広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功ノウハウをベースに、難しいマーケティング理論やテクニックを覚えなくとも、アンケートの答えから売れる広告をつくる独自の販促手法を生み出した、販促のベストセラー『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』を出版し、このたび、最新刊『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』を上辞した岡本達彦氏。一方、飲食店や美容院を中心とした独自の顧客管理ノウハウを生み出し、同じくベストセラーとなった『1回きりのお客様を100回客に育てなさい!』の著者高田靖久氏。
なぜ出前のときに、ピザ屋は必ず思い出すのか? 意外と知られていない、残り8割のお客様を集客するためのチラシ術を2人から教わります。

人口減を理由にするな!
お客様の8割はあなたの商売を知らないだけ

岡本地方でセミナーをやると「うちは人口が減っているので、売上が下がるんです」と自分で「売れない」理由を分析している方が結構いらっしゃるんですが、高田さんも全国をまわってセミナーをしてらっしゃいますよね。そういう声は聞かれますか?

高田:ああ、それはよくいわれますね。でも、僕はそれ、ちょっと違うと思っているんですよ。

岡本やはり(笑)。確かに人口が減っているから売上が下がるというのもあると思うんです。

 しかし、その前に「その人のまわりの人が100人中100人、あなたの商売やビジネスのことを知っていますか?」という話だと思うんですよね。

 真面目に調べたら、たぶん2割も知らないと思います。だったら人口が少なくなっているなかでも5割とか、もう少し知ってもらうような努力をすれば、いいと思いますね。そんなにいい店だったのとか、そんなにいい商品がこんなところで売っていたのとなりますよね。

高田不思議な話がありまして。飲食店さんや美容院さんでお店を開いて、しばらく年数が経ってくると、「うちのお店のことを知らない人はいない」と勘違いしてしまう方が多いんです。だから「折り込みチラシなんてもう必要ない」と決めつけて、「他の地域から呼ぼう!」という思考になってしまうんですね。

 でも、地域を広げるということは、遠いところからお客様に来てもらうことになるから、よりハードルが上がる。いくら販促費をかけても、効果は低くなってしまうわけです。そうではなくて、ちょっと冷静に考えて、地元や自分のまわりには、まだ知らない人がいると思うのって、意外と大切なんです。

必要な時に思い出してくれなければ、
知られていないのと同じ

高田確かに飲食店があること、存在自体は知っているという人はいるかもしれません。でも、そのお客様が「今日はどこに食べに行こうかな」と考えた時に、その飲食店のことを思い出してくれなければ、それは残念ながら「知られていない」のと一緒なんですよ。

 僕の著書、『お客様を3週間でザクザク集める方法』(中経出版)にも書いたのですが、自分の記憶力がいかに曖昧かということを調べるテストがあるんですね。

 テストは、自分の家のまわりにどんな病院があるのかメモ用紙に書き出してもらうんです。ただし、名前と診療内容と場所の3点がわからなければ、「知っている病院」とカウントしてはダメというルールがあります。

 そして、書き終わったら、メモを持って自分で街を歩いて答え合わせをしてもらうんです。そうすると、おもしろいことに、たいていの人は書いた3倍ぐらいの病院が見つかるんです!

岡本へぇ! おもしろいですね。今度やってみよう(笑)。

高田家の裏に古いけど歯医者さんがあったり、病院に見えないぐらいキレイだけど耳鼻科だったり……。そうやって意識してまわるといかに自分が知らないかということを思いしらされるわけです。