音量つまみをシャッターボタンに使うアイディアのパクリだけかと思ったら...。
ますます便利になったiOS 5、200ある新機能の中でもWi-Fi Syncは今から待ちきれない人も多いのでは?
Wi-Fi SyncはiPhoneをケーブルでパソコンに繋がなくてもiTunesの同期がとれる機能なんですが、このアイディアをアップルにパクられたと主張している人がいます。それは英国の学生グレッグ・ヒューズ(Greg Hughes)さん。Wi-Fi Syncアプリを昨年App Storeに提出したんですが、AppleとiPhone SDKで許可されてない事由に抵触するとの理由で却下されたんですね。その際、iPhone開発担当から直々に電話がきて、状況の説明があったといいます。
「iPhoneのエンジニアリングチームも内容を見てすばらしいと感心していた、と彼らは言ってましたね。CV(履歴書)出しなよとまで言われたのに」
とヒューズさん。
App Storeに却下されたので、アプリは仕方なくCydiaに出し、ジェイルブレイカー相手にリリースしました。Wi-Fi Syncは宣伝通り動くということで順調に売れました。アプリを携帯にインストールし、付属のアプリをコンピュータにインストールして組み合わせると、iPhoneをiTunes経由でワイヤレスに同期できるんですね、USB接続した時みたいに。App Storeには出店を許されなかったにも関わらず、Wi-Fi Sync(定価10ドル)はCyndiaで5万コピー売れて利益を出し、ヒューズさんは結果に満足していたのです。
ところが。AppleはiOS 5にこれそっくりのWi-Fi Sync機能を、そっくりのアイコンで、独自機能として含めてきたんですね。これは「ショックでした」とヒューズさん。アップルが「まさかあれを出してくるなんて思いもしなかった」
この話を最初に伝えた英紙ザ・レジスターは、そっくりのアイコン使っておんなじ名前で出すなんてパクってると言ってるようなものだ、アマゾンやHTCに説教垂れてるアップルが自分はどうなんだい、と書いてますよ。
公平を期するために言添えると、ワイヤレスで同期をとるんだから名前はどうしてもそこに落ち着いちゃうっていうのはありますよね(アップルはアマゾンが「Appstore」という名前をパクったと言って訴えましたけど、あれも他にうまい呼びようがあったらそっち使ってると思うんですよね)。アイコンも同じで、Appleの同期とWi-Fiのシンボルがあれなので、両方をアイコンに含めるとどうしても似たような感じになってしまうので、それに関してはヒューズさんのオリジナルからパクったのとは違う気がしますけどね。
もちろんアップルが100%悪くないと言ってるんじゃないですよ。アップルがサードパーティーのアプリを真似たり採用した例は他にも沢山ありますが、毎回同じぐらい頭に来ますよ。Appleにアプリを「インスパイア」されたり「盗用」されても一銭の謝礼もないなんてデベロッパーに不公平ですよ。Appleのプラットフォームにサードパーティーのアプリを書かせてもらって利益上げてるんだから、という言い方もできますけどね。
今回発表になったボリュームボタンをカメラのシャッターに使えるiOS 5自慢の新機能も、去年AppStoreに出るなりトップセラーになって速攻削除され散々もめた挙げ句に復活したCamera のパクリと言われちゃってます。最初こんな風に強硬に反対していたのは一体なんだったのか...
iPhoneのユーザーは、ボリュームボタンを押す時は必ず音量が調節されると思い込んでおり、ボリュームボタンを押したのにカメラのシャッターが切れるなどというユーザーを困惑させるだけの機能を搭載するアプリを許可することは絶対にできない。
Casey Chan(原文/satomi)