セシウムさん問題でCM打ち切り多数、東海テレビへの抗議は1万件を突破

東海テレビの朝の情報番組「ぴーかんテレビ」の番組放送中に岩手県産こしひかりのプレゼント当選者欄に「怪しいお米 セシウムさん」などの誤表示があった問題を受けて、東海テレビにスポンサー提供していた企業が次々にCMの打ち切りならびにスポンサーの降板を決定しています。

asahi.com（朝日新聞社）：東海テレビに抗議・苦情１万件超　セシウムさん問題 - 社会

asahi.com（朝日新聞社）：東海テレビ、スポンサー次々降板　不適切テロップ問題 - テレビ・ラジオ - 映画・音楽・芸能

東海テレビ：ＪＡ怒りのＣＭ中止　「セシウムさん」問題 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)

セシウムさんの東海テレビ、ＣＭ打ち切り続々 : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

まず最初にCM提供を取りやめる動きに出たのは、全国共済農業協同組合連合会（JA共済）。「セシウムさん」問題が発生した翌日の8月5日の「金曜プレステージ」について、東海テレビのエリアに限りCMを休止。

全国農業協同組合中央会（JA全中）も続いて8月6日にフジテレビ系列で全国放映された情報番組「にじいろジーン」へのCM提供について、東海テレビの放送エリアである愛知、三重、岐阜の３県でのみで中止しました。ただ、取りやめたのはこの日の提供のみで、今後の対応は検討中とされています。

続いて、農林中央金庫が8月7日放映の「サザエさん」、8日の「めざましテレビ」への提供を中止。CMの中止理由について、農林中央金庫は「抗議の意味を込めた」、JA共済は「CMを流すには不適切な放送局と判断した」とコメントしています。

そして問題のシーンを放映した「ぴーかんテレビ」のスポンサーも、次々とCM提供中止などを発表。農協関連団体が東海テレビに対して行ってきたCM提供の中止が、「ぴーかんテレビ」に提供していた民間企業にも拡大していきます。ちなみに「ぴーかんテレビ」は毎週月曜から金曜の9:55から放送していたため、各曜日ごとにスポンサーがついていた形になっています。

東海テレビは同番組のスポンサーのリストを公表していませんが、ミキハウスは読売新聞の取材に対して毎週金曜にCM提供をしてきたことを認めた上で、「（CM提供の）打ち切りは問題の発生当日に即断し、謝罪に来た局担当者に強く抗議して伝えた」とコメント、提供の打ち切りを決定したとのこと。

2011年7月からスポンサーとなっていた愛知県護国神社も、8月8日にはスポンサーから降りる方針を決めており、臼井貞光宮司が「番組が再開されても協力はできない」と語っています。

地元名古屋の製パン大手フジパンはすでに火曜と金曜のスポンサーを降板しています。この一件に関して問い合わせや苦情が約50件寄せられたことを受け、「視聴者から厳しい意見が相次ぎ、CM提供を続ければ企業イメージを害する」として8月5日からCM提供を中止、番組が仮に再開したとしても再びCM提供するのは困難だという考えを見せています。流通大手のイオンも、8月9日からCM提供を見合わせています。

地元岐阜の有名和菓子店の川上屋は10年以上にわたってスポンサーを続けていて、番組に視聴者プレゼントも提供してきたのですが、同社の原善一郎社長は「CMを続ければ我々も批判の標的になる」と話し、CMの当面休止を決めています。

東海テレビはスポンサー各社に引き続きCM提供のお願いなどをしているとのことですが、当然ながら風当たりは強く、上記のように大企業から長年番組のスポンサーを務めてきた地元商店に至るまで、多くの企業が打ち切りを決めています。地元密着型の番組作りが基本で、地元企業からの協力を多く受けている東海テレビにとって、これだけのスポンサーからCM打ち切りならびにスポンサー降板を受けるのはかなりの痛手となっているのではないでしょうか。

また、視聴者からも多数の抗議が寄せられていて、8月8日午後5時までに「ふざけるな」「岩手まで社長が謝りに来い」といった抗議の電話やメールが計1万3000件寄せられているということです。

現在のところ「ぴーかんテレビ」は当面放送休止を決定していて、同番組の放映枠では8月12日（金）まではONE PIECEの再放送と「トムとジェリー テイルズ」を放映予定、翌週8月15日（月）からは「調整中」と表示されているため、今後この朝の放映枠をどのような内容で構成していくのか、まだ見通しは立っていないようです。