ベンチャー支援や世界進出が日本再生の鍵--新経連が古川大臣との意見交換会

岩本有平 (編集部)2012年07月25日 20時44分

 一般社団法人新経済連盟(新経連)は7月25日、内閣府特命担当大臣の古川元久氏との意見交換会を実施した。

 新経連は、楽天などIT企業を中心にして活動してきた「一般社団法人eビジネス推進連合会」を母体とした経済団体。会員数は一般会員252社、賛助会員535社の合計787社で、代表理事は楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏。そのほかサイバーエージェント代表取締役社長CEOの藤田晋氏、フューチャーアーキテクト代表取締役CEOの金丸恭文氏、GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏、ライフネット生命保険代表取締役副社長の岩瀬大輔氏が理事を務める。

 意見交換会は約1時間行われた。メディアの出席が許可された冒頭部分では、三木谷氏が新経連の概要やその活動について改めて古川大臣に説明。古川大臣は「日本経済再生に向けては、あらゆる分野においてイノベーションが必要。そのためには新しい企業が生まれてくることが必要。日本再生戦略では11の重点分野があるが、中でもグリーン成長、ライフ(医療)成長を重視している。そしてあらゆる技術の成長のためにはIT技術は必要不可欠。皆さんが取り組んでいる、これから取り組むことと方向が一致している」とコメントした。

 意見交換会後の会見で、古川大臣は、(1)ベンチャー育成、支援の重要性、(2)グリーン、ライフを始め、さまざまな分野でITをどう活用するかが成長の鍵となる、(3)グローバルでどう通用するビジネスモデルを作るかの重要性――の認識を新経連と共有したとコメント。今後も新経連と意見交換をする機会を設けるとした。一方で新経連からは、実効税率面で国内企業が不利である、政府のIT政策についての実感がないといった意見も挙がったという。

 三木谷氏も「今回はキックオフということもあり、日本経済再生には新産業が必要であり、そのためにはシリコンバレーのように新しい産業が生まれる場が必要という話が中心だった。また、“ガラパゴス化”と言われる日本独自の基準がグローバル化や高コスト化になっている原因について共通意識を確認した」と意見交換会後の会見で説明した。

 古川大臣は、7月をめどに政府にCIO(最高情報責任者)を設置する旨を発表しているが、これに対して「世界を見ると、若手で技術に対する理解の深い人が歴代(CIO)を占めているという認識。日本は残念ながら遅れているが、先進的で若い発想を持った人になって欲しい。ネットでレボリューション、イノベーションを作ることや新産業を生み出すことは雇用にも有効。新経連でもしっかりと提案していくことで、経済や産業、国民に貢献できればと思っている」(三木谷氏)とした。

 意見交換会ではエネルギー施策についても意見が交換がなされたという。これについて三木谷氏は、「新経連としては脱原発。私は原子力の専門家ではないが、中長期的には(原発)ゼロに向かうべき」と語った。

 そのほか、ネットでの選挙解禁といった話題についても言及し、「今回は話す時間がなかったが、具体的に提案提言していく。ネット投票まではいかなくとも、選挙期間にインターネットを使えないのは首をひねるところ」(三木谷氏)とした。


意見交換会の様子

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