【第3回】空
マイナス60度、まつげが凍り、厚い手袋の中で指先の感覚が消えてゆく。1000キロ四方、誰もいない。見渡す限り、白い世界。南極へは2003年と2009年の2度、足を踏み入れ、1年半余りを過ごした。南極でしか会えないものに会いたかった。でも、気づいたのは、見慣れていたはずの太陽、空、海、そして雪や氷が、これほどまでに表情豊かだったこと。人を寄せつけない厳しさと人を惹きつけてやまない美しさを前に、何万回シャッターを切っただろう。凍てつく大気の向こうに広がっていた、生まれたままの地球。その風景を8回にわたって写真で紹介する。
3回目は空。極寒の地ゆえに見ることができた幻想的な光景をお届けする。(朝日新聞 南極担当記者 中山由美)
【第1回】ペンギン【第2回】南極海
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