「iOS SDK Hacks」は中級者以上を対象とした本だが、プロの開発者なら初心者でも買うべき
この本は入門書ではなく、まえがきにも『「入門者やAppleのサンプルコードを使って、いくつかシンプルなアプリケーションを作ることができるようになったが、さらにアプリケーションを高速化、最適化、高機能化させたい」という中級者以上のiPhoneプログラマーを読者として想定している』と書かれていますが、お仕事でiPhone開発をしているプログラマーなら初心者でも買うべき本だと思う。
iOS SDK Hacks ―プロが教えるiPhoneアプリ開発テクニック
- 作者: 吉田悠一,高山征大,UICoderz
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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その理由は、
初心者にも直ぐ役立つ内容がある
- テストなどの目的で社内、仲間内のiPhone利用者にプログラムを配布する AdHocビルド: もちろんこの内容は iOS Dev Center(Apple)のページに書かれているのですが英語が今一つというプログラマーにはありがたいです。実は私も最初はなかなかAdHoc配布が上手く行かずたくさんの時間を浪費しました・・・
- やっかいなメモリー管理の問題、メモリーリークや解放し過ぎを検出してくれるツール Instruments:これはブログ等でも見つかりますが、まとまって書かれているのはありがたいです。
- Push Notification(サーバーからユーザーのiPhoneに情報をプッシュできる機能)や In App Purchase (アプリ内で販売を行い課金です機能): これらはコードだけでなく、それを行うのに準備しなければ行けない証明書やテスト環境作りについても書かれています、このへんも iOS Dev Centerに書かれていますがたくさんの英語を読まないといけません ^^;
仕事でアプリを作るなら必要になる Hack がある
仕事でiPhoneアプリの開発を行う場合、全体的にそれほど難易度が高くない開発でも、どこか一部には通常のUIKitの使い方では対応できない操作(しかし、他のアプリでは行われていたりする)を実装する必要があったりします、その際にヒントになる情報があると思います。
また、iPhoneのCPUは通常のPCに比べると圧倒的に非力です、処理時間が長くて快適な操作感を与えられない箇所が出ることもあります。速度に関しては、まずはアーキテクチャやアルゴリズムの改良が最初ですが、コード上での高速化には役立つ情報がたくさん書かれています。また高速化で重要な性能測定の方法についても丁寧に書かれています。
そして、いつかは初心者も中級者になる
今はあまり理解できなくても、日々iOS SDKやObjective-Cと格闘していれば必要になる、役に立つ事が増えてくると思います。
本の大きさもコンパクトだし、内容も簡潔で、困った時に読むとヒントが得られる良い本だと思います。