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2010年11月

 [ミニ情報] “十二五”で
 公共電子閲覧室を建設へ、など

   
   

売り場縮小を決めた北京の三聯韜奮図書中心(外観)中国共産党の重要方針を決める第17期中央委員会第5回総会(5中全会)が10月15日から18日まで北京で開かれ、習近平国家副主席を中央軍事委員会副主席に選出。今後5年間の国民経済・社会発展目標を定めた「第12次五カ年計画」(2011-15年、“十二五”)の草案も承認されました。
そこで今回は、この“十二五”にまつわるニュースなど、図書関連のミニ情報を3本、ご紹介します。

   
 

■公共電子閲覧室をテスト建設へ

中国文化部(文部科学省にあたる)はこのほど、第12次五カ年計画(2011~15年、“十二五”)の期間に「公共電子閲覧室建設計画」を実施することを明らかにした(「人民網」9月28日付)。
それによると、今年10月から2011年12月までに、北京、天津、遼寧、山東、上海、浙江、広東、安徽、陝西の9省市で、「公共電子閲覧室」が試験的に建設される。

計画は、一般の人々の文化権益を基本的に保障することが目的。同閲覧室は「公共文化サービス施設」として、先端のIT技術を駆使したデジタル図書館やインターネットが利用でき、娯楽やトレーニングの場としても活用できるという。
全国9省市の図書館のみならず、文化館や町村、社区(コミュニティー)の文化センター、労働者文化宮(センター)、青少年宮、婦女活動センター、学校、企業、事業部門などにも設けられる予定。
将来的には、全国各地にこれを拡大し、ネットを通じて図書館や文化館などの公共サービスも受けられるようにするのだそう。

中国のインターネット人口は、今年6月時点で世界一の約4億2000万人。携帯電話を利用したネットユーザー数は2億7700万人に達している。ざっと数えても中国人口の3人に1人と、ネットの利用者数は急増している。
中国では、当局によるネット規制が現実として行われている。そうした中での「公共電子閲覧室」の建設は、全国各地にサービス拠点を増やしつつ、一方では情報管理を強化しようとする国家的デジタル戦略なのかもしれない。

■実体書店が大量死!?

営業を継続しているB1Fフロア最近、中国の出版業界でひそかにささやかれているのが、実体書店の「批量死亡」(大量死)、「集体衰落」(集団零落)、「倒閉大潮」(倒産の大潮)という見通しだ。

実際に、北京の中型書店「三聯韜奮図書中心(センター)」はこのほど、経営不振から店舗面積を縮小し、それまで使用していた3階スペース(地下1階、地上1、2階)のうち2階の部分を喫茶チェーン店「彫刻時光」に貸し出すことを明らかにした。
また、北京最大級の民営書店といわれた「第三極書店」は昨年夏、巨額の損失を出して中関村の大型ビルの売り場から撤退せざるを得なくなった(ご参照:「北京便り」2006年9月号2009年7月号)。

こうした実体書店の衰退はなぜ起きているのか?
中国メディア(「人民網」9月29日付―『中華読書報』)によれば、①コストの高騰(人件費、店舗の賃料、税金の値上がりで、なかでも人件費はここ7、8年で2倍に)、②出版物や付加価値サービスに対する読者の要求の多様化、③読者の活字離れ……などの原因が考えられる。
さらに見逃せない原因が「ネット書店や電子ブックの登場による、人々の読書習慣の変化」であるという。

ある民営書店の経営者は悲観的な予測を語る。
「あと7、8年もすれば、現在の実体書店の80~85%はつぶれるだろう。これは経営上の問題ではなく、紙媒体の市場が縮小するからなのだ」(劉蘇里・万聖書園総経理)。

2Fは喫茶店への改装中。階段には鉢植が…じわじわと進む実体書店の“大量倒産”に立ち向かおうと、前述した三聯韜奮図書中心のように、多角化経営モデルを模索する書店も出てきた。そうした書店では単に本を売るだけではなく、新刊本の発表会や芸術工芸展覧会、学術講座、サロンを開くなど、集客のためのさまざまな活動が行われている。
店内に喫茶店を併設するのも流行りのようで、書店の中には顧客サービスの一環で、誕生パーティーや同級会を開くところも出てきたという。

数年後まで生き延びる実体書店は、新華書店などの大型国有書店や人気を集める民営の個性派書店といわれる。
書店関係者からは「文化は民族の命綱。絶対に保護すべきものだ」「政府は民営書店に対し、減税などの優遇措置をとるべきでは」などという悲痛な声も出ている。

めざましい経済成長とともに変化の激しい中国。その変化にうまく乗れるかどうか――。実体書店の世界でも、激しい生存競争が続いている。

■ネット書店「許可証」なければ経営ダメ

ネット書店を通じて購入した本がじつは海賊版だった、という悪質なケースが後を絶たない中国。
こうした被害をなくそうと、中国の新聞・出版事業を主管する新聞出版総署はこのほど、すべてのネット書店に対し「出版物経営許可証」「音像製品(音声・映像)経営許可証」の取得を義務づけ、管理の強化を進めている(「人民網」9月30日付―『北京青年報』)。

同総署の規定によれば、9月30日以降、同「経営許可証」を持たずに、ネット上で書籍、新聞、雑誌、CD、DVD、電子出版物を販売している小売店があれば、当局が厳しく取り締まり、違法サイトは閉鎖する。
ネット書店の実体についても、①ネット上で出版物を扱う販売店は、必ず固定の営業所がなければならない、②販売店は、営業所の面積が50平方メートルを下回ってはならず、登記資本金が200万元を下回ってはならない――などの規定が設けられた。
発行権を持つネット書店は、さらに厳しく取り締まられる。規定に違反した場合、関連条項により罰せられ、重大な違反の場合は、ネット書店の営業一時停止、または許可証発行機関により許可証が停止されることもあるという。

