ウニ、フォアグラ、イクラ……どれも美味しいけど、これらはいわゆる「高級食材」の部類。お財布事情を考えると、好きなだけ食べるのは難しいのが現実です。しかし、こんな高級食材をお手頃価格で大盤振る舞いしてくれちゃうお店が池袋にあるというのです……!
そのお店の名は「和ガリコ寅」。池袋駅から徒歩10分ほどとまあまあ距離があり、お世辞にもアクセス抜群!とはいえないのですが、それにもかかわらず連日多くのお客さんでにぎわう人気店です。「ジビエとくずし割烹のお店」を謳っていますが、今回は贅沢に高級食材をたんまりといただいてきました。実は美味しい日本酒も豊富に揃っている&390円~とリーズナブルなので、あわせて紹介していきます!
フォアグラ、カラスミ、イクラ、ウニ!高級食材のオンパレード
取材時のお品書きがこちら。気になりすぎるメニューばかりで、端から端まで全部注文したくなりますが、ぐっとこらえて今回は4品をお願いしました。しかもよく見ると、どれもが安いんです。「あれ?本当に3ケタで良いの?」と確認してしまうほど。400円台からというお財布に優しいラインナップで、一番高いメニューでも1100円です。一番高いとはいってもたったの1100円で猪肉食べられるって、いったいどうなっているんでしょうか……。
【フォアグラ大根×旭若松】
まずは、こちらの名物メニューのひとつだという「フォアグラ大根」をいただきます!
見るからにしみっしみの大根に、立派なフォアグラが鎮座しておられますよ…!これで650円(税抜)。和のお料理にフォアグラ?と少し不思議に思っていましたが、これが超がつくほどベストなマッチングなんです。はちゃめちゃに美味しい。大根もフォアグラもとろけるほどに柔らかい!澄みきっただし汁も飲み干してしまいたくなります。
この贅沢さ、この美味しさで650円とは、お店の名物といわれるのも納得です。
こちらの料理に合う日本酒として紹介したいのが「旭若松(無濾過純米生原酒)」(税抜450円)。純米酒にこだわってお酒造りをしている徳島県の那賀酒造のお酒です。力強い味わいなのに、フォアグラ大根の旨味はけして邪魔しない、むしろ引き立てているという不思議なカップリングでした。しょっぱなから大満足してしまいましたが、和ガリコ寅はこんなもんじゃありません。
【旬の魚のからすみ和え×来福】
続いては、彩りも美しい「旬の魚のからすみ和え」(税抜550円)。
パラパラと惜しげもなくふりかかっているのはカラスミ。そのお値段ゆえに、カラスミもなかなか手が出にくい食材ですよね。そしててっぺんの赤いものは筋子の西京漬け!筋子を西京漬けにするなんて……!見た目からは上品なお料理だな、という印象だったのですが、食べてみると「これは酒呑みのためのメニューである」と確信。とんでもなく日本酒泥棒です。お酒が進む進む。
そんな日本酒泥棒に合わせるのは「来福 純米大吟醸」(税抜450円)。来福は茨城県の来福酒造株式会社が造るお酒です。辛口のお酒ですが、旨味は強いです。白身魚の繊細な味わいを引き立ててくれていました。
【ジャンボマッシュルームの揚げだし×松尾】
続いてはこちら。この丸い物体、何だと思いますか?実はこれ、大きなマッシュルームなんですよ…!
