写真1●Acronis vmProtect 7の管理画面(Webブラウザー)
写真1●Acronis vmProtect 7の管理画面(Webブラウザー)
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写真2●セールスエンジニアディレクタの吉田幸春氏
写真2●セールスエンジニアディレクタの吉田幸春氏
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 アクロニス・ジャパンは2012年4月23日、サーバー数台規模の中小企業に向けて、VMware仮想サーバーの保護に特化したイメージバックアップソフトの新製品「Acronis vmProtect 7」(写真1)を発表した。4月24日に出荷する。機能を限定することによって、高機能な既存ソフトと比べて費用を抑えた。これまでの3分の1以下の費用で導入できる。

 vmProtectは、VMware ESX/ESXi上で動作する仮想サーバー機のシステムイメージを、スケジュールにのっとって外部のNASなどにファイルとしてバックアップするイメージバックアップソフト。ブートメディアを利用すれば、まったくシステムがインストールされていない環境に、ESX/ESXiのシステムを丸ごと復元することも可能だ。既存の物理サーバーのイメージを仮想サーバーのイメージに変換するP2V機能も提供する。

 最大の特徴は、「中小企業が欲しいと感じる機能だけに特化した」(セールスエンジニアディレクタの吉田幸春氏、写真2)こと。対象のシステム規模を低く見積もってスタンドアロン型で動作するようにしたほか、機能を仮想サーバーのバックアップに限定した。こうした特徴により、高機能な既存ソフト「Acronis Backup & Recovery 11」と比べて、小規模導入時のライセンス費用を低く抑えた。

 具体的には、vmProtectの価格は、保護対象となる仮想化基盤(ESX/ESXi)のCPUソケット当たり最大で6万円(税別、以下同)。典型的な2ソケットの場合、ライセンス費用は12万円になる。一方で、既存ソフトであるBackup & Recoveryの価格は、ESX/ESXiのサーバー単位であり、1サーバー当たり38万円である。単純比較で、小規模(2ソケットサーバー1台)ではライセンス費用が3分の1以下になる。

スタンドアロン型で動き、ESX/ESXiと連携

 アーキテクチャー(仕組み)上の特徴は、VMware ESX/ESXiが備える機能を利用して、バックアップイメージを取得することである。つまり、バックアップ対象となる個々の仮想サーバー機に別途ソフトウエアをインストールする必要がない。vmProtect自身はスタンドアロンで動作し、VMwareのAPIを介してVMware ESX/ESXiと連携する仕組み。vmProtectの画面は、Webブラウザーから操作する。

 機能面での特徴は、データ量やデータ転送量を抑える工夫を施したこと。例えば、増分バックアップができる。バックアップした時点で増分情報をマージするので、管理するのはフルバックアップイメージとなる。重複排除機能も備える。複数の仮想サーバーにまたがった重複をブロック単位で排除する。リカバリー時は、サーバー全体を復元しなくても、ファイル/フォルダ単位や、Exchange Serverなど特定のアプリケーションデータ単位で復元できる。

 稼働環境は以下の通り。vmProtectは、ESX/ESXiと通信可能な任意のPCサーバーにインストールして利用する。稼働OSは、各種Windows(Windows XP/Vista/7またはWindows Server 2003/2008)。このほか、vmProtectのインストール時にメニューから指定することによって、VMware仮想アプライアンスとして実装済みのvmProtectを導入することもできる。仮想アプライアンス版では、稼働OSとしてLinuxを利用している。