ネット書店取り締まり強化の影には、中国最大手のネットショッピングサイト「タオバオ」(淘宝網)で2009年、海賊版の書籍が大量に出回り、訴訟になるケースが相次いだことがあった。
規制強化で海賊版がゼロになるとは考えにくいが、今回の措置は少なくとも消費者にとって、ネット書店が営業所を持つ正規書店かどうか確認する手立てにはなりそう。
ここは“中国式”に「騙される側にも責任がある」と心得て、望まない海賊版を買わされないよう自衛するにこしたことはなさそうだ。

 
   
   
bestsellere
総合
 

★『新京報』図書ベスト
(北京図書大廈、王府井書店、中関村図書大廈、三聯書店など、市内主要書店やネット書店のデータから統計)
2010年10月7日~10月13日

     
第1位:『1988:我想和這個世界談談』

第3位:『郎咸平説:我們的日子為什麼這麼難』

第4位:『女人不“狠”,地位不穏』

第7位:『華爾街』
 

1.『1988:我想和這個世界談談』(1988:この世界と話したい)
韓寒・著 国際文化出版公司 2010年9月初版


初版は空前の70万冊。人気若手作家・韓寒が初めて挑んだ、ドキュメンタリータッチの長編“ロード小説”だ。
ワゴンに乗って旅の途中で見聞きしたこと、過去の追憶、入り組んだ人間関係などを織り交ぜながら、韓寒特有の見方、考え方を率直につづる。そのアウトロー的な視点も含めて「新しい目で世界を見ようとした」と彼は語る。 


2.『幸福了嗎?』(幸せですか?)
白岩松・著 長江文芸出版社 2010年9月初版


3.『郎咸平説:我們的日子為什麼這麼難』(郎咸平が語る:我らの生活はなぜこんなに難しい)
郎咸平・著 東方出版社 2010年9月初版


著者は台湾出身の経済学者。米ペンシルバニア大学ウォートン・スクールで金融学の博士号を取得し、現在は香港中文大学教授。
本書は中国人の素朴な疑問――「なぜ我らの収入はこんなに低い?」「なぜ我らの企業はこんなに(経営が)厳しい?」「なぜ我らの食品はこんなに安全でない?」「なぜ我らは病気を軽視する?」「なぜ中国の環境はこんなに悪い」といった“収入低(低収入)、物価高、看病難、上学難、住房難(医療・教育・住宅問題)”など16項目について、著者が経済学的観点からわかりやすく解説する。
こうした問題の原因は、「中国人が不真面目だからではなく、我らの生活が複雑で難しすぎるからだ」と著者。
「富士康」(ストや自殺が相次いだ台湾の中国子会社)、「ニンニクと緑豆の価格高騰」、「地溝油」(再生食用油)、「医療改革と教育改革」などの最近の社会問題についても、鋭い解読を加えながら問題解決の道すじを探る。 


4.『女人不“狠”,地位不穏』(女性の“不憤”で地位不安定に)
曽子航・著 中信出版社 2010年8月初版


男性が本当に愛するのは、美女でもなければ淑女でもない。考え方や性格、行動がよくわからない「三不女性」のほうが、じつは自分の仕事や生活を把握する魅力的な女性だ。女性は永遠に弱者だと、決め付けられたわけではない。生涯円満な愛をいかに構築し、恋愛と結婚における疲労をいかに防ぐか、その答えは「三不女性」になることにある――と本書は主張する。
「20~40代の女性、必読の箴言」であるという。趙薇(女優)、于丹(大学教授)、王珞丹(女優)などの著名な中国女性たちが推薦している。 


5.『公司的力量』
『公司的力量』番組チーム編 山西教育出版社 2010年8月初版


6.『山楂樹之恋』(サンザシの樹の恋)
艾米・著 江蘇人民出版社 2009年12月初版(精装新
版)


7.『華爾街』(ウォール街)
ドキュメンタリー「華爾街」製作チーム・著 中国商業出版社 2010年9月初版


国営中国中央テレビ(CCTV)の同名タイトルのドキュメンタリー(全10回)を書籍化したもの。
世界の金融地区のシンボルであり、米国の金融史と切っても切り離せない「ウォール街」。本書は「中国人が初めて、世界金融の心臓部を深く探った」というルポ。
その歴史から現状、さらには「投資の神様」といわれる米著名投資家ウォーレン・バフェット氏との対談、米著名投資家ジム・ロジャーズ氏による金融危機の情勢分析など、内外の経済学者、政府高官、企業トップへのインタビューをまとめる。
「中国人にウォール街を全面的に紹介し、資本市場の盛衰と経済起伏の法則、資本市場での実践者の経験、金融情勢と一国の勃興の関係を理解してもらいたい」と本書は語る。 


8.『風語』(風聞)
著麦家・著 金城出版社 2010年7月初版


9.『毛沢東最後七年風雨路』(毛沢東最後の7年 風雨の路)
顧保孜・文 杜修賢・写真 人民文学出版社 2010年6月初


10.『盗墓筆記(柒)』(墓盗掘ノート7)
南派三叔・著 時代文芸出版社 2010年9月初版


 
     

 

 

文・写真 小林さゆり
日本の各種メディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中。
著書に『物語北京』(五洲伝播出版社)
訳書に『これが日本人だ!』(バジリコ)

 

  Blog: http://pekin-media.jugem.jp/
   
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