Intel Euclid Developer Kit を試してみた
Intel Euclid Developer Kitは、5月31日に発売になったIntel RealSenseカメラとAtom プロセッサ、及びWiFI等を内蔵したスタンドアロン動作するデバイスです。
非常にロボットの目、ロボットの頭脳となることを意識したパッケージングになっていて、RealSenseカメラはZR300相当が装備されているようです。
環境を認識しながら自立的に動く何かが作れそうな気がしますねw
開発者向けの情報はこちらに集約されています。
ではさっそく試してみましょう!
開封
Euclidは本体と2種類のパワーサプライ用アタッチメントがあります。
一つがバッテリーパック、もう一つがUSBからパワー供給を行えるアタッチメントパックです。
用途に応じてどちらを使うか選択します。
あと、画面を持たないスタンドアロンデバイスのなので喋ります。
ライセンス条項なんかもどんどん喋ります。
声がロボット感があっていい感じw
なお、これは内部で動作しているUbuntuの設定から”Screen Reader”をOFFにすれば黙ります。
初期設定
Euclidと最初に接続するにはPC等からEuclid自体がアクセスポイントとなっているWiFiに接続し、Webインターフェイスのポータル画面にアクセスします。
このポータル画面から利用する機能ノードをまとめたシナリオを起動/終了できます。
またWiFi設定をここから行えるので、普段利用しているWiFiにEuclidを参加させることもできます。
ぼくはここで普段利用しているネットワークにEuclidを参加させました。
以後EuclidへのアクセスはこのWebインターフェイス、VNC接続を利用したリモートデスクトップでのアクセスにより行います。(SSHも試していませんが可能なはず)
プリセットのシナリオを試してみる
前項で述べたシナリオを起動してみます。
今回はカラーカメラ、Depthカメラ、Person Trackingノードを利用する"PersonalViewを起動してみます。
そしてMonitorタブで各機能のRawデータを表示させるようにしてみると、各機能が正常に動作していることを確認できます。
独自のシナリオを作成する
さて、本当にやりたいのはここからですよね!
独自の機能ノードを作成するためにチュートリアルを紐解いてみましょう。
Euclidの機能ノードを作成するにはlinuxの知識とROSの知識が必要です。
開発作業自体はEuclid内にROSのワークスペースが準備されているので自家発電的に開発が可能ですよ。
では、Communityページの”Introduction To Euclid”を順を追ってすすめます。
ただこちらのチュートリアル、ノリはいいけどそのままですとすんなりいかない人が多そうです。
しかもPDFなのでコードのコピーとかしんどいですw
あとコマンド等の _ (アンダーバー)が抜けているところがかなりあるのでROSのコマンドらしきものはROS自体の情報を参照して誤りを正したうえで実行します。
一応Updateが入っているようですが、こちらも合わせて参照しながら進めると良いでしょう。
そしてぼくの方で実際に動作したソースコード、設定ファイル類をこちらに置いておきます。
また、カメラを起動するとパフォーマンスを喰うのでVNCサーバーがとてつもなく遅くなって操作不能になることも多いので、割といばらの道でしたw
ということで、きちんと動くとカメラ映像にOpenCVで色調変換のフィルタをかけた映像が、Ubuntu内でもWebインターフェイスでもモニターできるようになります。
まとめ
ということでEuclidを試してみました。
これまでWindowsやUnityでRealSenseを使ったアプリを作っていた方にはかなり世界観が違うのでとっつきにくいかもしれませんが、いまやRealSenseが主にフォーカスしているのはこのようなロボットの目となるような用途になってきているので当然の進化なのかもしれません。
スタンドアロン動作できるということはちょっと今までと違う使い方ができそうで夢が広がります。
やっぱり動くものに載せたいですね^^