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三橋貴明の新刊、続々登場!

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チャンネルAJER更新しました。

『日本政府の失敗(前編)①』三橋貴明  AJER2011.11.15(1)

『日本政府の失敗(前編)②』三橋貴明  AJER2011.11.15(2)

今週と来週は「日本政府の失敗」というタイトルでお送りします。

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11月20日「【護国ゼミナール】のお知らせ」船田元 氏・三橋貴明 氏 トークセッション 演題:「これからの日本を考える」

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11月24日 国家ビジョン研究会主催シンポジウム
『日本再生のカギは日銀法改正にあり~日銀の金融政策に疑義~  安倍晋三元総理にもご登壇いただきます!

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 青春出版社から新刊「増税のウソ」が発売になりました。


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 昨晩は「たかじんnoマネー」に生出演し、そのあと、来週土曜日放映予定の「TPP」の収録をしたため、さすがにクタクタです。西日本の皆様、来週もお楽しみに!


『緊縮という問題を論ずるに当たっては、先づ国の経済と個人経済との区別を明らかにせねばならぬ
 例えばここに一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以て生活し、あと二万円はこれを貯蓄する事とすれば、その人の個人経済は、毎年それだけ蓄財が増えて行って誠に結構な事であるが、これを国の経済の上から見る時は、その倹約に依って、これまでその人が消費しておった二万円だけは、どこかに物資の需要が減る訳であって、国家の生産力はそれだけ低下する事となる。ゆえに国の経済より見れば、五万円の生活をする余裕のある人には、それだけの生活をして貰った方がよいのである。(高橋是清:著「随想録」(中公クラシックス)』


 昨日の三橋経済塾で取り上げた高橋是清の言葉を、こちらでもご紹介します。


 是清の言う「一年五万円の生活をする余力」を所得(GDP)と言い換えると理解がしやすいでしょうか。(以下、いつもの「全ての源泉はGDPである」を眺めながら、読み進めてください)


【全ての源泉はGDPである】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_34.html#GDP


 上図において、政府が存在しないものと仮定します。
 すると、日本国民が稼いだ付加価値(=GDP)はそのまま国民の可処分所得になります。五万円の可処分所得を得た人が、二万円を貯蓄に回してしまうと、「新たな所得(GDP)」として消費できるお金は三万円になります。


 全員が同じように所得の40%を貯蓄(※借金返済含みます)すると、日本のGDPも40%減ります。さらに、一年前の60%の所得しか得なかった日本国民が、所得の40%をを貯蓄に回すと・・・・・。


 きわめて大変なことになってしまいますので、誰かが貯蓄を借り入れ、GDPとして支出する必要があるわけです。家計がローンを組んで消費するケースもなくはないですが、貯蓄から借りられたお金の多くは「投資」に向かいます。投資はその時点のGDP(=所得)の一部をなしますが、将来の付加価値(=GDP)を生み出す源にもなるのです。


 すなわち、投資は現時点の(日本の場合)デフレギャップを埋めるのみならず、将来の成長のためにも必要ということになります。
 問題なのは、消費の先送りはなかなか難しいですが(食べるものを食べないと、飢え死にしてしまいますので)、投資の先送りは比較的簡単という話です。


「ああ、所得が減ったから、住宅を買う(民間住宅投資)のは先送りにしよう」
「ああ、デフレで実質金利が高く、売り上げも伸びそうにないので、工場新設(民間企業設備投資)は先送りにしよう」


 という話ですね。


 というわけで、日本の投資の推移。


【日本の投資の推移(単位:十億円) 】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_36.html#Invest


 上記の通り、バブル期に膨れ上がった日本企業の設備投資(赤色)は、バブル崩壊後に減少をはじめ、アメリカの不動産バブルで持ち直しを見せ始めたのが、リーマンショックで激減しました。また、政府による投資(公共投資)は、バブル崩壊後にしばらく「日本全体の投資」を下支えしていたのですが、橋本緊縮財政で縮小をはじめ、結果的に日本は投資総額が減っていくという「成長拒否」状態に陥りました。


 投資が減れば、名目GDPは成長しません。再び上記の「全ての源泉はGDPである」を見てほしいのですが、税収とは政府に分配された所得です。すなわち、税率が同じである場合、名目GDPが減れば政府の税収も減ります


【日本の名目GDPと租税収入の推移】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_35.html#GDPZeisyu


 グラフで見ると、橋本政権以降の日本の名目GDPと租税収入が、笑ってしまうほどに同じ動きをしているのが分かるでしょう。(税収弾性率があるため、GDPが増えれば租税収入はそれ以上に増えており、GDPが減れば租税収入がそれ以上に減っておりますが)


 GDPが減り、租税収入が減れば、当たり前の話として財政は悪化します。すると、マスコミなどで、
「国の借金で破たんする! 公共投資を削れ! 増税しろ!」
 などの声が高まり、政府の投資が減り、増税により国民の所得が減り、状況を悪化させていくわけです。これが、バブル崩壊後の日本が辿った悪循環です。(詳しくは青春出版社「増税のウソ 」をお読み下さい。 


 何で投資や税収の話をしているのかといえば、今後の国会でTPPと共に「増税」が焦点に上がる可能性が極めて高いためです。国会議員の皆様には、せめて上記の「国民経済や税収に関する基礎知識」を身に着けた上で、論戦を繰り広げて欲しいと思うわけです。


 ところで、日本の場合は経常収支黒字国で、国内に「貯蓄」が余っており、政府の国債発行の金利は極めて低くなっていますが(民間があまりお金を借りないため)、経常収支赤字のくせに外国から借金をしまくり、デフォルト寸前に至っている国の場合、解決への道は極端に細くなってしまいます。緊縮財政でGDPを削り取り、税収が減り、財政が悪化しているにも関わらず、長期金利が高騰し、「政府が国内の過剰貯蓄を借り入れ、投資拡大でGDPを成長させ、税収増による財政健全化を目指す」という手法を採れないわけです。


