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三橋貴明の新刊、続々登場!
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【三橋貴明の経済動向塾(日本経営合理化協会主催)】

上記からパンフレットをダウンロードしてください。

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チャンネルAJER更新しました。

日本の政府支出を分解する(前編)① 』三橋貴明 AJER2012.2.14(1)

日本の政府支出を分解する(前編)② 』三橋貴明 AJER2012.2.14(2)

今月は「社会保障支出」をメインに取り上げました。

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PHP研究所の「メディアの大罪」発売開始しました! 徳間書店「売国奴に次ぐ!」予約開始しました!
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 昨日はPHP研究所の「メディアの大罪 」 の発売日です。本書は、TPPや増税といったイッシューに関連し、明らかな「ウソ」を報じ続けた新聞(やテレビ)を糾弾する一冊になっています。


 明日発売のWiLL4月号(http://www.amazon.co.jp/dp/B0077R3TSE/ )に、連載「三橋貴明の生き抜く経済学 お金は使っても消えない」が掲載されています。連載の場合、初回以外はあまり表紙に名前が載らないので、微妙に寂しいでございます。


 欧州経済がとんでもないことになりつつあります(すでになっていますが)。


 欧州委員会は昨日、ユーロ圏の2012年の経済成長率についてマイナス0.3%との予想を発表しました。昨年11月時点ではプラス0.5%としていましたので、大幅な下方修正です。


 特に、イタリア(マイナス1.3%)とスペイン(マイナス1%)という、経済規模3位、4位の国々までもがマイナス成長に落ち込みそうなことが、全体の足を引っ張りました。


 残りのPIIGS諸国を見ると、アイルランドが辛うじて0.5%プラス成長、ポルトガルはマイナス3.3%成長、そしてギリシャがマイナス4.4%となっています。


 さて、ここで新聞などに頻繁に出てくる「経済成長率」について整理しておきたいと思います。新聞などに出てくる「経済成長率」とは、実質GDPの成長率を意味しています。


 実質GDPとは、名目GDPから物価変動分を控除した値になっており、「実質的な生産の増減」を指します。などと書いたところで、何が何だか分からないでしょうから、例を出して解説致します。


 皆さんが1000円の野菜を買ったとき、日本の「名目」GDPの民間最終消費支出という項目が、そのまま1000円増えます。名目GDPとは、消費や投資などの需要を、売買が行われた際の「金額そのまま」で表現した国内総生産です。


 ところが、名目的な金額ばかりでGDPを統計すると、困った問題が一つ発生します。すなわち、物価変動です。


 先の例で言えば、物価上昇で野菜が1200円に値上がりしたとします。すると、名目GDPは別に消費された野菜が増えたわけでもないのに、20%成長してしまいます。実質的な生産や消費が増えたわけでもないのに、国民経済の規模(GDP)が勝手に20%拡大してしまうのです。無論、インフレ率が20%だったためですが、これは「実質的な国民経済計算」を考える上で困ります。


 何しろ、物価がどれだけ上昇し、名目GDPが拡大したところで、実質的な生産が増えなければ雇用は改善しないのです。


 というわけで、名目GDPから物価上昇分を控除し、「計算」で求めるGDPが実質GDPになります。実質GDPが成長していれば、実質的に生産やサービスの供給が増えているということを意味するわけです。実質GDPが成長していれば、その国の失業率は改善している「はず」です。(生産性の変化により変わってきてしまいますが)


 ところで、実質的な生産の変化を意味しないからといって、名目GDPに価値がないかといえば、そんなことはありません。何しろ、わたくしたち日本国民は「名目的な金額」により給与所得の支払いを受け、税金を支払うのです。すなわち、実質的な生産が増えても、物価下落で名目GDPが縮小していくと、その国は、
「失業率は何とか下支えされているにも関わらず、各人の所得水準が下がっていく」
 という状況に陥ります。まさしく、現代の日本国民が味わっている苦難が、上記です


