専業主婦世帯12%が「貧困層」 子育てで働けず
「富裕層」は47%、二極化進む
専業主婦世帯の12.4%が「貧困層」で、妻がパートなどで働く世帯(8.6%)より貧困率が高いことがわかった。専業主婦世帯の平均年収は617万円でパート世帯を約60万円上回ったが、貧困状態にある世帯の割合は高い。同じ専業主婦世帯でも、夫の年収だけで生活できる富裕層と、妻が働きに出られず貧困層となる世帯の二極化が進んでいる。
独立行政法人の労働政策研究・研修機構が全国4000世帯を調査した。子どものいる世帯を年収の高い順に並べ、全体の真ん中にくる世帯を算出。真ん中の世帯の年収の半分以下で暮らす世帯を貧困層とした。
貧困率は専業主婦世帯で12.4%で配偶者がパートに出ている世帯より3.8ポイント高い。一方、専業主婦世帯では年収が600万円を超える富裕層が47%もあり、平均年収は617万円。妻がパートで働く世帯(552万円)より高かった。
専業主婦世帯では、夫の収入が低くても子育てのため妻が働けないケースが目立つ。末子が6歳未満の貧困層の専業主婦世帯の75%は働いていない主な理由に「保育の手だてがない」と応えた。保育サービスの不足が貧困を引き起こす一因となっている。