さて、ここんとこ、
(1) イケテル観光地 金沢! - Chikirinの日記
(3) 250円の牛めし食べてみた - Chikirinの日記
について書いてきたのですが、ここでクイズです。
金沢、銀座、都内の住宅地の駅前、の3つのエリアの中で、
Q1. 最も活気があったのはどこでしょう?
Q2.最も“商売をする立地”として恵まれているのはどのエリアでしょう?
Q3.最も競争が激しそうだったのはどのエリアでしょう?
ちきりんの見たところ、最も活気があったのは銀座です。金沢はいいところだけど、繁華街と言われる片町・香林坊でさえ閑散としてました。
東京の郊外住宅地駅前の格安食べ物屋街も、牛めし250円に対抗するためあちこちの店でチャーハン 330円だの通常 290円の回転寿司の皿が 200円だのとディスカウントをしているのですが、だからといって客が溢れているわけでもありません。
一方の銀座は「これ、平日?」と思うほど人がいました。
歩道も多くの人が歩いているし、デパートにも多くの人が入っているし、レストランも混んでいました。活気という意味では、銀座、圧勝!です。
2番目の問い、最も“商売をする立地”として恵まれているのはどのエリアでしょう?
いろんな考え方があるでしょうが、「銀座」と答える人が多いのではないでしょうか。
日本中に“○○銀座”が溢れるほどのブランドですし、世界でもシャンゼリゼや五番街と並ぶ有名ショッピングエリアです。
お店を出す方にも、「銀座に店を出す」のは他とは違う意識があるでしょう。
最後に、最も競争が激しそうだったのはどのエリアでしょう?
金沢はちょっと行っただけなのでよくわかりません。駅前の安い飯屋さんはそれなりに競争しています。ただ、別に味やサービスで競争できるわけではないので、基本は価格での戦いです。つまり“値下げ競争”です。
一方、銀座の競争は熾烈です。サービス、品揃え、見た目や見栄え。ちょっとでも気を抜くと「活気がない」「品がない」「代わり映えがしない」とそっぽを向かれます。
三越の改装に掛けた意気込みには圧倒されるし、「ここまで力を入れないといけないのね」と驚嘆します。
もちろんデパートだけではなく、世界有数のファストファッション店が徒歩数分のエリアにすべて立ち並び客を取り合っています。
レストランも星の数ほどある中で、限られた客の胃袋を取り合うのです。バーも、ショールームも、画廊も同じです。
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商売っておもしろいなーと思いました。日本で最も恵まれた商業地で、最も熾烈な競争が行われ、おそらくその結果として、そこが日本で最も活気のある商業地となっている。
一番、条件に恵まれた場所で、
一番、熾烈な競争が起り、
結果として、一番、活気がでている。
兎と亀の寓話がありますよね。
兎は自分の優れた能力を過信してサボっていたら、努力を続ける亀に抜かれてしまう、という話。
でも実際には違うんです。最も恵まれた立場にいる人が、恵まれていない人よりも多大な努力をしている、熾烈な競争をしている。そういう世界がたくさんあるんです。
そして当然だけれども、彼らだけが勝ち続ける。
トップアスリート間の競争と、下の方の人が言う「オレは死ぬほど頑張ってる!」はたいていレベルが違うし、勉強だってトップクラスの子ばかりがすごい勢いで競い合ってるのでは?
ビジネスでも、業界でトップ 3〜 5社くらいが繰り広げる競争はとても熾烈なのにたいして、業界下位の企業は「いやーほんともう大変ですよ」とかいいつつ案外のんびりしていたり。
先日歩いてみて思ったのは、銀座には“戦う”という気概が溢れている、ということ。
「こんだけ恵まれた街で、こんだけ競争する(必要がある)んだ」と強く印象付けられました。商売人の凄みを感じた。
それが一番おもしろかった。