 すなわち、ギリシャです。


1─10月のギリシャ財政赤字、前年比11%拡大
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24212520111116
 ギリシャ財務省が16日発表した1─10月の中央政府の財政赤字は、前年同期比11%拡大し201億ユーロ(271億9000万ドル)となった。新たに導入した一連の増税措置は歳入増につながっていない
 1─10月の税収は前年同月比4.1%減少した。1─9月は同4.2%減だった。
 ギリシャ政府は9月、レストランの消費税を23%に引き上げた。また一時的な措置として最大5%の所得税や、不動産税を導入している。』


 ギリシャは「増税⇒GDPマイナス成長⇒政府の減収⇒財政赤字拡大⇒増税」という、見事なまでの悪循環に突入していますが、緊縮財政を拒否すると、IMFやEUからの支援を受けられず、即、デフォルトということになります。しかも、ユーロ加盟国ですので、デフォルトしても通貨暴落は発生せず、経常収支の黒字化(対外純資産の獲得)も果たせません。ギリシャの場合は国内に貯蓄が余っているわけではないため、手の打ちようがありません。しかし、日本は違うのです


 いずれにせよ、財務省が増税をしたいというのであれば、
「デフレ下(名目GDPが成長していない)の国が、増税により増収になる」
 という道筋を、きちんと示す必要があるのです(魔法使いが必要になると思いますが)。政府が増収にならないと、財政はかえって悪化します。


---読者様からのご投稿---
推摩 一黙様「財政の三権分立が必要なのではないか?」
 さて、今の民主党政権で浮き彫りになった事実の一つに『官僚の省益を求める弊害の大きさ』があると思います。
 特に原子力と経済政策では経済産業省が(保安院とTPPの一件で)、そして税制と景気対策では財務省の害が顕著に露になりました。
 さて、ここで提唱したいのは財務省の解体です。
 と、解体といっても別に「省庁を無くしてしまえ!」などという非常識な事ではなく、財政と税務に関する業務の権限を明確に分けてしまってはどうか? という提案です。
 これはどういうことかというと、財務省が現在、任なっている『徴税』『財務経理監査』『税制の法制』という三つの大きな権限と業務を三つの省なり庁なりに分断して分けてしまえばどうか? という提案です。
 すなわち徴税のみを考える『徴税務庁』『経理庁』『税制法定院』等に財務省を解体して分断してしまうというコトです。
 これで現在の財務官僚の増税とそれに伴う裁定裁量によって権限を得たり、出世につながることから全体の税収を無視して増税を図る事を是正できると考えるのです。
 そしてコレに近い前例が実はあったりもしますし。
 それは(すでに黒歴史と化している)細川政権後に自民党政権が復権した時のコトです。
 この一時、戦後の長き自民党単独政権が崩れ、自民党が野に下りまた政権与党に復活した時に何が起こったかというと、『大蔵省から財務省に改変』と『金融庁の新設』です。
 これは自民党が野に下っていた時に、「国民福祉税の提案(実質消費税の増税)」を始めとして好き勝手していた当時の大蔵省に対する報復の意味もありましたが、「平安時代から続く由緒正しい『大蔵省という看板』」を取り上げ、金融政策に関する権限を取り上げたのが、『財務省への省名改名』と『金融庁の制定』でした。
 ちなみにこの時に同時に国税庁も財務省から切り離すという声も上がりましたが大蔵官僚(現財務官僚)は、これをガンとして反対し潰してしまいました

 ちなみに国税庁は、全国11ヶ所の国税局及び沖縄国税事務所を指導・監督する立場にあり、国税庁以下の組織には、徴税に関してとそれに伴うあらゆる情報が蓄積されますすなわち税に関してだけでなく、もちろん、政治家や著名人、大企業などの莫大なマル秘情報をも。
 そんな優秀な情報収集機関なのです。
 いうまでもなく『情報』は力の源でもあります
 そしてそんな機関を大蔵官僚が――現財務官僚が手放すと思いますか?
 逆にマスコミ等への広報等の情報発信を握っている事とも合わせて財務省の大きな力の源となっています。
 同時に歪みの源泉とも。
 さて、そこで今度こそ財務省からこの国税庁を切り離し取り上げてしまう必要があるのではないでしょうか?
 そして金融政策を財務省から取り上げたように、国税庁を切り離して徴税とそれに伴う権限や(情報の)利得利権を取り上げると共に、財政の予算編成の経理監督の権限と、税制や新税制を検討し政治家や政権に提言する権限もこの際、分離させてしまうべきではないか? というのが『徴税務庁』『経理庁』『税制法定院』等に財務省を解体して分断してしまうという――財務の三権分立の提案なのですがどう思われますか?
 私は、全体の税収を考えず「とにかく増税!」を目論んだり、自省の利益の為には恣意的な情報をマスコミ等に流す今の財務省を改革するには根本的に主な三つの権限(徴税、経理、法に関する専門性)を分離分断してしまうのが一番ではないか? と考えるのです。
 無論、ある意味で乱暴かもしれませんがこのくらいの荒治療をしないと官僚主導というか『暴走』を止めることはできないと思うのですがいかがでしょうか?
---以上---


 推摩 一黙様、大変興味深いご投稿、ありがとうございました。


 本日は15時から宇都宮護国神社で船田元先生とトークセッションです。


本日のエントリーで「国民経済」「税金」「財務省」について見えてきた、とご評価下さる方は、
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