やっぱ今のテレビには時代劇が必要だってことを実感した「石川五右衛門」 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

やっぱ今のテレビには時代劇が必要だってことを実感した「石川五右衛門」

テレビ東京系10月期の”金曜8時のドラマ”、市川海老蔵主演の「石川五右衛門」。
市川海老蔵が連続テレビドラマに主演するのは、
市川新之助時代の2003年に、NHK大河ドラマ「武蔵」で宮本武蔵を演じて以来で、
市川海老蔵を襲名してからは初とのこと。
14日放送の第1話を見てね、時代劇の重要性を感じたわ。

冒頭、関白・豊臣秀吉(國村隼)に捕えられた石川五右衛門が、
京の三条河原で釜茹での刑に処せられるショッキングなシーンから始まったが、
舞台である安土桃山時代の世相は、
豊臣秀吉が関白であることをいいことに、権勢を振るい、
家臣は富を独占し、庶民の生活は困窮を極めるという、格差社会の真っただ中。

普段は、「白波夜左衛門一座」の座頭・白波夜左衛門として世を忍んでいる石川五右衛門。
彼は伊賀の忍者で、仲間の百助(山田純大)、小雀(高月彩良)、金蔵(前野朋哉)と共に行動し、
秀吉に尻尾を振る大名や大商人から金品財宝を盗み、庶民に分け与えている義賊である。

一方で、秀吉は側室の茶々(比嘉愛未)に、十日で総金箔の五重の塔を完成させると宣言し、
それに躍起になり、これでもかといわんばかりに庶民から年貢を徴収。
苦しめられる庶民のため、五右衛門は「白波夜左衛門一座」として仲間と共に聚楽第へ潜入し、
秀吉と大立ち回りを演じることに。

今の地上波民放において、時代劇は邪魔者、鼻つまみ者扱いされていた。
ジャニーズ色に染め上げられたABC発・テレ朝系の新世紀「必殺仕事人」シリーズは年1ペース。
フジテレビ系”月9”初の時代劇として放送された「信長協奏曲」は、
時代劇というより、タイムトラベルを題材にしたSF。
テレビ東京でも他人事ではない。
毎年1月2日に放送されている恒例の新春ワイド時代劇も、
徐々に時間が短縮(12時間→10時間→7時間)し、
今年1月2日に放送された東山紀之主演の「信長燃ゆ」は放送時間3時間に短縮。
テレ東の良心もここまで削られたら、たまったもんじゃない。

この状況において、市川海老蔵主演の「石川五右衛門」は救いの神。
豪快な立ち回り。
畜生外道は許せない石川五右衛門の姿勢。
五右衛門に慕う仲間との絆。
物語を彩る松竹撮影所の仕事っぷり。
さらには、五右衛門と茶々との過去まで入れるサービスっぷり。
やっぱ時代劇は、視聴者を楽しませてナンボのジャンルやわ。
押井守作品で知られる川井憲次の音楽も秀逸。

キャスティングも地上波民放らしかったわ。
金蔵役の前野朋哉は、五右衛門一味のガス抜き役の役割を果たしており、
秀吉役の國村隼と、石田三成役の丸山智己は、
明らかにNHK大河の「真田丸」と差別化を図っている。
さらには、新日本プロレス所属の”太陽の天才児”棚橋弘至も、
第2話以降で、石田三成の元に就く殺し屋・榊基次役で出演するし。

ありきたりなドラマに食傷気味なワタクシにとって、
「石川五右衛門」は救いの神やわ。


◆ドラマDVDもハッスル価格で提供!全品送料無料!→楽天ブックスは品揃え200万点以上!