アイマス2 3Dアニメーション担当がTwitterでジュピター関連の発言

TGSでの男性ユニット「ジュピター」(通称:木星)の発表で大騒動となったアイマス2

アイドルマスター2 - Xbox360

アイドルマスター2 - Xbox360

TGS直後は3週にわたりラジオで声優出演などもあったのですが、それ以降はネットの反発を意識してか、PVや雑誌記事などでもジュピターの情報は出てこなくなっていました。このまま木星のことは隠してイメージ回復に努め、年内予約数を稼ぐ形かと思っていましたが、思わぬところで木星関連の発言が出ていたようです。それは、アイマス2 3Dアニメーション担当、遠藤暢子氏のTwitterです。

遠藤暢子 (NobukoEndo) on Twitter

11/14に始めたばかりのようですね。以前MAGネットという番組でアイマス2の5人ダンスの説明があったとき、「木星のこと。」というTシャツを着ていた女性が話題になっていましたが、それがこの方のようです。アイマスとのかかわりも古く、Xbox360アイマスでも、スタッフロールで名前が掲載されています。

アイドルマスター

その遠藤女史のツイートの中で、いくつか木星に関連すると思われる興味深い書き込みがあるので、取り上げてみたいと思います。

2008年4月の時点で男性ユニットが存在

まず、興味深いのが、時系列に関することについて。

2008年の4月に今の16人と初めて会った瞬間から、全員が同じ空の下で生きていく為には一体どうすればいいのかと、それだけ考えて来ました。結論、来た道も行き先も違っていていいよ。まとめて面倒見てあげるからさ。それぞれ立っている会場は違う…でも同じ空の下。それが「フェス」ですものね。
19 Nov via web

こちらの発言、「16人」というのはおそらく765プロの13人+木星3人と思われます。アイマス2nd Visionの発表が2009年5月でしたから、その約1年前。Live for you!の発売が2008年2月28日ですので、時期的にはその発売後まもなく、って感じですね。L4U直後の段階で、男性ユニット投入は決まっていた模様です。ニコニコでアイドルマスターGSの動画が投稿されたのが2008年3月5日で、それとも時期は近いですね。また、アイマスSPの発表が2008年7月、発売が2009年2月なので、SP発表よりも前に決まっていたことになります。

しかし、こうなると気になるのが石原氏のインタビューで語られていた「木星追加の理由」についてです。
独占インタビュー! 『アイマス2』男性ライバルユニット“ジュピター”、そして“竜宮小町”の秘密を総合ディレクター石原氏に訊く! - ファミ通.com

この中で、木星追加の理由として、アイマスSPでの響・貴音の位置づけやアイマスDSでの夢子などをあげ、「女性だと憎みきれないから、憎めるライバルとしてジュピターを出した」、という説明になっています。ただ、実際には2008年4月という、アイマスSPの発表より前、アイマスDSは企画すらどうなっていたか怪しい状態で男性ユニットの存在は決まっていたわけで、この発言とつじつまが合いません。コンセプト段階で「女性ライバルじゃ憎みきれない」と分かっていて、男性ユニット追加が決まっているのに、なぜSP、DSと女性ライバルを続けたのか、という話になってしまいます。
そうなるとやはり、マーケティング的な意味で男性ユニットが先にありきで、理由が後付だったのかな、という感じもします。だとすれば、後付理由を公式見解として繰り返しているわけで、こうした行為は信用低下につながりかねないと思います。

現状の木星隠しなプロモーションに不満?

続いては、以下のプロモーションに関する発言。

こうもお行儀の良いプロモーションに徹されると男衆の里親としてやりきれなさばかりが募ります。いまだに酷い言葉を浴びせられて深く傷ついてるファンだって大勢いるのに、私には何もしてやれない。悔しい。
30 Nov via web

何の未来も保障されないまま、あての無い補給を待ち続ける苦しみは想像を絶する。毎日コミュやダンスを眺めて大丈夫、と分かっている私ですら砂を咬むような日々なのに…
30 Nov via web

