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 血液検査
 血液検査で分かることはどんなことだろう?血液型から始まり、赤血球、白血球、血小板などの数、血糖値やコレステロール、尿酸値、がん、各種アレルギーなどなど検査可能な項目は2000を超える。そして、今回、新しい検査項目として、なんと「寿命」が加わることになった。

 自分の「寿命が」わかるとしたら、みなさんは知りたいだろうか。もし本当にわかったら、期待より長くても短くてもあなたの考え方や生き方まで変えてしまうかもしれない。そんな、にわかには信じがたいことが現実になろうとしている。科学の進歩がパンドラの箱を開けようとしているのだ。

 イギリスでは年内にも血液検査による「寿命」の推定が可能になるという。費用は435ポンド(約5万7000円)。

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 ヒトは染色体の末端部に「テロメア」と呼ばれる構造を持っている。これは老化速度を示しており、この末端構造が標準よりも短い人は長い人よりも寿命が短いと考えられている。そのためテロメアの長さを見れば、ある程度寿命を読み取ることができるのだという。ただし現段階の技術では、「あと何年と何カ月の寿命」というように具体的な数字まで出すことはできないそうだ。

 5~10年以内にはこのテロメアによる検査が広く普及すると期待する研究者もいるようだが、一方で倫理的な観点から、この方法の普及に警告を発する専門家もいる。

 その主な理由として、検査により短いテロメアを持つとわかった人が生命保険などの加入を拒絶される可能性や、短命かもしれないと落ち込む人の弱みにつけこんでニセモノの薬を売りつける業者などの出現があげられているようだ。そして、そもそも寿命がわかってしまうような検査を受けて、人はそれに耐えられるのかという根本的な問題も指摘されている。

 この寿命判定検査が今後どのように発展し、広まっていくかはまだまだ未知数であり問題も山積みのようだが、もしも検査を受けるチャンスがあったら、あなたは自分の寿命を知る勇気がありますか?(参照元:Mail Online)

 テロメア説
 テロメアとは日本語で「染色体末端粒」といい、細胞の核の中にある染色体の両端のことを指す。ここが細胞分裂するたびに、回数券をちぎっていくように少しずつ短くなっていき、そしてテロメアの部分がなくなると回数券が尽きてしまい、細胞分裂ができなくなるという仕組み。このために、細胞分裂した新しい細胞が減っていき回数券のない古い細胞が増える。これが老化の原因なのではないかというのがテロメア説。

 遺伝子に寿命の時計が仕組まれているということだ。しかし、これはあくまで「説」であって、はっきりと解明されたわけではない。ほかにも細胞外基質が原因ではないかという説もある。細胞外基質はコラーゲンが主成分で、時間とともに変化、いわば老化していくが、その情報が細胞核にも伝わって大きな影響を与えているのではないかという。また、血管細胞が原因ではないかとか、免疫力の低下によるとかいろいろ言われており、さらに、それらが相乗的に老化を引き起こしているのでは、とも言われている。

 いずれは死なない人間の可能性もある。でも将来、「死」がなくなってしまったら、今の人間性は消えてなくなってしまう。人間が人間らしくあるということ、それは死があること、寿命があると知ったことによって生れたものではないかと思う。死があるからこそ、今どう生きたらいいのか、絶えず考えるようになった。それが本来の人間の姿だ。

 老化の研究は、とかく「寿命を延ばすこと」に焦点を当てがちだが、人間性というものを尊重しながら研究をしていかなくてはならない。

 ヘイフリック限界
 ヘイフリック限界(Hayflick limit)とは、細胞の分裂回数の限界のこと。ヘイフリック限界は、1961年にカリフォルニア大学やスタンフォード大学で解剖学の教授を務めていたレオナルド・ヘイフリック(Leonard Hayflick)らによって初めて発見された。

 その後多くの研究者によって追試され、ヒトの様々な臓器から得られた細胞を培養すると由来臓器に固有な分裂回数で増殖を停止すること、年齢の高いヒトからの細胞は分裂可能回数が少ないこと、遺伝的早老症患者から提供された細胞は健常者のそれより分裂可能回数が少ないことなど、多くの発見が生まれた。なおこの発見は、アレクシス・カレルの唱えた「普通の細胞は不死である。」という説を覆すこととなった。

 ヘイフリック限界の発見とその後の研究により、ヒト体細胞が決められた分裂可能回数を持つことは明らかであった。そこで原因として注目されたのがテロメアである。というのもヒト体細胞の場合、生まれたばかりのときのテロメアDNAの長さは8~12Kbp(bpは1塩基対)ほどあるが、年齢が高くなるにつれその長さは短縮する傾向があり、また、テロメアDNAが5Kbpほどになるとヘイフリック限界がおとずれることが分かったからである。

 しかし、現存する多くの単細胞生物は無限の増殖能を持つ上に、培養によって簡単に不死化(無限分裂能)株が得られる細胞の存在もあって、テロメア短縮とヘイフリック限界を結びつけることに対しては議論され、「ヒト体細胞を培養しても無限の分裂が得られないのは、培養条件が最適でないからだ」という反論も多くみられた。 その議論に終止符を打ったのが酵素テロメラーゼであった。

 テロメラーゼ
 テロメラーゼはテロメアDNAを修復させる酵素であり、無限分裂能をもつ細胞では強い活性をもつことがわかった。また、ほとんどのヒト体細胞ではかなり弱い活性をもつか、もしくは酵素自体が発現していないこともわかった。そして、環状DNAをもつ細胞や細胞小器官(ミトコンドリアと葉緑体)ではテロメラーゼ活性が全くないもののヘイフリック限界を持たないことも決め手となり、ヘイフリック限界とテロメアの関係は確実視されるようになった。

 テロメラーゼ活性が低い細胞は、一般に細胞分裂ごとにテロメアの短縮が進み、やがてヘイフリック限界 (Hayflick limit) と呼ばれる細胞分裂の停止が起きる。テロメラーゼは、ヒトでは生殖細胞・幹細胞・ガン細胞などでの活性が認められ、それらの細胞が分裂を継続できる性質に関与している。このことから、活性を抑制することによるガン治療、および活性を高めることによる細胞分裂寿命の延長、その両面から注目を浴びている。

 酵素によりテロメアが伸長されることは、1973年にアレクセイ・オロヴニコフ (Alexey Olovnikov) によって最初に予測された。彼はまた細胞老化に関するテロメア仮説およびガンとテロメアの関連について示唆を行った。 1985年にカリフォルニア大学のキャロル・W・グライダーとエリザベス・H・ブラックバーンは、テトラヒメナからこの酵素を単離したことを公表した。

 グライダーとブラックバーンはジャック・W・ショスタクと共に、テロメアとテロメラーゼに関する一連の研究で、2009年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。受賞理由は「寿命のカギを握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みの発見」。彼らの研究内容にはテロメラーゼがレトロウイルスに起源するという例証が含まれている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia テロメアーゼヘイフリック限界 ロケットニュース 英国で寿命のわかる血液検査 

テロメア・テロメラーゼ
クリエーター情報なし
日本医学館
テロメア 生命の回数券 健康長寿の秘密おしえます
クリエーター情報なし
自由国民社

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