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AR~拡張現実~人間の“現実感”を高めるテクノロジー 第5回

本当の「AR」とは? ARの歴史と未来の姿を追う!

2010年04月20日 12時00分更新

文● 丸子かおり

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いま、ARがエンターテイメントと
ビジネスを融合させる!

 これまで、この連載ではエンターテイメントやビジネスにおける、爆発的なARの浸透ぶりを紹介してきた。少なくとも2010年の情報技術産業を語るのにARは外せない。また、今後も多くのARアプリやサービスが生まれていくだろう。

 また、たとえばニッサン石鹸の試みである「AiR FaFa」のように、アプリをダウンロードし、ファーファ製品のロゴを写すことで、iPhoneの中で熊のファーファと遊べるというものも登場した。今までの記事でも書いたように、エンターテイメントとビジネスや広告・販促の組み合わせというのが、今後のARのひとつの流れになっていくと思われる。

ニッサン石鹸のブランドでありマスコットである「ファーファ」。ニッサン石鹸では人気のキャラクターである熊のファーファが登場した。iPhoneのARアプリAiR FaFaを配布。ロゴのカメラでの撮りかたしだいでは、ファーファの見えかたも変わってくる(提供: ニッサン石鹸)

 また、奈良先端科学技術大学院大学の加藤博一教授がワシントン大学のHITLabで開発したライブラリ、「ARToolKit」では、ある程度のC言語のプログラミング知識があれば、白黒のマーカーを使ったARワールドが実現できる。自分でARに触れられる楽しさが人気を集め、現在、様々なユーザーが作成したアプリケーションの動画が、YouTubeやニコニコ動画でアップされているほど。

ARToolKitを使って作成したARアプリケーション。マーカーとCGを作って、Webカメラで写す。マーカーの上にCGが乗っているのが分かる (提供:工学ナビ)

 いまや、ブームと言っていいほどARの注目度は高いが、もしかして一過性のブームで終わってしまうのだろうか? いやそれは違う。今後、現実や社会とARの関わりはますます深まっていくことだろう。もしかしたら人間の「現実感」や「能力」を変えてしまうかもしれない。それほどARは大きな可能性を秘めているのだ。

 最終回となる今回は、AR開発の歴史そしてARの未来の姿、本来の姿を探るべく、日本でのAR研究の第一人者、東京大学大学院情報学環の暦本純一教授にお話をうかがってきた。

(次ページへ続く)

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