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「草刈り役」の羊 持ち主は大阪府 住民が育て10年目

2011年8月8日12時35分

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写真拡大河川敷で仲良く草を食べるウッチー(左)とタッチー=7月、大阪府和泉市内田町、京谷写す

写真拡大2頭の羊と世話をする地元の住民たち=3月、大阪府和泉市内田町、府提供

図拡大羊が飼育されている場所

 大阪府和泉市を流れる松尾川の河川敷で、地元住民が2頭の羊を育てている。羊の持ち主は大阪府。伸び放題の草むらの陰に捨てられるごみを減らそうと「草刈り役」として飼育され、今夏で10年目を迎えた。除草費用の節約に加え、今では地域住民の交流にも一役かう貴重な存在だ。

 羊の名はウッチーとタッチー。世話をする内田町の町内会にちなんだ名前で、それぞれ2代目と3代目になる。2頭は柵に囲われた約1500平方メートルの河川敷で、毎日午前7時〜午後5時、ゆったりと草をはむ。

 羊の飼育は2002年8月から。住民参加で河川敷の清掃や花の栽培などをする「アドプト・リバー」事業の一環だが、羊を活用するのは全国的にも珍しいという。府が羊を「備品」として購入し、健康管理にかかる年間30万円を負担。協力する町内会がヒツジの世話をする。

 2頭が食べる草の量は年11トン。放牧前は人の背丈ほどあった河川敷の雑草は、羊たちの活躍でくるぶしが隠れるほどに保たれている。家庭ごみや電化製品の不法投棄もなくなったといい、府が負担していた除草代(年125万円)やごみの撤去費(同30万円)が節約できたという。

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