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6月17日 三橋貴明著「ジャパン・コンセンサス―国民を豊かにする「最強」の経済政策  」発売記念

三橋貴明の「「デフレを退治し、日本を救う会」 講演会が開催されます。

http://www.a-un.jp/symposium/index.html

※前半は三橋貴明の講演、後半がパネルディスカッションです。

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『日本をギリシャ化する方法①』 三橋貴明 AJER2012.5.22(1) 】
『日本をギリシャ化する方法②』 三橋貴明 AJER2012.5.22(2) 】

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 来週日曜日、三橋貴明の講演「デフレを退治し、日本を救う会http://www.a-un.jp/symposium/index.html (来週17日(日)18時) が開催されます。本講演では、以下の話を踏まえて「次なる資本主義」についてお話ししたいと思います。


 スペインが墜ちました。


スペイン、最大10兆円の銀行救済を欧州に要請
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5D8KB6VDKHS01.html
 スペインは最大1000億ユーロ(約10兆円)の支援をユーロ圏諸国の政府に要請し、自国の銀行システム救済に充てることとなった。これまでに国際支援を要請した域内諸国の中で、スペインは最大の経済規模を抱える。
 デギンドス経済・競争力相は9日、マドリードで記者会見し、「資本が必要な国内銀行に注入するため、スペイン政府は欧州に支援を要請する意向をここに表明する」と発言。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の声明によれば、支援額は「必要資本の推定額と、安全策として追加する緩衝資本を合わせてカバーする」規模になる。 (後略)』


 注意しなければならないのは、昨日のエントリーでも書きましたが、上記は、
「スペイン政府への支援要請」
 ではなく、
スペインの銀行への支援要請
 であるという点です。
 
 そもそも、バブルが崩壊した国では銀行に不良債権の問題が発生しますが、それはあくまで「自国通貨」なのです。日本のバブルの場合は、全て日本円建ての話で、アメリカの場合はアメリカドル建てになります。日本円の不良債権問題に苦しむ銀行を救えるのは、日本円の使発行権を持つ日本政府(と中央銀行)だけです。アメリカも同様です。


【日本、アメリカ、ユーロ圏のマネタリーベースの推移(07年1月=1)】

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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_38.html#MB


 アメリカはリーマンショック直後、政府系のGSE(ファニーメイやフレディマックなど)から不良債権と化していたサブプライムローンを含むMBS(住宅担保証券)を買い取り(代わりにドルを供給し)、危機を沈静化しようとしました(量的緩和第一弾)。それでもデフレ化を食い止められないため、10年11月から長期米国債の買い取りを始めます。(量的緩和第二弾)


 結果、アメリカのマネタリーベース(ドル紙幣や銀行がFRBに持つ当座預金の残高)は07年1月比で1.8兆ドルも膨らみましたが、アメリカの11年のインフレ率はわずかに2.5%。中央銀行の国債買取は、
「はいぱ~いんふれ~しょんになる~っ!!!」
 などと言っている連中は、この「事実」をどのように考えているのでしょうか。


 バブル崩壊後にデフレギャップが膨らんでいる国では、中央銀行が国債を買い取ってもインフレ率は「はいぱ~いんふれ~しょん」とやらにはなりません。と言いますか、もしアメリカが量的緩和第一弾、第二弾をやらなければ、同国は日本を上回るデフレ状態に突っ込んでいたでしょう

 日本では国債買取の意味も知らずに、
「日銀は国債を買い取ってはいけない!」
 などという自称評論家や政治家が少なくないですが、日銀に国債を買い取るなと言うことは、「通貨を発行するな」と言っているのと同じです。何しろ、日本銀行の通貨発行は、銀行から国債を買い取ることで行われます。(この辺の話は実業之日本社「日本は「国債破綻」しない! 」をお読みください)

 図を見ると、昨今、ECBもなりふり構わず各国の国債を買い取り、市中にユーロを供給していっていることが分かります。
 それに比べて、日本銀行は・・・・・。


 5月末時点の日本のマネタリーベースは、何と震災直後を「下回って」います。これで「デフレ脱却」やら「長期の物価上昇の目途1%」など、笑わせるというものです。


 無論、日銀が国債を買い取ろうと(=通貨発行)したとき、銀行側の応札率が下がっているという問題もあります。銀行にしてみれば、民間の資金需要がここまで小さくなってしまっている(=デフレ深刻化)以上、金利の稼げる国債を金利を稼げない日本円の通貨に変えたくないという気持ちは理解できます。
 ならばなおさら、日本銀行は、
自分たちはきちんと通貨発行する。同時に、政府が財政出動で民間の資金需要を喚起してくれ
 と言うべきだと思うわけですが、なぜか日銀が実体経済に求めるのは「構造改革」になってしまうわけです。何じゃ、そりゃ、てなもんです。


 ユーロに話を戻しますが、ユーロ圏の場合だけは「ユーロ」「ECB」がスペインの民間銀行に資金注入を出来るわけです。これが日本やアメリカの場合は、できません。出来るのは、日本政府またはアメリカ政府のみです。


 スペインの今回の支援要請は、上記のユーロの仕組みを「巧く活用」し、バブル崩壊後の自国銀行への資金注入を「他国の金」もしくは「ECBの金」でやれっ!というもので、昨日も書きましたが、なかなか「やる」と思います。スペインが自力でユーロを資金注入してしまうと、アイルランドやギリシャ同様に「民間の銀行の対外負債」の問題が、「スペイン政府の対外負債」ひいては「スペイン国民の対外負債」に切り替わってしまいます。


 とはいえ、EU側がスペインの要求をそのまま受け入れ、話がすんなりと進むかどうかはわかりません。スペインのデギンドス経済相は、金融支援に伴う条件が銀行に課されるものであり、スペインの国民や財政・経済政策を拘束するものではないことを強調しましたが、現実には難しいでしょう。さらに、そもそもスペインはユーロ圏で第四位の経済規模を持つわけです。
 ユーロの落日が、いよいよ決定的になってきました


「それにしても、日本銀行は・・・」と思われた方は、

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