アニメごろごろ

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キャラデザの差別化と同質化を行う「ガールズ&パンツァー」


はいふり」改め「ハイスクールフリート」のキャラを最終回までに覚えられる自信が私にはありません。晴風の乗組員は2話で救助した金髪の女の子を合わせると32名の大所帯、それだけの人数がいれば見せ場が与えられず印象に残らないキャラも絶対に出てしまいます。

そんな中で全員の顔と名前と所属を覚えるのは軽い気持ちで視聴していては難しいと思っていたんですが、思い返してみると「ガールズ&パンツァー」に登場する大洗女子学園の32名はそれなりに覚えているんですよね。名前までは正確に覚えていないキャラはいても、どのチームに所属しているのか分からないキャラはいません。まあこれはテレビシリーズとOVAと劇場版まで見て付き合いが長い事もあるのでしょうけど、キャラデザによるところも大きいと思います。

はいふり」と「ガルパン」のキャラデザの相違点は何にあるのか、それは集団毎に特色を出している事があります。アヒルさんチームはバレー部なので背は高め、カバさんチームはつり目で制服の他に帽子やマフラーを身に付け、カモさんチームはきっちりしている風紀委員っぽさを感じさせる切りそろえられたおかっぱ、レオポンさんチームは自動車整備で髪を汚さない為なのか髪は肩までしか伸ばさず、アリクイさんチームは猫耳や眼帯やそばかすなどオシャレには縁の薄いオタクらしい外見、ウサギさんチームは1年生という事で全体的に背は低め。

それぞれのチームにこうした特徴を持たせるとチームとしての存在感が増します。これにはチーム内でキャラが似たり寄ったりになる欠点はありますが、単独では印象に残らないキャラがあまりにも多い場合には、似た者を組ませてチームの特徴と関連付けて記憶させる方が得策なのではないかと思います。勿論似せるだけでは終わらずにチーム内でもある程度は個性を出そうとしていて、アヒルさんチームは部長だけ身長を低めにして目立たせ、レオポンさんチームは長髪を出せない代わりに色黒にしています。

ガルパン」はこんな風に出番の少ないチームに関してはこの同質化を重視する一方で、出番の多いアンコウチームとカメさんチームと敵チームに関しては差別化を重視していて、アンコウチームとカメさんチームは性格と雰囲気に応じて茶髪か黒髪か分け、巨乳と貧乳の両方を入れて外見的に明確な違いをつけています。

継続高校とプラウダ高校は隊長とその側近の身長には大人と子供位の大きな差をつけ、サンダース高校は髪色が明るい長髪の目立つ隊長と短髪のそばかすがある地味な副隊長という風にかなり意識してキャラデザを変えているみたいなんですよね。全員を個性的にしたせいで逆に互いに埋もれて没個性にならないように調整する点において「ガルパン」は見事な仕事をしていたと個人的には思っています。

「クレヨンしんちゃん」には「ガールズ&パンツァー」の大切な全てのことが詰まっている - アニメ見ながらごろごろしたい