 さらに、税収の源泉は「名目GDP」であって、実質GDPではありません。税金は「名目的な金額」で徴収されるためです。名目GDPが増えないと、税収が増えないということになり、その国の財政は次第に悪化していかざるを得ません。


 バブル崩壊でデフレに陥った国は、名目GDPがマイナス成長になります。結果、政府の税収は減り、財政が悪化し、巷のマスコミや評論家たちが、
このままでは政府は財政破綻する! 増税しろ! 公共事業を削れ! 社会保障支出を削減しろ!
 などと言い出し、実際に政府が緊縮財政に走ると、「名目GDP」の消費や投資が激減し、さらなるデフレ深刻化を引き起こすことになる、というのが日本人にお馴染みのデフレ-財政悪循環です。


 現在のギリシャは、完全にこのパターンに入っています。


ギリシャの投資、投資以外の名目GDP(左軸、単位:十億ドル)、投資対GDP比率(右軸、単位:%)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_35.html#Greece


 ギリシャの2011年の名目GDPはまだユーロスタットの統計にも載っていないのですが、何しろ2011年のギリシャの実質GDPの成長率は「マイナス6.8%」だったのです。すなわち、ギリシャの2011年のインフレ率が6.8%を超えていない限り、名目GDPもマイナス成長になっているということです。無論、デフレに片足突っ込んでいるギリシャのインフレ率が6.8%などということは、決してありえません。


 さらに、今年(2012年)の実質GDP成長率は、マイナス4.4%と予想されており、さらにさらに恐ろしいことに、EUはギリシャの今年のインフレ率を「マイナス0.5%」と予想しているのです。すなわち、今年こそ、ギリシャはデフレに両足を突っ込むことになります。


ギリシャ経済:今年は4.4%縮小へ、インフレ率はマイナスに-欧州委
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZUHUJ0UQVI901.html
 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会によると、ギリシャ経済は今年、4.4%縮小して5年連続のリセッション(景気後退)となるほか、デフレ局面入りする
 欧州委が23日に電子メールで配布した声明によると、ギリシャの今年の消費者物価指数(CPI)は前年比で平均0.5%低下する見通し。昨年は平均3.1%上昇だった。
 昨年の成長率はマイナス6.8%、2010年は同3.5%だった。昨年11月時点では今年は2.8%のマイナス成長が予想されていた。 』


 ギリシャがデフレに陥ると、名目GDPは実質GDP以上に縮小します。結果的に、税収が減り、ギリシャの財政危機は終わりません。


 それどころか、ギリシャはEUとの約束で緊縮財政を強いられることになりますので、名目GDPはますます減少せざるを得ません。ただでさえ失業率20%という状況にあるギリシャが、実質GDP(雇用と関係があります)マイナス4.4%成長と予想されているところに、緊縮財政を強行するのです。


 ・・・・果たして、何が起きるのか。少なくとも、ギリシャの失業率がアメリカ大恐慌期に匹敵することになるのは確実です。


 怖いのは、上記の通りPIIGS諸国を中心にGDPがマイナス成長に突っ込もうとしている状況で、ユーロ安の恩恵を受けたドイツのみがそこそこの成長(0.6%)を確保し、さらにそのドイツ主導でEU諸国に「財政規律の憲法化」という無茶苦茶なシステムが導入されようとしていることです。冗談抜きで、欧州発の恐慌を引き起こしかねません。


 ギリシャは4月に総選挙を予定しており、結果によっては緊縮財政路線が放棄され、同国はユーロを離脱することになるでしょう。わたくしとしては、ギリシャがユーロを離脱することは同国の国民のためだと思っています。同時に、EU全域(イギリス除く)で行われようとしている「デフレ促進路線」を見る限り、ギリシャ国民がユーロ離脱という選択をした方が、欧州全域のためだと思います。


 事実上破たんしているギリシャの国民こそが、EUで行われようとしている緊縮財政⇒恐慌路線に、自分たちの手でストップをかける絶好の機会を持つという、実に皮肉な状況に陥っているわけです。 


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