二次創作は、ゲームそのものと線引をしなければいけない。
たとえば好きなキャラがいても、妄想はゲームの外でするもの。

そう思っていました。

ところがソーシャルゲーム『アイドルマスターミリオンライブ!』(以下『ミリオンライブ』)のゲーム内に、公式に二次創作できる機能がつきました。
キャラに、好き勝手言わせることができる。
えっ、そんなことやっちゃっていいの?! 公式で?

『ミリオンライブ』について簡単に説明します。
根っこは「営業する」「ガチャを回す」「バトルをする」という、多くのカード系ソーシャルゲームと同じです。
大きく異なる点は、育てるキャラが50人と決まっていて、それ以上増えないところ。

キャラCDもバンバン出ています。映画版『アイマス』にも何人か出ます。

さて新しく実装されたのは「ドラマシアター」というもの。
しゃべらせたいキャラを3人選んで配置し、紙芝居ができる機能です。
背景やBGMや表情を選んで、ストーリー仕立てのやりとりができます。
完成したものは、プレイヤー全員に公開できます。

春香さんを選んで「エキレビ!」とか、絶対言わないことを言わせることができる。見せることができる。
元々ストーリーのあるキャラを、ゲーム内で好きにいじって遊べる、というのは珍しい。

『アイドルマスター』はニコニコ動画で二次創作が盛ん(ノベマスや、音楽MADなど)でした。
しかし、公式でコンテストをやった時は、驚きの声があがりました。
ゲームと二次創作は別物、という常識が崩され、オフィシャルとファンの創作や流行が混ざり合っています。


『ミリオンライブ』は、ゲーム以外の部分にも力を注ぎ続けていました。
まずキャラクターの誕生日のお祝いが豪華。ボイスが増えます。『シンデレラガールズ』にも誕生日機能はあります。キャラゲーとしては嬉しい。
次に「コンベンションセンター」。
キャラごとの会議室が作られ、ファンが集まって好きなことを書き込める機能です。
2ちゃんねるのスレッドと似ています。「亜美かわいい!」とか書き逃げするだけでもOK。
様々な模索を、ずっと繰り返し続けています。

もっとも、結構な冒険です。
キャラに卑猥な言葉や暴言を言わせて公開することも、十二分にありえる。

一応ガイドラインでそれらの行為はNGとは書かれています。とはいえキャラ崩壊くらいはありうる。
そこは、匿名投稿ができないというルールがあるので、穏やかです。
作った作品にはコメントが付けられるのも大きい。

ギルドシステムや、友達システムなどの、ゲームそのものに関わるほど重たい人間関係ではない「ソーシャル」。
もっと緩く、人の作品を観て楽しんで、コメント交流ができる、ニコニコやpixivくらいの距離感。

ゲーム自体に全く参加しないけど、「ドラマシアター」では職人、という遊び方もできます。
カード入手でポーズが増えるので、それをどう使いこなすかが腕の見せどころ。

ソーシャルゲームがガチャガチャ主体のものから、『パズドラ』や『黒猫のウィズ』『ケリ姫』『にゃんこ大戦争』『艦これ』などゲーム性主体で、ゲーム内ソーシャル性が薄いものが増えています。
キャラカード物ソシャゲは、どう個性化を図るか模索している。その状況下での、新機能。現在β版です。
ゲームとは別に、ファンの交流の「場」をどう作るかをに目を向けました。
これが活性化につながれば、今後のソシャゲの作り方の一つとして「二次創作を最初から公式で取り込む」という選択肢が増えそうです。

これも、ノベマスコンテストと同じように、ドラマシアターコンテストをやって、実際に声がついたら、相当盛り上がるんじゃないですかね……? 
ぼくもがんばっちゃうよ。

(たまごまご)