その名も「ジャンボマッシュルームの揚げだし」(税抜380円)。しいたけレベルの大きなマッシュルームを揚げて、しかもイクラをたっぷりかけるなんて独創性にあふれすぎていると思いませんか……?!しかもさりげなく書きましたが、それが380円ですからね。
切ってみるとその分厚さにまたもや驚きます。肉厚なマッシュルームはしっかりした歯ごたえがあり、噛むたびにじゅわっと甘みと旨みが口のなかで爆発。そこにイクラが合わさると言い表せない幸福感に包まれます。すべてのマッシュルームを揚げ出しにして食べてしまいたい。
こちらの料理に合うお酒が、長野県にある高橋助作酒造店の「松尾 純米手造り 美山錦」(税抜450円)。都内でこのお酒を飲めるお店はかなり限られているそう。見かけたらぜひお試しあれ!口にいれると最初はほの甘いのに、後からじわじわと舌に辛みを感じます。マッシュルームとお出汁の甘さにぴったり。お酒がキリッと引き締めてくれます。
【焼うにぎり×盤城 壽】
さて、最後に炭水化物でしめましょう!ここにきてウニがデデーンとのった「焼きうにぎり」(税抜450円)が登場!おにぎりにもこんがりと焼き目がついてたいへん香ばしいです。
もう食べる前から確実に「ウマい」。 粒がしっかりしている立派なウニがたっぷりのっています。焼き目のついた香ばしいおにぎりに、とろんとトロけるウニのコントラストが控えめにいって最強。じっくりと時間をかけて焼き上げられたおにぎりは正直、単体でも相当ウマいです。
焼うにぎりには「盤城 壽(いわきことぶき)」(税抜650円)を合わせました。山形県の鈴木酒造店のお酒で、今回いただいたのは山廃純米大吟醸。鈴木酒造店は、もとは福島県浪江町にあった酒蔵ですが、東日本大震災により酒蔵が失われてしまいました。幾多の困難を乗り越え、山形県で再出発を切ったという歴史を持ちます。深みがあり、お酒単体でも主役級の味わいなのに、それでいてウニと香ばしい焼きおにぎりをも包み込むような度量を持っているお酒でした。
390円~日本酒が豊富に揃っている、と最初に申し上げましたが、日本酒は常温4種、冷や16種が置いてあるそう。ただ安いだけでなく、日本酒なら、あの「十四代」なんかも他に比べて格安で飲めてしまうとか……。メニュー表にあるお酒以外は、なくなり次第新たなお酒になるので、店員さんにぜひオススメなんかを聞いてみたほうがいいですよ!この記事で今回紹介したお酒も、必ずあるわけではありませんので、ご了承ください。
他のドリンクも個性派揃い。日本酒党もビール党も焼酎党も大満足できそうです。っていうか、エビス生ビール350円も赤星ラガー大びん500円も「え?」っと思わず二度見してしまう価格設定じゃないですか……?
焼酎は、芋2種、麦2種、限定1種、変わり種1種の計6種類。果実酒もワインも定番ドリンクもありますので、お好みに合わせてどうぞ!
「和ガリコ 寅」ってどこ?
池袋駅西口からおよそ7~8分ほど歩いたところにお店があります。大通りに面しているわけではなく、駅前の喧騒とは離れた場所です。
暖簾をくぐると暖色系の照明に照らされた店内。カウンター9席、テーブル席の計15席と、小ぢんまりしたお店です。しかし、とても人気のお店ですので、絶対に予約がオススメ!
「料理とお酒を純粋に楽しんでもらいたい」という思いでオープンした和ガリコ 寅はオープンして3年が経つそうです。
旬の高級食材を十分に手の届くお値段で提供することで、「高級食材だから……」と敬遠せずに味わってもらいたいという店主の杉山さん。なんという気前の良さなのか……!一気にファンになってしまいました。
しかもお店はほぼ無休。2017年新年はお正月も営業されていたとか。開店は17時からで、月~木は26時まで、金・土は朝の5時まで、日曜は24時まで営業しています。覚えておいて全く損はないお店ですよ。
紹介したお店
店名:和GALICO寅
住所:東京都豊島区池袋2-58-9 清水ビル1F
Facebookページ:https://www.facebook.com/wagalicotora/
著者プロフィール
小西隆博
ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー。
料理から人物写真、商品撮影、企業VPなど、写真も映像制作も行います。情景写真撮影をライフワークとしています。
(編集:フードクリエイティブファクトリー http://foodcreativefactory.com/)