Mozilla Corporationは、MWC開幕前日のプレスカンファレンスで、Firefox OSに対して世界の携帯電話事業者18社の賛同を得たことを表明した(関連記事)。日本からはKDDIが正式にサポートを表明し、Firefox OS端末を日本市場に導入していくことを明らかにした。Mozillaのプレスカンファレンスに参加したKDDIの石川雄三取締役執行役員専務は、Firefox OSに賛同した理由や、導入に向けた考えを日本の報道陣向けに答えた。その様子をお伝えする。


Firefox OSのどのあたりに魅力を感じたのか。

写真1●KDDIの石川雄三取締役執行役員専務
写真1●KDDIの石川雄三取締役執行役員専務
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 オープンなOSであり、制限がないことが一番だ。我々はAndroidやiOS、そしてWindows Phoneも提供しているが、ユーザーにはこれらのOSよりもオープンな環境でいろいろやりたいことが出てくるニーズがあると考えている。明確なターゲットや戦略は決めていないが、何か面白い世界ができると思って賛同した。アプリケーションを作る層がWeb開発者の層に広がることで、面白いことがどんどん出てくる素地があると考えている。

iOS、Androidと比較してどんな特徴のある端末やサービスが可能になると考えているのか。

 我々は決してiOSやAndroidを否定するわけではない。これらが嫌だからFirefox OSに行くというわけでは決してない。ただ課金が自由にできることや、バックグラウンドの通信の発生を抑えるといった新たな仕組みがFirefox OSにはある。これによって現在提供中のデータ通信の料金プランは半従量制であるが、こうした縛りをなくすような新しい料金体系も考えられるだろう。ユーザーがこれまで以上に広がると、これまでのスマホでは対応できない要素が提供料金を含めて必要になると考えている。

(同じくWeb技術をベースにした)TizenではなくFirefox OSを選んだ理由は。

 両方を比べたのは事実だ。iOSやAndroidを否定するものではないが、Tizenはどちらかに似たモデルになるのではないかと思っている。TizenのアーキテクチャはAndroidに似ており、またメーカーが開発を主導しているため、垂直統合になりやすい要素がある。その点、Firefox OSのほうがオープンであり、自由度がある。アーキテクチャの面では、VM(Virtual Machine)を使わないので省電力などの面でメリットがあると考えている。