「暗い場所でもボケたり粗くなったりせずに、デジカメでキレイに写真を撮る方法はありますか?」

という米Lifehaker読者からの質問がありました。そのカメラがデジタル一眼レフかコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)かは分かりませんが、お金をあまり掛けない方法を教えてほしいというリクエストです。

というわけで、デジタル一眼レフでもコンデジでも、光量の少ない環境でキレイに写真を撮るための基本事項をお教えしましょう

※注 英語のリスニングが得意な人は、上のビデオで以下の情報を口頭で説明していますので、そちらもどうぞ。かなり早口ですが、リスニングを練習している人にはいいかもしれません。

 

1. 速いレンズを買う

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速いレンズとは、絞りが大きいレンズのことです。絞りが大きいレンズほど、光を多く取り入れることができます。暗い場所でもキレイに撮るためには、この絞りが大きい(=速い)レンズを購入すれば良いでしょう。

しかし、絞りを大きく開いた状態だと被写界深度(ピントが合っている範囲のこと)が浅くなってしまう(=焦点が合っている範囲が狭くなる)のが難点です

もし手前にある被写体だけにピントを合わせたい場合は、被写界深度が浅い方が好都合ですが、絞りを大きく開いているとブレやすくなります。撮る時には十分気をつけてください。

コンパクトデジタルカメラでは、レンズも一体化されていますので、絞りが大きいレンズを別に買うことはできません。デジタル一眼レフカメラであれば、絞りが大きいレンズは安くても見つかるので、簡単に手に入ります。

デジタル一眼レフの一番安いレンズは、50mmのプライムレンズです(プライムとはズームしないという意味)。これであれば、絞り値(F値)1.8のレンズが、1万円以下でも買えると思います。


2. シャッタースピードを遅くする

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写真を撮る時、シャッターが開いて閉じるまでの時間がシャッタースピードです。シャッターを長く開けていると、光はより多く取り込まれます。

シャッターを長く開けているとブレて写ってしまうので、被写体がブレないようにしたいのであれば、この方法はおすすめできません。

風景写真や、動かない被写体を撮る場合には、シャッタースピードを遅くすれば完ぺきです

光が十分にあってシャッタースピードを落とす必要がない場合でも、夜に風景や動かない被写体を撮る時は、シャッタースピードを遅くするといいでしょう。

ただ、望んでないようなモーションブラー(動きのブレ)を起こしたくない場合は、カメラが安定しているかをちゃんと確認してください


3. ISO感度を上げる

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ISO感度は、基本的にはデジタルのフィルムスピードと同じようなものです。センサーがどの程度繊細に機能しているかということは、光とも関係があります。

ISO感度が低いということは、センサーの感度が低いということを意味します

通常、低いISO感度でそのままの光で見えているものを撮ろうとすることが多いですが、光量が十分でない場合は、繊細に光をキャッチできるように少しだけISO感度を上げると、問題が解決します。

屋外の十分に明るい場所ではISO「100」や「200」で撮り、屋内のうす暗い場所などでは「400」や「800」で撮るのがいいでしょう。ほとんどのカメラで、ISOの数値は「3200」までかそれ以上あります。数値を上げれば上げるほど、光に対する感度はよくなりますが、上げ過ぎてしまうと写真が粗くなります。とはいえ、ひどく見た目が変わるほどではありません。

小さなサイズで写真をプリントする場合や、Webサイト用に使う場合であれば、画像の粗さはそこまで気にならないと思います。また、平たい言い方ですが良いカメラを使っていれば、ISOを上げても画像はそこまで粗くなりません。コンパクトデジタルカメラの場合は、ISO800だと多少画像が粗くなりますが、デジタル一眼レフであればISO800でも粗さが気にならないと思います

写真の仕上がりは、持っているカメラのISO感度がどれくらい上げられるかということだけでなく、他の要因も同じように関係しています。ただ、暗い場所で写真を撮るときには、ISOを上げることが、簡単で大きな失敗なく写真が撮れる方法の一つです


4. フラッシュを効果的に使う

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フラッシュを使って撮影すると、被写体が白飛びしたりハレーションを起こしたりするので、本当なら使いたくないという人が多いと思います。しかし、あまりにも暗すぎる場合はフラッシュを使わざるを得ません。

そのような時は、簡単に手に入るものでフラッシュディフューザー(光を拡散させるためにカメラに取りつけます)を作ることができます。セロテープや紙を使えば、どんなカメラのフラッシュにもピッタリ合うディフューザーが作れ、光の具合も柔らかくなります。これまでもタバコの空き箱厚紙を使ったフラッシュディフューザーのDIY方法をご紹介してきました。そちらも参考にしてみてください。


これらの基本事項を使えば、うす暗い場所でも、良いカメラを持ってなくても、これまでよりキレイに写真が撮れるのではないでしょうか。

節電で普段より暗い場所が増えていますので、ぜひとも試してみてください。

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)