親は自分の子どもに影響を与えることはできますが、実際に子どもを変えることはできません。親子の関係で親が向上できるのは、主にの部分だということが子育てに関する研究で明らかになっています。経済学ブログ「Freakonomics」でBryan Caplan教授は、過去40年に渡って研究されてきた双子の養子縁組に関する調査結果を引用していました。親は、健康、知性、幸福、成功、性格、価値感、感謝の気持ちなど、先天的な性質よりも後天的な教育などによって育まれる部分に注力を注ぐようです。前述のとおり、子どもを変えることは難しいからでしょう。

しかし、最後の「感謝の気持ち」というのは教育というよりも、子どもが親をみて覚えるものではないでしょうか。大人になったとき親のことをどれくらい覚えているか、以下のようなことがあったそうです。

あるスウェーデンの研究で、中年と老年の双子に(子どもの頃に一緒に育った人も、別々に育った人も含め)、 両親がどのように育ててくれたかを説明してもらいました。似顔絵を書いてもらうと、別々に育った双子よりも、一緒に育った双子の描いた方が似ていました。子どもを一緒に仲良く育てると、年をとっても親のことをよく覚えているようです。

あたりまえですが、子どもは家族での生活を楽しむことで、親のことをずっと覚えているのです。ああしよう、こうしようと教育熱心になる気持ちも大事ですが、少しゆるめて、子どもと一緒に楽しい時間を過ごすことに重きをおいてみるのもよいかもしれません。

The Economics and Genetics of Parenting | Freakonomics

Melanie Pinola(原文/訳:的野裕子)

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