いまだに知らないなんてありえない病とは、プログラマー同士の会話の場で、

「いまだに○○という本さえ読んでいないなんてありえない」
「いまだに○○というフレームワークさえ使っていないなんてありえない」
「いまだに○○という言語を触ったことさえないなんてありえない」
「いまだに○○というパターンさえ知らないなんてありえない」

というように、自分が知っていて相手が知らないものについて、

「いまだに知らないなんてありえない」

と発言してしまう病の総称である。

■ 発症例
発症例として、例えば次のようなものがある。

「いまだにマシン語が書けないなんてありえない」
「いまだにRubyを1行も書いたことないなんてありえない」
「いまだにVisitorパターンさえ知らないなんてありえない」
「いまだに高校レベルの数学も押さえていないなんてありえない」
「いまだに個人で開発したアプリが1つもないなんてありえない」
「いまだにTOEIC900点レベルの英語力もないなんてありえない」
「いまだにUMLが書けないなんてありえない」
「いまだに『人月の神話』も読んでいないなんてありえない」

■ 病因
一般に、次のような状況下で発症しやすいとされている。

(1) 最近自らが習得した技術や知識があり、知的興奮状態にある場合
(2) 周囲のレベルが自らと比較して低いと発言者本人が感じている場合
(3) disり体質が肌身に染み付いており、すでに口癖になっている場合
(4) 誰かを馬鹿にすることで自分の自信やプライドを保ちたい場合
(5) 長年感じていたコンプレックスを最近克服した場合 / 克服しつつある場合
(6) 別件で相手に腹が立っている場合

(1)は良性に分類されるが、(2)〜(6)は悪性に分類される。発症後、治療が遅れると慢性化することがある。

■ 治療方法
ネトゲ、飲酒など、単独で実施できるストレス解消による治療方法もあるが、根本解決には、同僚との飲みニュケーションや友人・家族との歓談など、周囲の人の協力が必要になることが多い。

著名人の発症例も後を絶たず、「自分は大丈夫」と本人は思っていても実は発病している事例も多々ある。

■ 特徴
発症時に患者が「必須だ」と主張する内容は実際にはそれほど必要でないことが多く、大抵の場合には「そんなのケースバイケースじゃない?」というのが周囲の一般的な反応だが、こうした反応をストレートに表現すると病状が重篤化することもあるので対応には細心の注意を払う必要がある。


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