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日本一のサイクリング道 「しまなみ海道」80キロの絶景と味

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美しい海や島を眺めながら空を飛ぶように自転車を走らせたい――。こんなサイクリストの夢をかなえるのが、本州と四国をつなぐしまなみ海道だ。広島県尾道市と愛媛県今治市との間を6本の橋で結ぶ、全長80キロの瀬戸内海横断自転車道。「おすすめのサイクリングコース」で1位(日経プラスワン・何でもランキング、2010年8月)となった名コースを走ってみた。

専門家おすすめのランキングで、メイプル耶馬サイクリングロード(大分)などを抑えて最高評価を得たしまなみ海道のサイクリングコース。上級者なら4時間程度で走破できるが、景観をめでたり、ご当地グルメに舌鼓をうちながら寄り道したりして走るポタリング(自転車散歩)を楽しむ人も多い。新たな施設も相次ぎ設けられ、初級者でも気軽に海上サイクリングに挑戦できる。

サイクリングターミナルで手軽にレンタル

出発点は、本州側はJR山陽本線尾道駅、四国側はJR予讃線今治駅のそれぞれ駅前。いずれにも自転車レンタルやルートマップの入手ができる市営のサイクリングターミナルがある。

今回は、今治から出発するが、その前に今年4月にオープンした台湾の世界的自転車メーカー、ジャイアント社の日本法人の直営店「ジャイアントストア今治」に寄ることにした。今治駅の構内にある同店は、単なる自転車販売店ではない。ロッカーやシャワールーム、修理点検コーナーも備えたしまなみ海道への出撃拠点だ。

最大の売り物が、同社の最新モデル30台をそろえたレンタルコーナー。カーボン製の高級ロードバイクや操作しやすいクロスバイク、子供用バイクなど種類は豊富で、初心者にはうれしい電動アシストのクロスバイクまである。

レンタル料は日帰りで2400円から5000円。かなり値は張るが、「ゴールデンウイークはほとんど出払った」(武田恭輔店長)人気ぶりだ。

もっと手軽にレンタルしたければ、市営の施設がおすすめ。駅前でも借りられるが、来島海峡大橋の近くにある今治市営「サンライズ糸山」は400台を保有する。

ロードバイクからママチャリまで1日大人500円、小学生以下300円で借りられ、尾道まで計12カ所あるサイクリングターミナルで乗り捨ても可能だ。ここにも電動アシスト(4時間800円、乗り捨て不可)がある。

しまなみ海道といっても、自転車で高速道路(西瀬戸自動車道)の脇を走るのは、橋上の10キロ足らずで、それ以外は大島、因島などの主に県道を走行する。

専用自転車道ではないので、以前は途中でルートを間違えたサイクリストから不満が出ていたが、今春までに尾道市と今治市がメーンルート沿いに青い線を引き、最終地点までの距離も表示した。このブルーラインをたどれば、最短距離で楽に瀬戸内海を渡ることができる。

今治駅前を出発して30分ほどで1番目の架橋、来島海峡大橋の入り口に到着する。初心者にとって最初の関門がここ。

汗も吹き飛ぶ海上80メートルの眺め

橋が海面から80メートル、陸上の道路からでも50メートルの高さにあるため、急坂のループ道を上る必要がある。これは他の橋でも同様で、海の上を走るには避けられない試練だ。

橋を渡るには自転車でも通行料がかかる。来島海峡大橋だけで200円、今治から尾道まで行くには計500円が必要。

「自転車道に通行料がかかっては、サイクリストの聖地になり得ない」という思いから、自治体から地元選出国会議員まで巻き込んで、国土交通省などへ通行料の無料化を何度も陳情した。

その結果、今年初めてゴールデンウイークから5月末までの土日休日限定で無料化が実現。今は再び料金を徴収しているが、愛媛県は来年度の政府への重要施策要望に完全無料化を挙げている。

橋には自動車レーンの脇に自転車道が設置され、快適に走れる。来島海峡の3連橋からは大小の瀬戸内の島々、白い波を立てて行き交う船、渦を巻く潮の流れなどが走りながらも眺められ、至福のひとときだ。

今治側から最初の島が大島(今治市)。ブルーライン沿いに走ると7キロほどで、ルート中最大の峠越えとなる。ギアを一番下まで落としても、ひざはガクガク。レンタルのママチャリやロードバイクは、ほとんどの人が降りて押している。

ここでちょっと遠回りして、島内をのんびり走るのもよい。大島には今が盛りのよしうみバラ公園や、戦国時代に活躍した村上水軍に関する今治市村上水軍博物館など見どころも多い。

