を超えた場合は、頂いたアンケートをもとに選考させていただきます。
(当選者には6月5日以降メールでご連絡いたします。)
・募集締切は6月1日となっています。お早めにご応募ください。

物件のご紹介

最後に実際に生活していただく物件のご紹介。
今回は志摩地区と二丈地区に1物件ずつご用意いたしました。

糸島トライアルステイ物件 NO.1 芥屋の中心で糸島を遊びこなそう

芥屋のビーチに行くとき、最後の曲がり角にある「ライズ アップ けや」という商店跡と言ったらご存知の方も多いかと思います。長い間シャッターが下りていましたが昨年の夏にカフェとしてオープンし、この7月からはまた新たな拠点として生まれ変わります。

実はこの建物の一角には住居スペースがあり、ここが滞在場所になります。中は広々としたリビングと日当たりの良い和室が2つあるシンプルな作り。周辺には移住者も多く、店舗スペースには様々な人が出入りすることになるので、糸島での新たな出会いを求めている方にはお勧めの物件です。

※同じ建物内の店舗部分は別の方が使用しています。
※バス停がすぐそばにありますが、便数が少ないので、車などの移動手段は必須です。
※インターネット環境あり ※ペット飼育不可

左:商店の面影が残る外観。 右:広々としたリビング。

左:同じ屋根の下にある店舗部分(写真左手の扉が住居玄関)。 右:歩いて8分の芥屋海水浴場。

所在地:糸島市志摩芥屋
アクセス:昭和バス「芥屋購買店前」バス停 徒歩1分


糸島トライアルステイ物件 NO.2 二丈リラックスライフ

糸島の西端。佐賀県との県境に位置する二丈鹿家(しかが)。

物件は少し高台にある大きな木が目印の平屋。木造で良い味を出しています。
まず嬉しいのが目の前に広がる田んぼとその奥に見える海。一日中眺めていられる景色です。
また、お風呂の窓からも同じ景色が広がっているのも憎い演出。

こんな環境ですが駅が近く、徒歩6分。福岡の中心部まで約1時間。
そして海までも歩け、ビーチは人が多くないのでゆっくりと過ごせ、なにより海の透明度が全然違います。

ブランド化した糸島ではなく素朴で、少しゆったりしたい方向けの物件です。

※インターネット環境はありません
※ペット室外のみ可

左:森の前に佇む木造の平屋。 右:目の前には田んぼが広がり、その奥に海が。

左:古いけれど清潔感ある室内。 右:徒歩10分の鹿家のビーチ。水の透明度が違います。

所在地:糸島市二丈鹿家
アクセス:JR筑肥線「鹿家」駅 徒歩6分#


トライアルステイに参加希望の方は下記のアンケートフォームよりお申し込みください。今回はお申し込みできない方も、糸島での生活にちょっとでもご興味がありましたら、ぜひアンケートにご協力ください!

※募集は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

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