My Home Town(旧風力発電と子育て日記)

観光と風力発電と子育ての日記です。

当日記の内容については風車ファン以外の無断での転載転用を固くお断りします。

風力発電についての有識者会議

2011-04-20 23:10:42 | 風車日記
昨日、熱海市で県主催の伊豆半島における風力発電
についての有識者会議が開かれたそうだ。

これは風車嫌いの県知事の発案で伊豆半島に風車を
建設することの是非を有識者に判断してもらおうと
いう主旨の会議のようです。

なぜ、伊豆に関係のない有識者に判断してもらう必
要があるのかさっぱり理解できません。
ただ、自分は現在風力発電の担当でも無いのでこの
有識者会議についてブログで取り上げるつもりは無
かったのですが、新聞で知事のコメントを見たとこ
ろ明らかに間違った認識で議論が進められているよ
うなので1点だけ指摘しておきたいと思います。

知事は「風車で発電した電気は地元で使えない」と
発言しています。また、事務局から配布された資料
にも伊豆半島では使えない、と記載されています。

しかし、これは明らかに間違いです。
例えば東伊豆町の町営風車で発電された電力はすべて
東伊豆町の稲取地区に供給され消費されています。

また、当町内のCEFの風車や南伊豆町の電源開発の
風車で発電された電気も伊豆半島内で消費されます。

なぜなら原則的に風車が連系されている配(送)電線
より上位(より容量の大きな)系統に電気を逆流させ
る(突き上げる)ことは認められていません。

知事は停電している時に風車を回して発電することが
できないことを指して地元で使えないと捉えている可
能性がありますが、これは知事が力を入れると言って
いる太陽光発電やその他の発電機でも同じことです。
系統が停電している時にそこに勝手に電気を流すこと
は当然のことですが、認められません。

また、風車に蓄電池がついていないことも気に入らな
いようですが、蓄電池に蓄電したり放電したりする際
に、かなりのロスが発生することをご存じないのでしょ
うか?そもそも現段階ではコスト的にも蓄電池は現実
的ではありません。

中部電力が県内にメガソーラー発電を建設するそうで、
知事も太陽光発電に力を入れていくと言っていますが、
間欠性のある自然エネルギーの特性から1種類の発電
方法だけを集中的に導入するのは間違っています。

知事にはこういう基本的なことぐらいは踏まえた上で
風力発電について語って欲しいと思います。

ちなみに以下のグラフはドイツで2月7日に自然エネ
ルギーの電力が供給量の30%を記録した際の太陽光と
風力発電の発電状況でブルーの部分が風力発電、赤が
太陽光発電です。



原発の見直しが求められているこれから必要なのは電源
のベストミックスです。

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4 コメント

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風力発電…マイクロ風車の影響? (enutea)
2011-04-21 02:00:21
本格的な風力発電設備と
鉛蓄電池に充電するマイクロ風車を区別できない人が多すぎるのでしょう。

まあ本格的な風力発電設備に利用できる電池としては
NAS電池でしょうけど
電解質を300℃程度に保たなければならないので
温度管理などどうやってるんでしょうか?

それよりもなによりも、超大規模ウインドファームを構想する「学者・研究者」は無責任じゃないでしょうか?

例えば以前話題になった「犬吠埼沖ウインドファーム」などで
超大規模に「大気の移動(つまり風ですな)」する自然エネルギーを
電気エネルギーに変換してしまうと
地球上で局部的に大気を「よどませて」しまうのではないでしょうか?

しかも夏にはヒートアイランド現象を引き起こす
あの東京を中心とした大都市にエネルギーを放出させる為としてなのです。

これは、それこそ予想も出来ない異常気象が発生する「導火線」になるのではと危惧しております。

こんな状況を起こさないためには、わたしも風力や太陽光等の発電設備は、日本全国に散らばるように建設して、ベストミックスで補完し合うようにすべきだと思います。

もっと言うなら、都市に人口が集まるのは自然災害でも戦争でも弱点になりやすい、
危機管理の面からも「都市に仕事が(人が)集中しない」国造りを目指す必要があると思います。
価値観の転換 (kynthm)
2011-04-22 21:48:52
超大規模と言っても、地球全体からしたら
たいした面積ではないので個人的には局地
的にも異常気象を発生させるようなことに
はならないと感じますが、専門家の意見が
聞いてみたいところです。

一極集中のメリットとリスクをどう考える
かはなかなか難しい問題だと思います。
ある程度は分散させた方が暮らしやすいよ
うに感じますが、強制的に分散させるという
わけにもいかないですよね。
なんとなく色々な分野で価値観の転換が必
要だろと思います。
核や化石燃料からの廃熱 (渥美核之進)
2011-04-25 22:59:02
風力のような再生可能エネルギーは、エネルギー不滅の法則といいますが、もともとあったものを一時的に借りてきて使うだけです。もともと大気中に薄く広く存在している空気の運動エネルギーを電力に変換して取り出して使っています。その電力はkynthmさんの書いている通り、近くの変電所までのどこかで使われていることになりますが、その後は廃熱のような形で再び環境中に戻されます。

風の吹いている大気は成層圏まで入れれば相当の厚さがありますから、そこに存在する風の運動エネルギーは膨大です。ジェット気流と呼ばれる偏西風は日本上空にも吹いていて、大きなエネルギーを持っています。風力発電で取り出せるのはそのごく一部ですから、風車が発電することの影響は無視できるレベルにしかなりません。

一方で、原子力や火力は膨大なエネルギーを環境中に放出しています。例えば出力100万kWの原子力発電所は200万kWを熱エネルギーを捨てていますから、その捨て場として海や大河に面して作る必要があるのですが、その熱エネルギーは原子核に閉じ込められていたもので、本来であれば数万年、数億年をかけてゆっくり放出されるはずのものを、人為的に加速して放出させています。火力発電でも電気出力と同じ程度の熱を放出しています。

この熱は本来は環境中になかったもので、新たに加えられるものです。これは実際に発電所近くの海水温が高くなって生態系が変化するという影響が観測されますので、こちらをできる限り減らすことこそが必要なことなのではないかと思います。
なるほど (enutea)
2011-05-01 05:58:54
そうですね渥美核之進さんのおっしゃる排熱
これほんとにもったいないんですよね。

それこそ普通の温泉の熱を利用してまで発電しようとしている現在なんですから原発や火力の復水に使用した"お湯"も低温蒸発する媒体でさらにタービンを回し電気エネルギーを取り出すべきですね。

まあエネルギー保存の法則から言えば
原子核が分裂して出てくるエネルギーの総量は
同じなんですからどれだけ電気エネルギーに置き換えられるか限界まで効率を上げねばならないでしょう。
それでも出てくる排熱によって
海水の温度は上昇するでしょうけど
こうやってパソコン使うのを制限受けるのも嫌だなぁと思います。

そもそも既に作ってしまった原発の炉は、廃炉にしても高レベル廃棄物の塊…使わなくても無駄に熱や放射線は出る…だったら使い尽くすべきだと思います。
で、使い尽くしたら…節電しましょうか。

その頃には核融合炉が実用段階になっているかも?
でも核融合炉にしても環境中のエネルギーバランスがおかしくなる事を解決できませんねぇ。

やっぱり日本にある資源で開発出来る分に限った新エネルギーで、まかなえるだけのエネルギー消費に「節約」することがこれから日本の目指す道なんでしょうね。

エネルギー版の「自給自足」ってとこでしょうか。

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