冒険に出よう』(安藤美冬著、ディスカヴァー・トゥエンティ・ワン)の著者は、企業経営、コミュニケーションデザイン、コンテンツディレクションなどを幅広く手がける話題の人物。ソーシャルメディアによる発信とセルフブランディングを駆使するノマドワーカーとしても知られています。

本書はそんな著者が、これまでの道のり、考え方、ビジネススタイルなどをつづった作品。今回は、もっとも基本的な部分であり、多くの人が応用できそうなCHAPTER 2「自分の可能性を広げる」からいくつかをピックアップしてみましょう。■ マイルールを定めて実行する(64ページより)

著者は会社員時代、会社の就業規則とは別に自分だけの「マイルール」を持っていたそうです。

  • 週1日は「ノー残業デー」とする
  • 週1回は社外の人とランチを食べて、情報交換をする
  • 上司や先輩から本をすすめられたら、その場でネット書店に発注し、読んで(すすめてくれた人に)感想を伝える
  • リフレッシュ法を複数持つ(マイカップとハーブティーを会社に持参して飲む、など)
  • 年に2回は海外旅行をして見聞を広める
  • 社外で構築した人脈を、社内の仕事につなげる
  • 組織や肩書に頼りすぎない社員を目指し、ツイッターで実名発信

などなど。自分でルールを決めて実行することで、「個」としてのアイデンティティを生み出せるのだといいます。

3000人に会う(67ページより)

会社を辞めると決めた著者は、「マイルール+(プラス)」という独立準備のためのルールを定めたのだとか。そして、そのひとつが「1カ月で100人以上、退社までに3000人に会う」というもの。いうまでもなく、目的は情報収集と人脈づくり。また会社員意識から独立自営意識へとマインドセットするためでもあったそうです。そして結果的に、「仕事も、チャンスも、お金も、情報も、すべて『人』を介してやってくるということを実感したといいます。数と期限を決めたことも、重要なポイントではないでしょうか。

24時間以内にメールする(70ページより)

せっかくチャンスをつかんでも、それを有効活用するのはなかなか難しいもの。しかし著者は「ひと手間がチャンスにつながるかもしれない」という思いから、「24時間以内にメールする」というルールを作っていたといいます。月100人以上と会っていた時期のことだというのですから、大きな気力と労力が必要ですが、それがチャンスにつながったのだとか。たしかに、相手に自分を印象づけるためには大切なことですね。

会社を辞めると決めたとき、著者は「やりたいことが見つからない。数字ではかれる実積もない(序文より)」状態だったといいます。だからこそ、同じような思いを抱いている人は、ここから大切なものの価値を見出すことができるかもしれません。

本書を手に取った方は、どんな感想をもったでしょうか。Facebookページでも下記のコメント欄でも、ぜひ教えてください。

(印南敦史)