40代になると仕事だけでなく
「家庭」も重要になる

 40代の仕事というのは、リーダー的な要素、マネジメントのウエイトが高くなりますので、それまでの「忙しさ」とは中身が異なってきます。なぜなら、年齢とともに自分ががんばれば済むことから、メンバーのやる気や力を引き出さなければ済まないことに変わるからです。

 つまり、間接的に業績をあげなければならなくなることが、「忙しさ」に拍車をかけるわけです。

 さらには、独身時代であれば、仕事に没頭していても家族から文句が出ることはなかったでしょうが、結婚して家庭を持てば、そうもいかなくなるのです。仕事だけでなく、同じくらいのウエイトで家庭のことも顧みなくては、それこそ家庭崩壊につながってしまいます。

 しかも、家庭では「パパ」から「お父さん」になり、「ママ」から「お母さん」に変わるのが40代です。

 30代では育児だったのが、40代は教育に変わりますし、思春期を迎えた子供との距離感は確実に変わるものなのです。

 30代のころは擦り寄ってきて、ほっぺにチューをしてくれた娘からは、「うざい」と避けられるようになってしまうのはショックですが、それも仕方ありません。娘を持つお父さんにとって、40代はそういう試練の年代でもあるのです。

 結局、私は仕事と家庭のウエイトコントロールのために、40代になってゴルフを止めました。自分としては一時中断のつもりですが、もう8年近くコースに出ていません。

 きっかけは家内からの「ゴルフはいくつになってもできるけど、子育ては今しかない」の一言でした。確かに言われてみればまったくその通りだったので、ゴルフを一生懸命やろうと思って会員権まで買ったにもかかわらず、年会費のみを納め続けるシーズンが続いています。

 ゴルフを中断するきっかけは仕事と家庭の両立であったものの、それまで以上に仕事が忙しくなってしまい、週末も仕事をせざるを得ない状況に追い込まれてしまったということもあります。ですから、子育ても工夫が必要になり、短い時間でも家族との時間を充実させる方法を模索しました。