しまなみ海道沿いの島の中でのサイクリングに役立つのが、昨年8月から愛媛県や広島県が整備を進めている「サイクルオアシス」。民宿や飲食店などに協力を求め、休憩所やトイレ、空気入れなどを無料でサイクリストに提供している。

現在、約40カ所あるが、必ずしもブルーライン沿いではなく、橋の架かっていない弓削島や岩城島(いずれも愛媛県上島町)にもある。

その理由について、企画を主導した特定非営利活動法人(NPO法人)シクロツーリズムしまなみの山本優子代表理事は「最短ルートを走り抜けるだけでは地域との交流はできない。船に乗ったりしてゆっくり島々を巡ってほしいから」と説明する。

シクロツーリズムしまなみではミカン狩りや観潮船での潮流体験を盛り込んだポタリングツアーを手掛けており、経験豊富なガイドが無理なくゆっくり案内してくれる。

新鮮な魚介類やかんきつ、ご当地グルメに舌鼓

大島から「伯方の塩」で有名な伯方島、海の神・戦いの神として知られる大山祇神社がある大三島を過ぎ、多々良大橋を渡ると生口島に入る。ここからは広島県尾道市で、ほぼルートの半分を走ったことになる。

生口島は有数のかんきつ類生産地であり、国産レモンの発祥地でもある。

ブルーラインの途上には手作りジェラートの店、「ドルチェ本店」があり、前述のサイクルオアシスを兼ねることからサイクリストでにぎわっている。デコポンやレモンなど地元のかんきつを使ったシャーベットが売り物だ。

しまなみサイクリングでの楽しみのひとつがこうした多彩な「食」。生口島では瀬戸田のひなびた商店街にある岡哲商店の揚げたてビーフコロッケが大人気。

大島では、道の駅よしうみいきいき館の七輪バーベキューをはずせない。地元産の新鮮なヒオウギ貝やサザエ、エビなどを炭火で焼く。コースには名物の鯛飯がつくのもうれしい。

今治の市内には「今治焼豚玉子飯」、尾道の市内には「尾道焼きそば」というテッパン系B級グルメも控えている。

生口島からかつて造船で栄えた因島を経て、来島海峡大橋に次いで海面からの高さがある因島大橋を最後の力を振り絞って渡り切ると、尾道市街の対岸に位置する向島だ。

尾道市街には橋では行けず、通学の高校生たちに交じって渡船(自転車110円)で渡る。ここからゴールのJR尾道駅は目の前。今治駅前を出発して、寄り道しながら無理せぬ速さで約10時間かかった。1日で走れないこともないが、生口島や大三島で1泊すれば行程に余裕ができる。

瀬戸内の魅力、世界に発信

この世界にもまれな海上のサイクリングコースを海外に売り込もうと、愛媛県と広島県が連携して動き出している。

5月中旬、台湾のサイクリング振興団体と愛媛県・広島県共催のサイクリングイベント「台日交流 瀬戸内しまなみ海道サイクリング」が両県の島々を巡る265キロを舞台に行われた。

愛媛県の中村時広知事が、台湾団体の会長で自転車メーカー、ジャイアント会長の劉金標氏を口説き落として実現。劉会長は78歳の高齢にもかかわらず完走した。中村知事や広島県の湯崎英彦知事らも一部コースで参加した。

両知事の狙いは世界のサイクリング界に影響をもつジャイアントの力を借りて、しまなみ海道を海外に売り出し、観光振興に役立てること。2014年の瀬戸内海国立公園制定80周年に合わせて、世界的なサイクリングイベントを開催することが次の目標。しまなみサイクリングは両県の世界に通じる観光資源でもあるのだ。

しまなみサイクリングのチェック事項
○走行中は左側通行厳守で、2列走行も禁物。ヘルメットもできるだけ着用する。サンライズ糸山では自転車レンタル客に無料で貸し出している。
○一部の橋では、歩行者道との境がただの線になる。歩行者には細心の注意を。
○しまなみ海道の通行料が半額(250円)になる「しまなみサイクリングクーポン」が本四高速から出ている。尾道駅前サイクリングターミナルやサンライズ糸山などで販売。
○終点まで自転車で行った場合は、定期バスを乗り継いで帰れる。最短88分で尾道駅と今治駅を結ぶ。大人片道2200円。自転車を乗せられる高速船(乗り継ぎ)もあったが、尾道・因島間が5月末で廃止になった。

(松山支局長 若林宏)

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