本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
OS X標準のCocoa/Carbonアプリケーションは、ファイルを模したフォルダー内に、バイナリーや各種リソースファイルを収録した「バンドル」を構成する。拡張子は一般的に「.app」で、これをFinder上でダブルクリックすると、システムによりアプリとしての起動手続きが実行される。
その「.app」アプリケーションは、ほとんどが起動ボリューム上の「アプリケーション」(/Applications
)フォルダーに収録されている。この点については、今さら説明するまでもないだろう。しかし、実際には/Applications
以外のフォルダーに収録された「.app」も多数存在し、多くのユーザーに気付かれないままだったりする。今回は、それら知られざる「.app」のうちいくつかを紹介しよう。
Tcl/Tkインタープリター「Wish.app」(Wish Shell.app)
Tcl/Tkのインタープリター「Wish」(WIndow SHell)は、確かJaguarの頃には/Applications/Utilities
フォルダーにあったと記憶しているが、いつからか見かけなくなった。Snow Leopardの現在もTcl/Tkは収録されているので、どこかにあるはず……と探してみたところ、/System/Library
のフレームワーク内部に、「Wish.app」のシンボリックリンクという形で発見した。
このWish Shell.appを起動すると、コンソール画面が立ち上がり、対話形式でTkライブラリの機能を呼び出すことができる。近年はRubyCocoaのirbあたりにお株を奪われている印象のWishだが、まだ活用する価値はある。なお、このWish.app、ターミナルから「wish」コマンドを実行することで、簡単に呼び出せる。
所在地:/System/Library/Frameworks/Tk.framework/Versions/8.5/Resources
PDF作成ツール「MakePDF.app」
複数の画像ファイルをまとめた縮刷版PDFを作成するツールは多数あるが、コマンドラインだったりサードパーティ製フリーウェアだったりで、多少の”わざわざ感”は否めない。しかし、ここに挙げる「MakePDF.app」を使えば、GUIで縮刷版PDFを作成できてしまう。
選べるスタイルはコンタクトシートのほか、画像を一定サイズに切り取る「Crop」と、画像にあわせてレイアウトする「Fit」の計3種類。レイアウトメニューから選択すると、何度でも試行錯誤できるので、なかなか便利に使えることだろう。
所在地:/System/Library/Image Capture/Automatic Tasks
(次ページへ続く)
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