まず「里親」という発言。生みの親という言い方でないので、発案者がこの方なのかどうかは分かりませんね(むしろ企画者は別の可能性が高い)。ただ、木星の部分の主担当をされていたようです。そして、その里親という立場から、現状のプロモーションに対する不満が述べられています。「お行儀のよい」というのは、今の木星無しでの情報公開が続いていることについてでしょう。そちらの方が会社広報的にメリットが有ると判断されてのことでしょうが、作った来た側としては不満、ということでしょうね。

ただ、現状では正直木星に対するネガティブな反応が多いのは確かですし、販促方法として木星を隠して進めていく現状のやり方は、売る、という面で見れば間違っていなかったとは思います。ただ、こうして遠藤氏が暴露してしまったからには、「お行儀の悪い」木星の部分が裏に潜んでいることが明白になってしまったわけで。また、広報のやることに開発者が文句をつけるグダグダ具合を、公共の場でやられることにも、ファンとしてはうんざりさせられます。

9.18での発表後の騒動は事前に予測

TGSでの発表のことについても発言されています。

何が起こるかなんて分かってる。あの日は朝から、幕張行きの電車の中でもう涙がボロボロで。ステージのラストもぐしょぐしょに泣いてて。皆で考え抜いて選んだ未来に負い目はないし、出来る全てをやったから何の後悔も無い。それでも本当にきつかった。
19 Nov via web

発表によってどういった事態になるかは、すでに予想されていたようですね。しかし、発表前からスタッフが号泣するほど内容って、一体なんなんでしょうね。そこまで覚悟を決めてまで進まなきゃいけなかった未来なのに、現状は木星隠しでのプロモーションな訳ですから、開発担当としてやりきれないところがあるのも分からなくもありません。一体誰の、何のための発案、決定だったのやら。

開発は現在佳境?

また正月ヌキの刑?去年はtwiとsmoとaogのIKネタ出しに正月を捧げました…大晦日元日以外フル出勤ですよフル出勤。
22 Nov via web

正月が無いかも、という発言を見るとまだまだ開発は落ち着いておらず、バタバタしているようですね。元々2011年春と発表されており、それが先日2月24日に決まったため、開発的にはすでにほとんど進んでいた、それゆえに各種変更は効かなかったと思っていたのですが、そういうことでもないようです。もしかしたら、発売予定前倒し、とかいったこともあったのかもしれません。ローソンの律子店長のポーズも担当されたようですが、これもつくって翌週には公開されていた模様。思っていた以上に自転車操業な印象もあります。急いで開発し、製品に不具合が残っているようなことがなければいいんですけど。

制作スタッフの発言の功罪

その他、ツイートの中では、Go my way(gmw)のモーションの話や、先日公開されたLittle Match Girl(lmg)のダンス、木星のAlice of Guilty(aog)のダンスなどについても触れられています。こうした、開発の裏側の話が聞けるのはおもしろいですね。仕事に対する熱意も伝わってきます。lmgの2フレームのズレへのこだわりなど、プロって感じですね。

ただ、一方で上記で取り上げたように、会社の方針とのギャップに対する不満とか、そういったところまで出てしまっているのはマイナスな印象がします。先日のドリクラの裁判騒動もそうでしたが、制作の内側でのごたごたや不満を、Twitterやブログといった公共の場で発言されても、単純に作品を愛するファンにとっては迷惑なことだと思うんですよね。夢が覚めるというか。

最近はゲーム製作者の多くがTwitterを始めており、ユーザーとの距離が近づいて来ているところもあります。なかなか知ることの出来ない製作の裏側とかを知ることができたり、宣伝につながったりといったいい面もある一方、上記のように配慮に欠く発言をされるとマイナス効果になることもあります。「何万という人が手にする商品を手がけている」という認識、そしてその人が公の場でする発言なのだという意識を持ってほしいものですね。せっかくの自らの頑張りを、自らの発言で台無しにするようなことの無いよう、言動に注意していただけたら、と思います。


P.S.
一部「木星の企画者が遠藤氏」といった捉え方をされていますが、「2008年4月に16人と会った」、「里親」という表現を見るかぎり、発案者はむしろ別にいると思われます。この点について追記しておきます。