これで出版業界電子化進む?村上龍が電子書籍会社設立

2010.11.02


作家・村上龍【拡大】

 小説「限りなく透明に近いブルー」などで知られる芥川賞作家、村上龍氏(58)が電子書籍を制作・販売する会社を設立する。村上氏自身の既刊本や新刊本のほか、瀬戸内寂聴氏(88)らほかの作家の作品も電子化し、米アップルなどのサービスを通じて配信する。4日に村上氏らが記者会見し、発表する予定という。

 設立する会社の名称は「G2010」(東京都世田谷区)。資本金は1000万円で、村上氏とソフト開発会社(同)が折半出資する。

 麻薬とセックスにおぼれる若者たちを描いたデビュー作「限りなく透明に近いブルー」(1976年)などから順次、電子化し、年内にも配信を開始。瀬戸内氏やよしもとばなな氏(46)の未発表作品の電子化も手がける予定という。

 開発費を回収した後、電子書籍収入の40%前後を作者に配分する。出版社との関係も維持し、既刊本の電子化でデータやアイデアの提供が出版社からあった場合は対価を払う。また、電子書籍として出た新作を、出版社が紙の書籍として出すことも想定している。

 村上氏は今年7月、文芸誌に連載した長編小説「歌うクジラ」を紙の本として出版するのに先駆けて電子化し、アップルの多機能端末「iPad(アイパッド)」に配信すると発表して話題になった。

 

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