「日本製品不買」を諫めるメディアの記事はまだ散見される。裏を返せばまだ日本製品不買をアピールする人が多い。メディアに寄稿する知識人の中には「日本製品不買というが、中国人が必ず携えてる身分証明書は富士ゼロックスが印刷したものだぞ」と諭す人もいるが……。
電脳街はブランド人気のバロメーター
実のところ、尖閣問題でわき上がった反日感情が日本製品不買に転化されたかどうかは、電脳街を見ればわかる。ネット世代がデジタル製品を使うからというのが理由のひとつ。そして人がそれなりに集結するところに、メーカーブースが分かれているためだ。
たとえば中国でも車のディーラーはメーカーごとに異なるから、たとえ日本車メーカーのディーラーに客が入っていなくても、すぐ近所に他社のディーラーがすべて揃っているケースはレアだし、そもそも車を買いに人がたくさんやってくるわけではない。
携帯電話マーケットは今が旬で携帯電話売場にたくさん人はやってくるけれど、基本的に一店舗でさまざまなメーカーの製品がごちゃ混ぜで売られているので、ソニーやシャープのスマートフォン・携帯電話が人気なのか、といった消費者のスタンスはわかりにくい。
かたや電脳街は大きなビル一棟の1フロア内に、車のディーラーのように、ノートPCを発売する各社PCメーカー代理店が並ぶ。それでいて携帯電話マーケットのように沢山の人が訪れる。
やっぱり日本のメーカーは不人気
レノボやHPやAcerなど各社ショップに人が入る中、中国で一定のシェアがある東芝とソニーのブースだけには店員しかいないという光景をしばしば見た。特に広州では電脳街へショッピングに来る客が多かっただけに、悲しいかな、より鮮明に見られた。
とはいえそれがすべてではなく地域差はあり、東芝やソニーブースに客が入る都市もあったように思う。見て驚かなかったのだから、客入りは平常通りか若干少ないくらいだろう。ネットでは「客が来なくなって困る」と嘆き節をもららす店員の書き込みもあったが……。
大抵どこの電脳街でも1階がノートPC売場で、2階ないし3階がデジカメ売場ではあるが、これも客の入りは普段より寂しい。
ちなみに、デジカメ売場で店員と交渉しているのが年配の客だったという点が興味深い。中国では30代中盤以前がネット世代であり、逆に言えば40代以降はネットを利用しない割合がぐっと高くなる。ネット世論を見ない世代が今ショップでデジカメを買おうとしているのだ。
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